日本共産党が予算案に反対したわけ   

 いくつかの新聞で、東久留米市議会についての記事が載りました。当初予算案が4度目の否決となり、今年度の予算がいまだに成立していないという事態についてです。このなかには、ただただ議会が市長の政治姿勢を問題にし、予算の中身について指摘していないかのような記事もありました。
 それぞれの会派の主張についてここでは触れませんが、共産党市議団としては、市長の政治姿勢の問題はもちろん問いながらも、予算案の中身自体も指摘しています。すでに、3月議会時点で予算組み替え案も出していますし、今議会では具体的に図書館の指定管理者導入にともなう予算について、具体的に指摘しました。市長は、新聞記者の取材に対し、「不満があるなら議会には対案を示してもらいたかった」と述べたようですが、本当に驚きました。
 私たちの提案に対し、どういう検討がされ、どういう議案を出してくるのか…明日27日にわかります。
 12月議会の討論内容を以下に掲載します。

【本会議反対討論】
 私は、日本共産党市議団を代表して、議案第102号 平成24年度東久留米市一般会計予算について、反対する立場から討論を行ないます。
予算組み替え案を示した共産党
 今年度の予算が3、6、9月の議会で否決され、今回が4度目の提案という、異例の深刻な事態となっています。共産党市議団としては、3月の時点で問題を指摘し、予算組み替え案を示し、市長の予算案には反対しました。
 しかし、市長は、予算が否決されても暫定予算のなかに問題あるものも盛り込み、押し通してきました。さらに、当初はなかった新たな政策的経費を途中でもりこんできました。象徴的だったのは、9月議会にもりこんだ、家庭ゴミ有料化関連予算です。なぜ、予算が成立していない状況で、盛り込んでくるのか不可解でした。結局、議会で大きな議論になり、暫定予算には盛り込まれませんでした。
図書館地区館3館の指定管理者制度導入について
 そして今回は、新たに、図書館地区館3館の指定管理者制度導入のための債務負担行為5億3900万円が盛り込まれました。この問題について以下、意見を述べます。
 先ほど、図書館地区館指定管理者の指定についての議案の討論で永田まさ子議員(共産党)が意見を述べたように、第1に、営利を目的としない図書館運営に、指定管理者制度の導入は基本的になじみません。第2に、今回の進め方はあまりにも拙速です。図書館は市民に育てられた市民の財産です。そのあり方について、市民の意見を十分に聞くことなく進めることは、市長がかかげていたはずの「市民参加と対話による合意形成」に反するといわざるをえません。
総務省が通知した「指定管理者制度の運用について」
 そして第3に、この予算で提案された債務負担行為についてどう考えるか、という問題があります。総務省は、平成22年12月28日付で「指定管理者制度の運用について」との通知を地方自治体に向け送りました。これは、指定管理者が管理する施設で死亡事故などが相次いだことなどを受けたものです。通知は、指定管理者制度について、「公共サービスの水準の確保という要請を果たす最も適切なサービスの提供者」を指定するもので、「価格競争による入札とは異なる」と指摘しており、コスト削減のみを目的としないよう求めています。
 また、指定管理者が仕事を非正規雇用職員に任せたり、自治体の直営時に比べて賃金を安くすることなどが問題視されているのを受け、指定管理者の選定にあたっても、労働法令の順守や労働条件への適切な配慮がされるように留意するよう要請しています。あわせて、自治体と指定管理者との協定の中で、安全確保体制や損害賠償責任保険の加入などに関する事項を明記することも求めています。
 そして、この通知の最後の項目に、「指定期間が複数年度にわたり、かつ、地方公共団体から指定管理者に対して委託料を支出することが確実に見込まれる場合には、債務負担行為を設定すること」とあります。これは、事業者が安定的に運営するための保障であると考えられます。大事なのは、債務負担行為設定だけが行われればいいのではなく、その中身です。総務省に問い合わせたところ、指定管理者の指定の議案と債務負担行為設定がセットでなければならない、あるいは債務負担行為設定の時期までは助言していない、とのことであり、各自治体の判断になります。自治体によっては、ガイドラインのなかで、債務負担行為設定については一律のものとせず、ケースによっては協定にもとづき毎年委託料を見直すこともある、としている事例もあります。
事業者が個人情報流出事故
 今回、文教委員会で、事業者が過去に個人情報流出事故を起こしていることを永田議員が指摘し、予算特別委員会で篠原重信議員(共産党)からも質しました。教育委員会は、その事実を把握されていないことがわかりました。まさに、総務省の通知に照らせば、そうした事実がわかったときに、なぜ事故が起きたのか、事業者がどのようにその問題を解決したのかすぐに確認することが大切ではないでしょうか。こうした重大な問題が明らかになった以上、5年間の債務負担行為設定そのものの検討も必要ではないでしょうか。少なくとも、今年度中の指定管理者に対する支出行為はないのですから、検討する時間はあるのではないですか。
 あわせて、市長が今年度予算の成立を本気で考えるのであれば、教育委員会とよく協議し、債務負担行為設定の時期について検討されてもよかったのではないか、と改めて指摘します。
市の姿勢が問われる重大問題が次々に
 共産党市議団として、本議案に反対する主な理由は以上述べてきたことです。しかし、同時に、今議会全体をふりかえったとき、教育委員の人事問題や、イオン問題、みなみ保育園民営化問題などを通じて、市の姿勢が問われる重大問題が次々起き、これらを見過ごすことはできません。
イオン出店を宣伝しながら交通誘導計画を議会に提出できず
 村山順次郎議員(共産党)が要請したイオン出店に伴う交通誘導計画について、事業者側が「提出できない」とのことだと予算特別委員会で明らかになりました。間もなくオープンすると大々的に宣伝しながら、市民の安全をまもるために欠かせない交通誘導計画を議会に提出できないとは一体どういうことでしょうか。
 また、みなみ保育園民営化については、保護者に示した園長候補の基準について、法人説明会において説明していなかったことがわかりました。公募要項で簡略化された部分はあっても、保護者に示した「民営化の考え方」が骨子になっている、という説明を信頼していたことが1年たって崩れてしまいました。
 しかも、共産党市議団としては、1年前、市長に対し、父母に示した基準を後退させないように直接要請してきました。改めて、問題を整理し、時間をとって保護者に説明し、十分に意見を聞いて対応することを求めます。
市政混迷のおおもとに市長の公約違反
 こうした混迷のおおもとは市長の公約違反にあります。市長はそこを自覚し、自ら責任をとるべきであると指摘します。また、みなみ保育園の問題は議会も問われていると思います。民営化推進・反対と立場はそれぞれですが、不祥事が続いても民営化を強行する、ということはあってはならないのではないでしょうか。
 以上の意見を述べ、本議案への反対討論といたします。

by hara-noriko | 2012-12-26 19:28 | 市政報告 | Comments(0)

<< 臨時議会は開かれず 何が起きたのか 総選挙で実感したこと >>