共産党が予算組み替え動議を提出   

 3月24日、予算特別委員会の最終日でした。日本共産党市議団は、予算組み替え動議を提出しました。
 一般会計予算は、全体で384億9600万円、そのうち一般財源は244億1800万円ほど。今回の組み替え案は、6047万円余の一般財源を組み替えるので、全体からみれば一部分です。しかし、政治的には大きな意味をもっていると私は思います。
無所属の2議員も賛同
 また、無所属の白石議員と間宮議員も賛同してくださり、一緒に提出できたこともよかったと思います。市民のために一致できることは、広く共同できるように今後も取り組んでいきたいと思います。
結果は、否決に
 残念ながら、組み替え動議は、共産党市議団の4人と白石・間宮議員の賛成で、結果は否決に。市長提案の来年度予算案は、公明・自民・民主・ハートネット・みんな・社民の賛成多数で可決となりました。27日(木)の最終本会議で、全会派が討論をおこない、最終的な採決があります。

 動議の全文を掲載します。
平成26年度東久留米市一般会計予算の組み替えを求める動議
 平成26年度東久留米市一般会計予算について、市長は、別紙により速やかに組み替えを行ない、再提出することを求める。

組み替えを求める理由
【1】東日本大震災から3年がたったが、被災者のみなさんのいのちと暮らしは、今なお脅かされている状況であり、支援の継続・強化が必要である。また、原発事故は、収束するどころか、放射能汚染水漏れがたびたび起こるなど、いっそう深刻な状況である。改めて、被災地の復興、原発ゼロの実現のため、力を尽くす決意である。
 東日本大震災後、わが市の防災対策についてもさまざまな議論がなされてきた。26市でわが市のみ未実施の、木造住宅耐震改修等工事費助成を実施するなど、最低限の充実をはかるべきである。

【2】来年度の予算を考える場合、もっとも考慮しなければならないのは、消費税増税が実施されることと、社会保障の切り下げがすすむことである。大企業の春闘回答では、ベースアップが実施されるが、実際には消費税増税分にも足りないのが実態であり、さらに、労働者の7割が働く中小・零細企業では、賃上げはおろか大企業などからの下請単価の切り下げなどが行われている。深刻なのは、今、働く人の4割が非正規労働であり、賃上げもなく、労働条件も悪化していることである。こうしたなか、消費税が増税されれば、暮らしは大変な困難を強いられる。そのうえ、生活保護基準の切り下げがすすめられることによって、生活保護受給者だけでなく、多くのサービスへの影響がある。年金の切り下げがすすみ、高齢者の医療費窓口負担も重くなろうとしている。後期高齢者医療保険料の大幅な値上げも実施される。
 このような状況のなか、自治体は、「住民福祉の増進」という地方自治の本旨にもとづき、市民生活を脅かす政治の流れに対し、最大限防波堤の役割を果たすことが求められている。
 <1>市の施策であり、セーフティーネットの役割を果たしている、ひとり親家庭住宅手当、障害者住宅手当、そして、子育て世帯を支えている、私立幼稚園等園児保護者負担軽減事業費補助金の切り下げは中止すべきである。
 <2>26市でわが市を含む2つの自治体だけが、いまだに有料にしている後期高齢者医療の健診料について、自己負担(500円)を廃止すべきである。
 <3>非婚のひとり親家庭にも寡婦(寡夫)控除のみなし適用を実施すべきである。
 <4>消費税増税により大打撃を受ける商工業者を支援する具体策として、少ない予算で大きな効果を挙げることが実証されている、住宅・店舗リフォーム助成を実施すべきである。

【3】市長は、当初予算に東中学校体育館新設のための予算計上を見送り、それだけではなく、新設の有無まで検討し直すという。このような重大な変更について、まったく議会に知らされていなかったことは大きな問題であると厳しく指摘する。東中学校の体育館建設を事実上白紙にしたにもかかわらず、旧第4小学校体育館の解体だけを先行することは矛盾している。いったん取り下げ、整理することを求める。

【4】補助金を受けている団体のなかの一部の団体について、ごく少額の補助金であるにもかかわらず削減している。また、市民全体の重要な事業である市民みんなのまつりの補助金も、2か年で削減するとしている。団体ごとの話し合いを経たとしても、プロセスが十分にみえず、なぜこれらの団体が選択されたのかがわからない。また、消費税増税が各団体の活動にも当然影響する。いったん、今回切り下げの対象になっている団体については、今年度と同様の予算額に戻したうえで、検討し直すべきである。

【5】保育園の待機児は、2月1日時点で旧定義327名、新定義249名にもなり、認可保育園が不足していることは歴然である。認可保育園に入れず、認可外保育を利用したくても、保育料が高くて利用できない、あるいは利用していても払えなくなる、認可保育園の空きがなくて1年の予定が2年以上認可外に在籍している、などの状況に鑑み、認可外保育施設保護者補助金を実施すべきである。

【6】子どもをとりまく環境が決してよくなったとはいえないなか、子どもがのびのびと成長できるように環境を整えていくことは重要な課題である。子どもたちが安全に遊べる大切な場所のひとつであるくぬぎ児童館は、再開すべきであるとの、子ども・市民の声も強い。まずは、利用停止後の子どもの遊び場所や安全対策を説明し、今後について子ども・市民の意見を聞く事が必要であり、説明会を早急に実施すべきである。
 「全国一斉学力テスト」については、地域間、学校間の競争をあおり、テストの点数をあげることが教育の目的のようになっている実態も指摘されている。国と東京都でも実施されている上に、市独自のテストを実施していくことについては検討し直すべきである。とくに、国と市のテストがほぼ同時期に行われることから、子どもへの負担を考慮すべきである。
 市として子ども議会を実施し、子どもたちの意見を聞き、施策に反映させていくことは、子どもたちを大きく激励すると同時に、行政としても大いに学ぶ機会となり、実施すべきである。

【7】市長は、コミュニティバスの実験運行が明記された、第四次長期総合計画について、28年度からの後期基本計画策定の際に見直す考えを示唆している。市内には、路線バスの拡充ではカバーできない交通不便地域があり、改めてニーズを把握することが必要である。コミュニティバスについても排除しない、公共交通充実のためのニーズ調査を実施する。

【8】市長は、予算でもっとも大事にしたことは、「行財政改革の推進」と答弁し、財政健全化計画をつくるために、財政健全化検討会議を設置するとしている。しかし、その内容は抽象的であり、必要性についても説得力がない。そればかりか、市民に痛みをおしつける「行革」のてこになりかねず、設置はとりやめるべきである。

組み替えの内容
(1)(仮称)財政健全化検討会議設置をとりやめる 50万5000円
(2)小・中学校学力調査を中止する 147万円
(3)旧第四小学校体育館等解体工事を中止する 5850万円

(4)以上から生み出される財源(6047万5000円)を、下記の施策に降り向ける。
<1>ひとり親家庭住宅手当と障害者住宅手当は切り下げず、今年度と同様に実施 258万円
<2>私立幼稚園等園児保護者負担軽減事業費補助金は切り下げず、
   今年度と 同様に実施 860万円
 <3>市民みんなのまつり(農業祭)(商工祭)補助金、柳久保小麦普及推進事業補助金、消費生活展運営費補助金、遺族会補助金、原爆被害者の会補助金、シルバー人材センター補助金、身体障害者福祉協会補助金、青少年対策事業補助金、愛のひと声運動補助金、地域文庫親子読書連絡会補助金は、削減せず、今年度と同様に実施 117万円
 <4>非婚のひとり親家庭にも寡婦(寡夫)控除のみなし適用を実施 39万円
 <5>認可外保育施設保護者助成金を実施 835万円
 <6>後期高齢者医療の健康診査の自己負担(500円)を無料にする 370万円
 <7>くぬぎ児童館についての説明会を実施 1万円
 <8>コミュニテイバスを含む、地域公共交通の充実に向けたニーズ調査を実施 315万円
 <9>木造住宅耐震改修助成を実施 300万円
 <10>家具転倒防止器具助成を実施 300万円
 <11>住宅・店舗リフォーム助成を実施 300万円
 <12>子ども議会を開催 5万円
 <13> <1>~<12>の残額を財政調整基金に積み立てる 2347万5000円

by hara-noriko | 2014-03-25 16:33 | 市政報告 | Comments(0)

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