都政へのご意見をお寄せください   

日本共産党都議会議員 原のり子のブログです
都議会報告、都政報告などを掲載しています
ぜひ、都政へのご意見をお寄せください

# by hara-noriko | 2026-12-31 23:59 | 表紙 | Comments(1)

3つのテーマで文書質問を提出しました   

都議会第3回定例会で文書質問を提出
質問の全文を紹介

 都議会第3回定例会の最終日に、文書質問を都に提出しました。テーマは(1)平和事業について(2)バス停のベンチと上屋(屋根)設置について(3)都営住宅の環境改善について―の3つです。今回は、質問の全文を紹介します。東京都から答弁がくるのは、第4回定例会初日(12月)の予定です。答弁がきたら質問と答弁の全文を改めて紹介します。

【原のり子のコメント】

 今期最初の文書質問は、この間、清瀬・東久留米地域のみなさんから寄せられている声に学んで、質問にしました。
 (1)について・・・清瀬も東久留米も、市民のみなさんがねばりづよく平和の取り組みを続けています。こうした取り組みを都として支援していくこと、とりわけ、子どもたちに引き継ぐ努力が必要です。質問を機に、さらに調査もおこなっていきたいと思っています。
 (2)(3)について・・・両方とも、とても切実な問題です。担当課に質問の趣旨を伝える中で、わかってきたこともあります。答弁は先になりますが、問題解決へ、早速とりくみを強めていきたいと思っています。

 以下が、文書質問の全文です。

【1.平和事業について】

痛苦の体験を引き継ぐことが重要な課題に
大事なことは歴史の事実を学び、共有すること


 2025年は戦後・被爆80年です。今年の夏は、例年以上に、各地域でさまざまな平和のとりくみがおこなわれました。戦争を体験された方々が高齢になり、その痛苦の体験や思いを、戦争を知らない世代がしっかり引き継いでいくことが、重要な課題となっています。最も大事なことは、歴史の事実を学び、共有することです。

清瀬市のピースエンジェルズ
都としても子どもや若者が参加できる取り組みを

 清瀬市では、1995年から毎年、ピースエンジェルズ(児童・生徒広島派遣)事業を実施しています。市のホームページには、「広島において、直接過去の事実を体感することによって、戦争の悲惨さや人命の尊さを再認識し、戦争の事実を風化させることなく、平和な社会を創造していくことのできる力を育てることを目的にしています」と書かれています。公募によってあつまった小中学生たちが、広島に行き被爆者のお話しを聞いたり、平和記念資料館などの見学をおこない、学んだことを「平和祈念フェスタin清瀬」で報告しています。今年もすばらしい報告でした。子どもたちは口々に、広島に直接行き、現地を見て、被爆者のお話を聞いたことが本当によかった、平和の大事さを伝えたいと話していました。
 都としても平和事業を実施していますが、戦争を風化させないということが焦眉の課題となっているなか、この機会に子どもや若者が主体的に参加できる内容に充実させていくことが必要だと考え、以下質問します。

 質問1 戦後・被爆80年という節目の年にあたり、東京都としての平和事業を充実させてほしいと考えますが、東京都としての平和事業にとりくむ意義、目的、実施状況をお聞かせください。また、東京都戦没者追悼式及び東京都原爆犠牲者追悼のつどいを実施していると認識していますが、これらの事業の実施状況をうかがいます。

 質問2 東京都が実施している平和事業において、区市町村との連携はおこなわれていますか。

 質問3 都内の区市町村において、自治体の予算による平和事業にとりくんでいるのはいくつあるか把握していますか。また、東京都の補助はおこなわれていますか。

 質問4 そのなかで、子どもや若者を被爆地等に派遣するとりくみをおこなっている区市町村はどのぐらいありますか。

 質問5 戦争を語り継ぎ、風化させず、平和を守っていくために、子どもや若者を対象にしたとりくみをおこなう区市町村を都が支援すること、そして都としても新たなとりくみを実施することを求めますが、見解をうかがいます。

 質問6 自主的な団体や町会・自治会などで、戦争の悲惨さや平和の大切さを語り継ぐことにとりくんでいる団体もあります。これらの団体の要望を聞きながら支援し、また体験談などの財産を行政として引き継いでいくことも大切だと思いますが、見解をうかがいます。

【2.バス停のベンチと上屋(屋根)設置について】

ベンチや屋根がないバス停が多い
「待っているのがつらい」「ベンチをおいてほしい」の声が


 私の地元、清瀬・東久留米地域は、多くの市民が民間路線バスを利用しており、日々の生活で欠かせないものとなっています。ただ、ベンチや屋根がないバス停も多く、高齢者や障害者、妊婦さんなどからは、「待っているのがつらい」「ベンチをおいてほしい」と声が寄せられます。また、屋根もないため、酷暑や雨のなかのバス待ちはとても過酷です。

バス会社がベンチ、屋根などを設置する場合
足立区は費用の半額を補助 都も実施してほしい


 足立区では、昨年度から、「足立区路線バス停留所環境整備補助事業」を実施し、ベンチ、屋根、バスロケーションシステムデジタル表示機器設置をバス事業者が実施する場合、かかる費用の半額か200万円(いずれか低いほう)の補助を行うとしています。また、既設の交換や撤去費用も対象としています。
 都としても、自治体間格差がでないように補助制度をつくることが必要ではないでしょうか。

 質問1 都営交通では、ベンチや上屋の設置をどのようにすすめていますか。また、今年度の個所数、予算はどのようになっていますか。

 質問2 民間バスには都からの支援はありませんが、独自に補助を実施している区市町村もあります。どのぐらいあると把握していますか。

 質問3 ベンチや上屋の設置を実施しようとする区市町村への都の支援を行い、自治体間格差が生まれないようにすべきと考えます。いかがですか。

【3.都営住宅の環境改善について】

都営住宅 空き室のベランダなどに鳩が巣をつくる
糞や騒音 東京都が対応すべきではないか


 都営住宅の空き室のベランダや、入院等で人が不在の部屋のベランダなどに、鳩が巣をつくり、近隣の人たちが鳩の糞や騒音などに悩まされている事例があります。「自分の責任ではないのに、なぜ何も対応してもらえないのか」「個人でやれる対策は限界がある」などたくさんの声が寄せられています。空き室や長期不在の部屋のベランダに入るわけにもいきません。都が対応すべきではないでしょうか。

徳島の県営住宅では公社が防鳥対策
都民がお金を負担して対策を取る自体は早急に改善を


 全国を見ると、徳島県の県営住宅では、「空き家のベランダについては、現状を確認の上、必要に応じて公社で防鳥対策を行っている」とのことです。人の部屋のベランダにくる鳩被害から、自宅を守るためにお金を負担して対策を取らなければいけない実態は、早急に改善すべきです。よって、以下のことについてうかがいます。

 質問1 鳩による被害について、どのぐらい相談が寄せられ、対策についてどのように話していますか。

 質問2 空き家のベランダや、入院等で人が不在の部屋のベランダの見回りをおこない、公社で清掃、及び防鳥対策を行うべきですが、いかがですか。

 質問3 都営住宅居住者で希望する方には、防鳥ネットなどの対策グッズを無料で配布することが必要だと思いますがいかがですか。

 この問題を放置することは、衛生上問題があり、健康被害が起きてしまってからでは遅いと思います。居住者の健康を守るために、一日も早く対策をとることを求めます。

空をゆくカルガモ
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# by hara-noriko | 2025-11-07 20:42 | 東京都政 | Comments(0)

生きる根幹 日本の食を守る取り組みを強めたい   

高市政権誕生で
日本の社会がどうなっていくのか、と


 高市政権が誕生して、この先、日本の社会がどうなっていくのか、と心配されている方も多いのではないでしょうか。まずは物価高騰対策しっかりやっていくべきなのに、それがなかなか出てこない。ガソリンの暫定税率については、先日、与野党でも合意してすすめる、とようやくなりましたけれども…。

お米の減産に逆戻りする高市政権
減反政策への反省なし


 最近の議論を聞いていてあきれたのは、お米の問題です。石破さんが首相のときに、お米不足・価格高騰のなかで、対策を取らなければならないと、曲がりなりにもそう言ったわけです。そして、増産に転じていかなければいけない、とも言いました。さらに、価格についても、4000円台ということはありえない、3000円台にしなければいけない、ということまで発言していました。
 そのためにどういう対策をとっていくのかという点では、中身は非常に不十分だったわけですけれども、お米の増産をすすめなければいけない、という立場の発言を石破政権のときにはしたわけです。ところが、高市政権になって、これをまったく逆戻りさせる発言が行われています。減産していく方向での発言がありました。具体的には、2025年年度は748万トンだったわけですけれども、2026年度には711万トンに抑えるとしています。新米も今4000円超えの高止まりになっている状況です。新しく農林水産大臣になった鈴木農相は、需要に応じた生産量にするんだ、というふうに言っています。
 でも、これは、これまでのことをまったく反省していない発言だと私は思います。減反政策をどんどんすすめて生産基盤の力を弱くして、生産をギリギリに抑えてきた。そういう状況のなかで、米不足、そして価格の高騰という状況になったのではないでしょうか。この反省があるのであれば、減産するなどという発言はありえないと私は思います。何の反省もなくまったく逆戻りしていく今の流れは、食い止めなければいけないと思います。

余裕をもった生産ができるよう
農家の価格保障・所得補償をいまこそ実行すべきです


 お米農家のみなさんも本当に苦悩しているのではないでしょうか。余裕をもった生産ができるよう価格保障・所得補償をきちんと行っていく。このことを今こそ実行すべきだと私たち日本共産党は提案しています。

お米は私たちの主食 食は命を支えるもの
高市政権の逆戻りにストップをかける


 お米は私たちの主食です。本当に重要な問題です。食は命を支えているものです。ですので私たち日本共産党は、高市政権による逆戻りの流れにストップをかけていきたいと思っています。

野菜農家にとっても
価格保障・所得補償は切実です


 この東京では、お米作りをしている農家というのは本当に少ないわけですが、東久留米市や清瀬市などでは、ホウレンソウやダイコン、ニンジンなど、都内で1位・2位を争う生産量をあげています。野菜をつくっている農家のみなさんは、厳しいなかでもがんばっています。
 東京の農家のみなさんから先日、要請がありました。東京都に対する要請の場に私たち共産党都議団も一緒に参加しました。農家のみなさんは、まず、度重なった台風により八丈島などの農業が大変な打撃を受けていることについて、緊急の支援を求められました。そして、お米に限らず、価格保障・所得補償の課題にしっかり取り組んでほしい、国に対しても意見をあげてほしい、と訴えられました。

生きていく根幹の問題として
しっかり取り組んでいきます


 私は、改めて、食の問題、農業の問題は、私たちの生きていく根幹の問題として、しっかり引き続き取り組んでいきたいと思います。

駅前で都政報告をつづけています
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# by hara-noriko | 2025-11-05 11:54 | 活動日誌 | Comments(0)

都議会厚生委員会 3つのテーマで質問   

都議会厚生委員会
私は3つのテーマで質問

 都議会厚生委員会が10月30日に開かれ、福祉局の事務事業質疑を行いました。委員全員が、さまざまなテーマをとりあげました。今回は、福祉人材の確保・定着について多くの委員が質問したことが1つの特徴だったと思います。また、ねばりづよい運動が続いている、障害者医療費助成制度の拡充や障害者の余暇支援の問題について触れる委員も。今後、陳情審査もあるので、共産党としてはそこでしっかりとりくんでいく予定です。
 今回、私は以下の3つのテーマについて質疑をおこないました。
 (1)都外の医療型障害児入所施設のサービス推進費補助について
 (2)放課後等デイサービスについて
 (3)こども誰でも通園制度について

(1)都外の医療型障害児入所施設のサービス推進費補助
改善がまだまだ必要


 都外の医療型障害児入所施設のサービス推進費補助は、前期からずっととりくんでいるテーマです。ようやく今年度から、東京の子どもを受け入れている、都外の医療型障害児入所施設(2000年以降に創設された施設)にも、サービス推進費補助が出されることになりました。が、改善がまだまだ必要であることについて質問しました。

お誕生日会や外出などの活動についての加算
柔軟な対応ができる旨の答弁が

 よかったのは、お誕生日会や外出などの活動について加算される仕組みがありますが、この設定時間が医療的ケアが必要なお子さんたちの実態に合っていないという指摘をおこなったところ、柔軟な対応ができる旨の答弁があったこと。ぜひ、施設に徹底していただくよう求めました。

(2)放課後等デイサービス(放デイ)は第3の居場所
利用料の無償化を提起


 放課後等デイサービスは、障害のある子どもたちの第3の居場所。都は、「質の向上」を掲げ、都型放デイを推進していますが、なぜなかなか広がらないのか、「質」とは何か、を問題提起しました。また、都の調査からも、利用上限額まで放デイを使っていないことが明らかになり、放デイの利用料は無償化すべきと提起しました。

障害が重い子どもたち、医療的ケアが必要な子どもたち
放デイを十分に利用できていない実態の改善を求める

 そして、障害が重い子どもたち、医療的ケアが必要な子どもたちが放デイを十分に利用できていない実態の改善を求めています。引き続き取り組まなければと思っています。

(3)こども誰でも通園制度
来年度からすべての区市町村で実施


 こども誰でも通園制度について。
 国が進めている誰でも通園制度は、来年度からすべての区市町村で実施することになっています。

どの子にも保育を受ける機会をつくるということは大事だが
十分な保育士の配置や環境の整備がなければ成り立たない


親の就労の有無に関係なく、どの子にも保育を受ける機会をつくるということは大事ですが、十分な保育士の配置や環境の整備がきちんと行われなければ成り立ちません。そういう問題意識から、都として区市町村を支援すべき点について質疑を行いました。

都にも類似の事業がある
さらなる改善・充実を提案

 東京都は、「多様な他者とのかかわり創出事業」という類似した事業を行っています。今年度から、誰でも通園制度に上乗せする考え方ですすめていることを確認し、さらなる改善・充実を提案しました。これも、引き続きとりくんでいきます。

たくさんの方からご意見をきかせていただきました
都議会ホームぺージの録画をぜひご覧ください

 どのテーマも、質問にあたり、たくさんのみなさんの声を聞かせていただきとりくみました。この場を借りて感謝を申し上げたいと思います。
 都議会ホームページから、録画を見ていただけます。私の質疑時間は以下のようになっています。
 (1)サービス推進費 2時間21分ごろ~
 (2)放デイ     2時間37分ごろ~
 (3)誰でも通園制度 3時間ごろ~3時間19分ごろまで

米倉春奈都議の質問は…
台風と被災者生活再建支援金についてなど

 米倉春奈都議は、台風と被災者生活再建支援金について、医療的ケア児の災害対応について、重症心身障害児者のショートステイ利用・在宅レスパイト支援の拡充について、物価高騰対策の補正予算の必要性について質疑をおこないました。とても大事な内容です!
 録画は、5時間50分ごろから6時間38分ごろまでです。ぜひ、ご覧ください。

駅前で都政報告
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# by hara-noriko | 2025-11-02 17:22 | 都議会 | Comments(0)

安心して利用できる健康長寿医療センターに   

都議会厚生委員会で質問
健康長寿医療センターをめぐり福祉局に

 都議会第3会定例会の厚生委員会で質問に立ちました(10月6日)。東京都健康長寿医療センター(板橋区栄町)の業務実績評価結果の報告を受けて福祉局に質問しました。

【原のり子のコメント】

 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターは、医療と研究所から成り立ち、高齢者の健康を支えていく重要な役割を担っています。毎年、法人からのヒアリングを行い、評価委員会が業務状況を評価し、それを受けて、知事が都としての評価を出します。その内容が議会に報告され、厚生委員会で質疑を行います。
 私は、この間、センターの研究所では、加齢性難聴の研究が深められていることに触れ、さらに、相談の実施や補聴器補助制度の拡充を求めました。また、救急の受け入れについて、個室利用料の在り方、都としてセンターへの支援を強化すること、などについても質問しました。
 以下が質疑の内容です。

健康長寿医療センター業務実績評価
救急患者の断り率3.9% この評価は?

 原のり子 日本共産党の原のり子です。健康長寿医療センター業務実績評価結果の報告について質問いたします。
 2024年度の業務実績評価では、年度計画を十分に実施できていないとするC評価、また業務の大幅な見直し、改善が必要であるとするD評価はありませんでした。その中で総評では、改善、充実を求める事項が3つあげられています。その1つが救急患者断りの改善です。高齢者医療・研究分科会(評価委員会の分科会)では、救急患者の断り率3.9%は高いとの指摘もありました。
 改めてうかがいますが、なぜ高いのか、また、意見を受けた対応についてうかがいます。

 福祉局高齢者施策推進担当部長 健康長寿医療センターでは、二次救急医療機関として救急患者の積極的な受け入れに努めております。救急患者断り率が3.9%となった理由につきましては、傷病者の症状から専門処置が必要であるが該当分野の専門医が不在であったこと、病棟の患者の急変対応や他の救急患者の緊急手術等により医師が手を離せなかったこと、また患者の状況から医師が三次救急レベルと判断したことなど、健康長寿医療センターでの受け入れが困難な状況が発生したためでございます。
 こうした状況を踏まえ、当直帯における医師のオンコール待機の導入等に加え、今年度から救急科と集中治療室の組織統合を図り、救急集中治療科として部門間の連携を強化しつつ、医師や看護師の配置についても見直しを行っております。

現場では相当努力をされている
十分な体制、都の支援が必要


 原のり子 今のご答弁を聞く限り、先ほども質疑ありましたけれども、やむを得ない理由によるものではないかと受け止めます。数字だけで判断することは難しいのではないかと、私は思って聞いていました。
 実際、救急についての法人の自己評価を見ますと、A評価になっているんです。A評価というのは、つまり年度計画を上回って実施していると自己評価されています。中身を見ますと、例えば看護師さんの育成やスタッフの教育体制強化も行われ、コロナ前と同規模の受け入れを行っています。現場では相当努力をされているということです。
 それでも断り率は以前より高くなっているというのは、新型コロナウイルス感染症が5類になっても救急医療が厳しい状況は変わっていない、ということの表れだと思います。そうした内容を踏まえての評価が重要だと思います。
 全都的に救急医療が厳しい状況の中、救急患者のさらなる受け入れをすすめることは重要であり、そのためには十分な体制が取られること。そのために、東京都としても必要な支援を行うことが求められることを指摘したいと思います。

難聴が転倒や骨折リスクを増大させる
都の補聴器補助の啓発にも役立つ知見

 原のり子 次に、改善・充実を求める事項の2つ目ですけれども、研究成果のいっそうの還元があげられています。
 センターでは、さまざまな先進的な研究が行われています。その中の1つとして、分科会では、高齢者の地域での生活を支える研究として、難聴が転倒や骨折リスクも増大させるなどの研究成果に触れられています。そして、都の補聴器補助の啓発にも還元できる知見ではないかと述べられています。具体的には、どのようにしてきたのでしょうか。

 高齢者施策推進担当部長 分科会で示した研究成果につきましては、加齢性難聴だけでは転倒リスクに影響を与えないが、歩行機能の低下が重なることで転倒や転倒による骨折の危険性が高まることを明らかにしたものでございます。この研究成果は、関係部署で共有しております。

都の補聴器補助未実施の都内の自治体をなくす
都の補助率を上げていくことが求められている


 原のり子 加齢性難聴と認知機能の低下の関連についての研究だけではなく、身体的な機能との関連を研究し指摘されていることは、とても重要だと受け止めています。ますます補聴器の大事さを啓発し、必要な人が経済的な不安なく購入できるように、都の補聴器補助未実施の都内の自治体をなくしていくこと、そして、そのためにも都の補助率を上げていくことが求められてきていると思います。

定期的な耳の聞こえのチェックのために
耳鼻科等への受診勧奨のシステムが必要、とあるが…

 原のり子 さらに、センターの研究では、加齢性難聴を有する高齢者の約7割は病院受診を希望していないという研究結果が、2023年5月に発表されています。定期的な耳の聞こえのチェックを通じた耳鼻科等への受診勧奨のシステムが必要、とまとめられていますけれども、センターでは何か具体的な取り組みは行われていますか。

 高齢者施策推進担当部長 健康長寿医療センターでは、耳鼻咽喉科に老年性難聴などの専門外来を開設し、地域の医療機関と連携した診療体制を整備しております。
 また、患者向け広報紙やホームページを通じて、難聴の種類や治療方法、認知機能の低下につながる可能性などを分かりやすくご案内するなど、受診を促進しております。
 さらに、地域の医療機関に対しては、地域連携ニュース等を通じて専門外来での取り組み等を紹介し、センターの受診につなげております。

耳鼻咽喉科の外来患者の推移は
補聴器外来の患者数の推移は


 原のり子 地域の医療機関との連携等もすすめながら、地道な周知活動を行ってきているということだと思うんですけれども、そこでうかがいたいんですけれども、センターの耳鼻咽喉科の外来患者の推移はどのようになっているでしょうか。あわせて、補聴器外来の患者数の推移はどのようになっているか、うかがいます。

 高齢者施策推進担当部長 健康長寿医療センターの耳鼻咽喉科の外来では、令和5年度(2023年度)は5059人、令和6年度(2024年度)は4790、補聴器外来では、令和5年度は931人、令和6年度は908人が受診されております。

紹介状がなくても利用できるようにすべきだ
誰でも利用できる加齢性難聴の相談の実施を


 原のり子 地域の医療機関で加齢性難聴の方がこの間どのぐらい受診をしているかというのはもちろんちょっと分からないんですけれども、ただ、今のをうかがうと、センターでは、地域との連携も深めてきているわけですけれども、耳鼻咽喉科の受診や補聴器外来の患者数というのは、特に増えているという状況ではないということだと思います。
 健康長寿医療センターは地域医療支援病院のため、基本的にほかの医療機関からの紹介状が必要です。紹介状がなければ7700円、歯科は5500円負担しなければならないとなっています。補聴器外来では補聴器の調整等を行っていくということだと思うんですけれども、この補聴器外来も紹介状が必要ということです。補聴器の調整は非常に大切ですけれども、なかなかうまくいかずに諦めてしまう方も大変多いと聞いています。
 地域に補聴器専門医が多いとはいえない中、紹介状がなくても選定療養費を負担せずに補聴器外来を受診できるようにする、また、誰でも利用できる加齢性難聴の相談などを実施をすることはできないのか、見解をうかがいます。

 高齢者施策推進担当部長 健康長寿医療センターは、重症患者に対して初期診療や入院治療を行う二次救急医療機関であり、加齢性難聴等については身近な地域の耳鼻咽喉科の診療所等で相談するのが前提となっております。
 なお、お話の健康長寿医療センターの補聴器外来は、センターの耳鼻咽喉科を受診し、補聴器が必要と専門医が判断し、患者が希望した場合に受診する専門外来でございます。

都民に開かれた相談などを実施していく
都としてぜひ検討してほしい


 原のり子 私は、このセンターの先ほど紹介しました研究の結果でも、受診勧奨のシステムが必要だというふうになっていますので、まずセンター自身が都民に開かれた相談などを実施していく、こういうことを検討すべきなのではないか、と。これは東京都として検討して、ぜひそれを実施してほしいと思います。

難聴の自覚をもってもらえるように
健診の中に聴力検査を入れることが必要


 原のり子 難聴に気づかない、たいしたことではないとしてしまうことも大変多いので、さきに述べた研究でも明らかにされているように、難聴の自覚をもってもらえるようにするということが大事にもなってきています。
 受診につながるようにするためには、健診の中に聴力検査を入れることが必要です。現在、東京都の補聴器補助では、補聴器相談医がいない地域しか支援の対象にしていませんけれども、どこの地域でも聞こえの検査を実施する場合には都が補助を出すようにしていくということが必要だと指摘し、強くこの点では要望をしておきたいと思います。

収入確保に向けた一層の努力がいわれているが
患者負担や医療従事者の過重負担につながってはならない


 原のり子 改善、充実を求める事項の最後は、さらなる収支改善というふうに書かれています。これを受けてどういうことをやっていくことになるのか、うかがいます。

 高齢者施策推進担当部長 健康長寿医療センターでは、医業収入確保や、研究に係る外部資金の積極的な獲得を図るなど、収入の確保に努めております。また、医薬品、診療材料につきましては、全国の医療機関の購入価格と比較できるシステムの活用等、コスト管理体制の強化に取り組んでおります。引き続き、収入の確保と適切な支出の徹底に努め、財務内容の改善を図ることとしております。

 原のり子 収支については改善を求めるC以下の評価にはなっていないにもかかわらず、医療経営を取り巻く環境が厳しい中でも、収入確保に向けた一層の努力等によりさらなる収支改善に取り組むことというふうに、あえて求めています。これが患者さんの負担や医療従事者の方の過重負担につながることがあってはならないと思っています。

個室の利用はどのくらいか
本人の希望以外の利用はどのぐらいか


 原のり子 そこでうかがいますが、個室の利用は年間どのぐらいありますか。そのうち、本人の希望以外の利用はどのぐらいか、うかがいます。

 高齢者施策推進担当部長 令和6年度(2024年度)の個室利用実績は、のべ3万8737人、そのうち感染防止目的や多床室が満床など、患者の希望によらず個室を利用し、料金を徴収していないものは、のべ6003人でございました。

医療上必要な場合は個室利用料を徴収しないよう徹底を
障害がある患者が個室を利用する場合も医療上の必要に

 原のり子 医療上必要な場合は個室利用料を徴収していないということだと思いますが、これは引き続き徹底するように求めておきたいと思います。例えば、障害があって他の人と同じ部屋では落ちついて医療を受けることはできない場合などは、自己都合による個室利用ではなく、医療上そうすることが必要だという判断がなされるべきだと思います。

個室しか空いていないという場合もあるので配慮を
個室使用料は引き下げる検討をすべきです


 原のり子 また、資料によりますと個室使用料は2019年からは上がっていません。しかし、550のうち141床が個室ですから、個室しか空いていないという場合もあると思います。そういうときに、経済的に厳しい方がやむを得ず個室を利用しなければならない。そういうときにきちんと配慮されるべきだと思っていますし、金額はこれ以上引き上げることのないように、むしろ引き下げる検討をすべきだと指摘したいと思います。

高齢者専門の医療機関としての貴重な役割
都として支援を強めることを強く求める

 原のり子 健康長寿医療センターが高齢者専門の医療機関としての貴重な役割を今後も果たしていけるように、東京都としての支援を強めることを強く求めて、質問を終わります。

厚生委員会で質問
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# by hara-noriko | 2025-10-27 22:41 | 都議会 | Comments(0)