私の訴えから-市政を動かしているのは市民です   

 2月14日、東久留米市で開催された日本共産党の国政市政報告会。私は4人の市議団の一人として思いと決意を語りました。その要旨を紹介します。

市民のみなさんと一緒に考える議員でありたい
 ただいま紹介していただきました、原のり子です。私は、4期16年近く市議会議員として活動してきて、何より実感しているのは、市政を動かしているのは市民のみなさんだということです。どんなに小さな問題でも、また大きな問題でも、市民のみなさんの声や運動で動いていきます。
 私は、議員になったばかりのころは、自分に務まるのかどうか、とても緊張していました。しかし、みなさんの声に学び、一緒にとりくみ、その声を市政に届けていくのが議員の役割だということが胸に落ち、だんだん肩の力もとれ活動を続けることができました。
 こうしたなかで、たくさんのすばらしい人たちや大事な運動と出会いました。保育園民営化問題で知り合ったある若いお母さんが、「原さんはいつも一緒に考えてくれる」と言ってくれました。教えてくれるとかやってくれるというのでなく、一緒に考える存在として認めてもらったことを本当にうれしく思いました。いろいろ至らないところはありますが、これからも一緒に考える議員としてやっていきたいと決意しています。
 
 さて、今期4年間をふりかえって、今後の決意も含めて三つのことをお話ししたいと思います。

障害者の生活寮がもっとふえるように取り組みを強める
 ひとつは、障害者の生活寮のことです。市内に、関係者のねばりづよいとりくみのなかで、生活寮がつくられてきています。生活寮とは、障害のある人がサポートを受けながら、自立して生活する家です。生活寮で暮らしながら、日中は作業所などに行き、お休みの日は実家に帰ったり、とそれぞれの過ごし方があります。
 2011年にNHKの特報首都圏で、「どうする?老障介護の拡大」という番組がありました。このとき、重度の障害をもつ息子さんを高齢のお母さんが自宅でみているケースが紹介され、「この子を看取ってやりたい」とお母さんが話す姿が映し出されました。一方で、東久留米の生活寮で過ごす方のケースも紹介され、住み慣れた地域、実家もある地域に生活寮があることで、生きいきと過ごしている様子も映し出されました。障害をもつお子さんの親御さんはみなさん、「親亡き後が心配」とおっしゃいます。その心配をしなくてもいいように、住み慣れた地域に生活寮が必要だと実感しました。
 ある知的障害をもつ30代の娘さんのお母さんは、生活寮ができるときに、希望しなかったと話してくれました。「子どもを捨てるようなことはできないと思った」と。でも、実際に生活寮で生きいきと過ごす人たちをみて、「次に生活寮ができたら入りたい」と思うようになり、生活寮をふやすとりくみに一生懸命参加していました。そのさなか、残念ながら突然病気でお母さんは亡くなってしまいました。私は、「次に生活寮ができたら入りたい」ということばを遺言だと思い、議会でとりくみました。
 市で、障害福祉計画をつくるためのアンケートをすると、今後どのような生活を送りたいかとの設問には、家族と暮らしたいと答える方が圧倒的で、生活寮に入りたいという人は少数であるという結果になります。しかし、だからといって生活寮のニーズはない、ということではありません。私は、直接数字にはあらわれない、その背景を十分にふまえることが必要だと強く求めました。
 これに対し、当時の担当部長が、自分自身生活寮を見学して大事だと思ったという感想を交えながら、数字の裏にある思いといったものもとりあげられるような形で集計したい、と答弁しました。私は、お母さんの思いが伝わった、と感じました。その後、関係者の方々の努力のなかで、生活寮がふえ、市の計画でも生活寮の大事さが強調されています。生活寮をさらにふやしていけるよう、とりくみを強めたいと思います。

待機児解消をいうなら認可保育園を増設すべきです
 ふたつめに、保育園民営化問題です。東久留米の保護者のみなさんのとりくみは、民営化されたら終わりというのでなく、その後もねばりづよくとりくまれています。みなみ保育園は民間移管されましたが、今も、引き継ぎ連絡会が行われ、子どもたちの保育環境のため保護者はとりくんでいます。そして、民営化を検証するよう市議会に求め続けています。ところが、市議会の自民・公明・民主などが反対し、この請願は採択されません。民営化してしまえば、市としてそれを検証する必要もないということなのでしょうか。
 また現在、市は、さいわい保育園を民営化しようとしています。保護者の合意もないのに、市民説明会を強行し、来年度予算にも民営化関連予算を計上しました。昨年の12月議会には、反対の請願が8828名もの署名とともに提出されましたが、共産党以外のすべての政党、議員が反対し不採択にしてしまいました。
 しかし、保護者のとりくみにより、たとえば、これまでの保育園民営化のなかで、子どもの心身に与える影響について市が検討したことがなかったこと、在園児は希望すれば公立さいわい保育園を卒園するまでいられるとの約束を破ったことなど、次つぎと問題が明らかになっています。このまま進めるわけにはいきません。
 保護者のみなさんは、間髪いれずに次の署名にとりくんでいます。先日、駅頭で署名を集める保護者の姿をみた他会派の議員が、「あんなに一生懸命やっていて…本当に胸が痛む」と言っていました。やっぱり、市民のとりくみが事態を動かすのです!私は、3月議会、そして4月の市議選で、さいわい保育園民営化問題を一大争点にし、必ずおしかえせるよう全力を尽くしたいと決意しています。
 保育園民営化はすべて先生が入れ替わり保育方針も園舎も変わるという、大変な激変です。このような負担を子どもたちに押し付けるのでなく、待機児解消をいうなら認可保育園を増設すべきです。そして、障害児保育などを積極的に実施している公立保育園をこれ以上減らさない、ということがどうしても必要だということを改めて強く述べたいと思います。

生活実態をふまえない差し押さえは生命にかかわります
 最後に、差し押さえ問題です。国保税、後期高齢者医療保険料、市税などの滞納により、差し押さえにあっている方が東久留米では年間1000件をこえています。なかには、悪質なケースもあるので、きちんと納めるように指導するのは当然ですが、問題は、納めたくても納められない生活状況に追い込まれている人への対応です。生活実態を踏まえない差し押さえは、時として命にかかわることがあるからです。
 私は、4年前のこの場所でも、差し押さえ問題を話しました。そのときは、違法な子ども手当の差し押さえの改善を求め、国会議員の佐々木憲昭事務所と連携して取り組んでいる状況でした。その後、この4年間で、鳥取の児童手当差し押さえ問題での広島高裁判決が出て、預金に入った場合でも、児童手当であると認められる場合は差し押さえしてはいけない、ということが明確になりました。以来、東久留米でも児童手当については、改善されてきていると議会質問のなかで感じています。
 ところが、今深刻な問題になっているのは、年金を狙い撃ちした差し押さえです。年金が振り込まれたとたんに押さえてしまい、2カ月間お金がない、という状態にしてしまうのです。年金は差し押さえ禁止債権です。しかも、生活ができなくなる全額差し押さえはあってはならないことです。
 高齢の一人暮らしの女性で、古い一軒家に住んでいる方は、その家を処分するように言われたが、高齢のためなかなか動けず、処分するにはさまざまな手続きや、次はどこに引っ越すかなどを考えなければならず、悩んでいました。悩みながら、納税相談をし、少しずつ払っていましたが、その途中で差し押さえにあいました。生活できないのでお金を借りようと市役所や社会福祉協議会に相談しましたが、有効な手立てはなく、結局また借金せざるを得なかった…と話してくれました。
 自治体によっては、差し押さえするという連絡を入れてから相談にくるまで待ち、納税計画をたてているというところもあります。そういう自治体は、滞納額自体が減っています。
 まず、国保税や後期高齢者医療保険料などを、納められる額にすること、減免制度を周知し活用してもらうこと、やむなく滞納してしまったときに早めに相談にのり支払能力に応じた納税計画をたてることなど、市民によりそった対策がとられるように、とりくみを強めたいと思っています。残念ながら、議会でこの問題をとりあげるのは共産党だけです。格差が広がる中、市議団力をあわせて改善に向けとりくみを強めたいと考えています。

みなさんと語り合い、力を合わせたい
 高齢になっても障害があっても安心してその人らしく過ごすことができる、安心して子育てができる、若い人が力を発揮する場がある、…そういう東久留米にしていくために、みなさんと語り合い、力をあわせていきたいと思います。その決意を述べて、話しを終わります。ありがとうございました。

梅の花(野火止2丁目)
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by hara-noriko | 2015-02-15 21:57 | 活動日誌 | Comments(0)

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