公立保育園の存続を求める請願に賛成   

 日本共産党市議団を代表して、28請願第5号「公立保育園の存続を求める請願」、ならびに、28請願第10号「公立保育園をこれ以上減らさないことを求める請願」は、採択すべきとの立場から討論を行いました。
請願の趣旨は
 今議会直前、「東久留米市保育サービスの施設整備・運営及び提供体制に関する実施計画」が発表されました。そのため、請願では実施計画については言及されていません。しかし、公立保育園存続の必要性について訴えている中身は、そのまま、公立保育園民間化という名の公立保育園廃止に対する反論となっているといえます。請願第5号の請願項目は、「さいわい保育園民営化後、公設公営の保育園は市内でたったの5園となってしまいます。これ以上、長年培われて地域に根付いた伝統ある公立保育園を民営化や廃園をしないでください」とのべています。請願第10号は、「公立保育園をこれ以上減らさないことを求めます」とあります。その点をふまえ、見解を述べます。
公立保育園廃止計画の危うさ
 この実施計画は、1ページで述べられているように、「平成29年度末までに向けた待機児童解消策を計画的に進めるとともに、施設の老朽化が進んでいる市立保育園の当面の方向性を示す」とある通り、2つの柱になっています。待機児解消は喫緊の課題であり、一日も早い解決が求められています。その点において、2年間で312名の待機児解消策を示したことについて、否定するものではもちろんありません。しかし、この内容をみると、確実に進むのかどうか、不確定要素も大きいことがわかります。
 さいわい保育園民営化でも、応募してきた事業者は2つの法人だけでした。その前のみなみ保育園でも、応募してきた法人に問題があり対象から外さざるをえなくなったり、1位で選定された法人が辞退したりと問題が続出しました。果たして今後、民間保育園が参入するとしても、良質な事業者がどれだけ手をあげられるのか、予測がつきません。また、保育士不足が深刻になっているなか、保育園としての運営ができなくなっているケースも出てきており、社会問題化しています。
 このような状況であるにもかかわらず、この計画が進めば、104名のしんかわ保育園を廃止しても大丈夫だと判断して、廃止を打ち出したこと、そしてしんかわだけではなくすべての公立保育園を廃止するとしたことに大きな問題があります。
潜在的な待機児についての考慮がない
 第一に、潜在的な待機児がさらにいることについての考慮がありません。今後の推移がどうなるかわからないのに、先に公立保育園廃止を決めてしまうというのは問題です。
保育の質が軽視され、公立保育園の役割について評価・検証がない
 第二に、保育の質の担保が軽んじられています。待機児解消は、安心して預けられる保育園を増やす、ということでなければなりません。そのためには、今ある公立保育園含め認可保育園を維持・運営していくことを軸にすべきです。
 保育の質とも重なりますが、東久留米の公立保育園が果たしている役割についての評価・検証が全くないまま提案されています。公立保育園を中心とした、障害児保育審査会の役割は今後ますます重要です。手立てがとくに必要だと判断した子どもへの保育が集団的・専門的に検討されています。一方で、私立ではどのような対応を各園が行なっているか、これから把握するといいます。こうしたことも明確になっていないのに、公立保育園廃止をうちだし、さらに、私立保育園への新たな補助を検討するというのは大きな疑問です。
安定的に運営できるのか
 第三に、財政効率が最優先になっています。つまり、老朽化している公立保育園を建て替えなくてもすむように、市全体の保育を民間化していき、数合わせで公立を廃止していくということです。公立にはお金がかかっていることをよく問題にされますが、もとはといえば、国が公立保育園に対する負担を一般財源化したり、東京都は都負担を廃止するなど、公立保育園に対する補助を削ってきています。そのため、自治体がその分をカバーせざるをえなくなっています。
 さらに、公立と民間では人件費が大きく異なります。公立では、保育士の勤続年数が18.8年、公設民営では9.6年、私立は8.7年です。これは、公立が安定的に保育を提供できることを表しているといえます。安定的に運営できる公立保育園を市内の要所要所に配置されていることが、保育全体の質を後退させないためにどうしても必要です。
 同時に、この勤続年数の差は、民間保育園においては、保育士が定着しにくいという課題もあることがわかります。そこには、今、社会問題化している保育士の給与の低さがあると思われます。国家資格でもあり、高い専門性が求められる仕事であるにもかかわらず、保育士の平均給与は21万6000円という低さです。経営が厳しく給与を上げることができない、と保育園を運営している法人などからも悲鳴があがっています。国会では、野党5党で保育士の処遇改善について議員提案を提出しています。
公立保育園の維持・拡充をしながら、待機児解消策を進めるべきです
 子どもの貧困問題、児童虐待問題など深刻な問題が多くあるなか、セーフティーネット機能を果たす公立保育園の維持・拡充をしながら、待機児解消策を進めるべきと考え、公立保育園民間化計画は白紙にし、保育のあり方については市民参加の懇談会をつくり協議をしていくことを求めます。
しんかわ保育園廃止計画は白紙に戻すことを求める
 次に、しんかわ保育園にかかわって3点意見を述べます。
ひとつは、今議会、ずっと指摘し続けて来た、行政の手続き問題です。入園申し込み時点では、廃止することになっていないが、入園後に廃止する園だということになっている、虚偽の説明を行ったということにならないのか、行政として問題はないか、という問題は何も解決していません。
 二つめは、しんかわ保育園の地盤沈下問題です。老朽化を最大の理由にして廃止しようというのに、専門的な調査もないままというのはまったく納得できません。保護者・市民の不安ばかりが大きくなります。早急に調査すべきであり、少なくともその間、廃止計画はストップすべきです。
 三つめは、40年の歴史をもち、地域に根差し、地域の子育て支援の拠点になっている点です。東久留米の保育園は、公立私立にかかわらず、地域活動事業や園庭開放などに積極的にとりくんでいます。しんかわ保育園もそのひとつです。とくに、園庭やプールのない認可外保育園などの子どもたちの大切な場所にもなっていたり、地域の親子連れが安心して遊びに来る場所になっています。園児と交流したり、保育士さんに相談することもできます。そういう場所を減らしてはいけないいのではないでしょうか。
 しんかわ保育園の廃止計画は白紙に戻すことを強く求めます。
まえさわ保育園の給食調理業務委託に反対
 最後に、まえさわ保育園の給食調理業務委託問題です。突然の決定、そして今年の10月から実施ということで保護者に不安が広がっています。赤ちゃんから在籍している保育園での給食は命にかかわります。アレルギー対応が必要な保護者は、「直営の給食で、調理員さんが子どものことをよくわかっているなかでていねいに対応してくれている。この関係が変わってしまうことはとても不安」という声もあがっています。本来、保育園の給食は委託すべきではないと考え、共産党市議団は反対します。保護者からは、賛成か反対かよりも、時間をかけてきちんと話し合いや検討をさせてほしいとの声があがっています。当然です。まず、この声に応えてていねいに対応することを強く求めます。

 以上の意見を述べ、両請願の採択を主張します。

採決の結果は、不採択。
両請願とも、【賛成】共産・市民自治・社民
      【反対】自民・公明・民主・久留米・維新

桜咲く黒目川遊歩道
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by hara-noriko | 2016-03-31 23:55 | 市政報告 | Comments(0)

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