さいわい保育園の民営化は検討し直すべきです   

 12月議会が終わりました。22日の本会議ですべての議案と請願の採決が行われました。
「公立さいわい保育園の存続を求める請願」は共産党だけが賛成
 8828名の署名が添えられた「公立さいわい保育園の存続を求める請願」は、共産党市議団の4人のみの賛成で不採択となりました。本当に残念です…。
市の進め方に問題があることが明らかに
 ただ、市の進め方に大きな問題があることが明らかになり、他の議員からもその改善を求める意見が出されたことは重要です。保護者のみなさんのとりくみの力です。本来、進め方に問題があるのであれば、ここはいったん立ち止まって検討し直すべきです。市の進め方に問題はあるが、さいわい保育園民営化はすすめてもいい、というのは成り立たないのではないでしょうか。やはり、ここからが大事、と改めて実感しています。以下、保育園民営化に関わる請願に対する、共産党市議団を代表しての私の討論(意見表明)です。

【請願に賛成する私の討論】
 今議会には、8828名もの署名を添えて、「公立さいわい保育園の存続を求める請願」が提出されました。この重みを議会も行政も受けとめる必要があると考えます。
 10月19日、市は保護者に相談もなく、一方的に「さいわい保育園民営化に関する説明会」を設定し、開催を強行しました。しかし、実質的な説明はできませんでした。にもかかわらず、「必要な説明はできた」と議会で答弁し、一方的な開催についての反省が示されることもありませんでした。さらに、市の広報にさいわい保育園民営化計画を載せ、保育園入所申込の場合は、さいわい保育園民営化を認めなければ申し込みができないとも感じ取れる、確認票へのチェックを求めています。こうしたなかで、行政との信頼関係は崩れ、このような民営化の進め方はおかしい、という声が広がっているのだと考えます。
保護者との約束を一方的に反故(ほご)にすることが許されるのか
 さらに市は、25年度26年度入所の人たちに、文書をもって、さいわい保育園民営化計画はあるが、希望すれば卒園までさいわいでの保育を受けられると約束していましたが、ここで29年4月に民営化するとのスケジュールを決めたので、同意を得て新園に移行してもらうと説明。そうなると、現1歳児、2歳児クラスの子どもたちは、さいわい保育園での卒園ができないということになります。行政は、「同意してもらえるよう努力する」といいますが、いったん交わした約束を、行政の都合で一方的に反故(ほご)にすることが許されるのでしょうか。
 これまで全国各地で、保育園民営化問題での裁判が行われてきましたが、保育所選択権や保育を継続して受ける権利についてもひとつの争点になっています。これまでの判例では、保護者の選択権や保育を継続して受ける権利を認めつつも、民営化については自治体の裁量の範囲であり、民営化により保育を受け続けることが阻害されるとまではいえない。むしろ問題なのは、十分な引き継ぎが行われない場合として、大阪の大東市では一部勝訴もしています。しかし、今回のわが市の場合は、市自らの文書で、希望すればさいわい保育園での保育を受けられると明記し、入所決定もされているのです。それを反故にすることが果たして、自治体の裁量の範囲、と言い切れるとは思えません。
市は説明責任を果たしていない
 また、新園への移行に同意できない場合どうするのか、と聞いても答はありませんでした。そんな無責任なことがあるでしょうか。法的な面も含め、市は、冷静、適切な対応をすべきであると強く指摘します。
 そして、「さいわい保育園の民営化の理由や決定過程を明らかにするために説明責任を果たしてほしい」(請願第71号)という、保護者のあたりまえの願いすら十分に受け止められていません。保護者が、なぜ、自分の園が民営化の対象になったのか、と考えることは当然であり、市は説明責任があります。にもかかわらず、今回、さいわい保育園の保護者の方々が行なった開示請求を「漠然とした開示請求」であると断じ、行政側が対応するのに苦労していると主張しているのは、私は大きな問題があると感じます。実際には、保護者はかなり具体的に開示請求をしていますし、量は多いにしても、民営化を進めている以上は、行政側としてはあって当然の資料だと考えられます。
 民営化するということは、保育士が入れ替わり、保育の方針も変わるという大変な激変です。その影響を受けるのは子どもたちです。厳しく説明責任が問われるのは当然であり、説明できないのならその方針には無理があるということなのです。
民営化を急ぐ必要はありません
 市が、さいわい保育園民営化を急ぐ理由として、「都有地活用による地域の福祉インフラ整備事業」の年限が迫っていることをあげていました。しかし、ここにきて、東京都はこの事業を大幅に延長し、37年度までとなりました。急ぐ必要はまったくありません。いったん立ち止まり、十分に時間をかけ検討しなおすべきです。
検証なしにすすめられている民営化計画
 我が市の民営化についての大きな問題は、検証なしにすすめているということです。
 市が自ら策定した、保育園民営化計画の再々改訂版では、7ページに、民営化後の市の対応として、(1)運営状況の把握と改善指導、という項目をたて、次のように記しています。「民営化後も保育実施者としての市の責任は変わらない。事業者に対して、提起に報告を求めるほか、実地調査などを行い、運営状況を把握し、必要に応じて指導助言、または改善を指示する。また、移行後、一定の期間、保護者、市、事業者の三者による意見交換の場を設け、保護者と園において問題が生じた場合には、その場において解決に努力する」。
 しかし、みなみ保育園の民営化について、四月以降の引き継ぎ連絡会の会議録は法人が主体なので提出できない、といいます。法人と相談することさえ、行ないません。厚生委員会の議論において、栄養士が不在の期間が1カ月ほどあったこと、保育士の入れ替わりについて何人あったかについて市は把握していないこともわかりました。しかし、フォロー体制はあったので問題ないとしています。実際のところを把握していないのに、どうして問題がないといえるのでしょう。改めて、市としての検証が必要であることは明らかではないでしょうか。民営化に対する立場は違っても、市としての検証はきちんと行うことは当然であり、請願第75号「みなみ保育園の民営化について、検証を行うことを求める請願」は、今議会こそ、採択すべきであると主張します。
「保育の質」という宝
 8828名もの思いが詰まった請願第62号は、最後にこう述べています。「44年間積み重ねてきた経験と知識と信頼と実績に基づく保育の質という宝を、将来の東久留米市で育つ子どもたちに残していきたいのです。これこそが、本当に守るべき東久留米市民の財産ではないでしょうか」
 民間保育園と比較してこちらの方がいいとか、公立ならなんでも優れている、というようなことをいっているのではなく、一朝一夕にはできない保育の営みとその重要性を述べているのです。
子育てのセーフティーネットとしての役割をより発揮してもらうことが大事
 今、子育てがしづらいといわれる社会状況のなかで、安心して子育てできる、子どもが育つ、環境を守っていくことが大切です。これだけ愛されている保育園をなくすのでなく、大事にしていくことこそ、重要な子育て支援ではないでしょうか。無理な民営化を強行するのでなく、待機児解消は、「都有地活用の地域の福祉インフラ整備事業」などを活用して、保育園を誘致・増設すべきです。
 また、東久留米の公立保育園を中心とした、障害児や特別の手立てが必要な子どもへの支援の仕組みはとても貴重です。そうした保育を必要とする子どもたちが、新制度のもとでも、必ず保育を受けられるように、より充実させていくことが必要です。これ以上、公立保育園を減らさず、地域の子育てのセーフティーネットとしての役割をより発揮してもらうことが大事ではないでしょうか。
 よって、採択を主張します。

東久留米駅西口から見た富士山
b0190576_00512664.jpg

by hara-noriko | 2014-12-24 00:51 | 市政報告 | Comments(0)

<< ヘイトスピーチ反対の意見書 可決! 憲法をまもろう! 市民パレード >>