公立保育園廃止計画は白紙撤回を   

私の一般質問から
 
5日、9月議会の本会議で一般質問に立ちました。質問の内容を2回に分けてお知らせします。1回目は、公立保育園廃止計画についてです。

市がすすめる「民間化」とは
 通告に従い、一般質問を行います。
 まず最初に、「東久留米市保育サービスの施設整備・運営及び提供体制に関する実施計画」について、うかがいます。
 実施計画について、改めてその位置づけを確認したいと思います。まず、第1章の1、計画の趣旨で次のように位置づけられています。
 「平成29年度末まで(平成30年度当初)に向けた待機児童解消策を計画的にすすめるとともに、施設の老朽化が進んでいる市立保育園の当面の方向性を示す」と明記されています。
 そして第3章では、待機児解消のための施設整備も具体的に示されると同時に、第4章において、市立保育園の民間化について述べています。
 「民間から供給される保育サービスを積極的に活用することで、多様な保育サービスの提供による保護者の選択肢の拡大や保育園の運営にかかる経費の縮減が図れるとともに、費用を発生させずに市立保育園の老朽化への対応といった課題が解決できるといった効果があることを勘案し、施設の老朽化の程度等を踏まえ、市立保育園を閉園し、民間サービスへの転換を図ることを市立保育園の民間化と定義し、この考えに基づき進めていきます」
 つまり、待機児解消策と公立保育園の廃止は、一体不可分のものとなっているのが特徴です。
待機児解消が確実にすすむ保証がないのに公立保育園の廃止を決めているのは問題
 共産党市議団としては、このことについて、待機児解消策を具体的に進めていくことは必要だが、確実に進む保証がないのに、公立保育園という安心してあずけられる認可保育園を廃止することを決めていることは問題であると、指摘してきました。
民間認可保育園の開設断念という事態のもとで
 今議会初日の市長報告で、来年度開設予定とされていた、定員60名の民間認可保育園が、諸般の事情から開設断念となったことが報告されましたが、私たちの懸念が現実のものとなったと感じています。こういうリスクは当然にしてあるのです。そのときに、公立保育園がきちんと運営されていることは行政の責任としても重要です。保育行政はすべて民間にお願いするから、公立保育園をなくしてもいいという考え方は、改めるべきではないでしょうか。
しんかわ保育園の募集停止の時期を1年先送りするのは当然ですが…
 今回の新設保育園断念に伴い、しんかわ保育園の募集停止の時期を1年先送りにすることもあわせて発表されました。1年ということには疑問はありますが、市の計画自体が待機児解消策と公立保育園の廃止を一体不可分のものとしている以上、先送りは当然の措置といえます。
待機児童の現状から見て
 とくに、今年度の待機児解消策は16名分でしたが、それをのみこんで年度当初の待機児は新定義で92名と、昨年度より5名増えてしまいました。来年度の待機児解消策は、60名の保育園計画がなくなったため、106名分となります。そうすると、今年度と同じ程度の人数でも新定義でみてもぎりぎり。先日発表された潜在的待機児の状況をふまえれば、まったく足りません。
 わが市は、年度当初の潜在的待機児が89名。新定義による待機児と合計すると、181名にものぼります。その分をどうカバーしていくのかが問われています。
しんかわ保育園の廃止だけは計画通りすすめるということはありえません
 しんかわ保育園の募集停止は当初の計画では、0歳児をまず再来年度から募集停止とするとしていますが、今後、確実な待機児解消が進むか不透明ななかで廃止だけは計画通りすすめるということはありえません。財政面だけでなく、公立保育園廃止の目的のひとつに、民間のサービスを受ける、選択肢をふやすと市が言っているのですから、予定通り民間の保育園が進んでいない以上、しんかわ保育園廃止のスケジュールを見直すことは当然です。
 また、老朽化していることを廃止対象の理由にしている点でも、地盤調査など必要な調査を行い、現在通っている子どもたちの安全確保を、と共産党市議団では強く求めてきましたが、当面すぐに保育を中断するような緊急性はない、と答弁されているのですから、しんかわ保育園廃止のスケジュールを遅らせることに問題はない、との市の判断があるのだと受け止められます。

 以上の意見を述べたうえで、4点うかがいます。
根本的な問題を解決すべきです
 1点目、先ほど述べたとおり、待機児童解消が確実に進む保証はないなかで、公立保育園を廃止していくというのはいかがなものでしょうか。今回、市長報告により、実施計画の変更が述べられましたが、そもそもの根本的な問題を解決すべきであり、公立保育園全廃計画については改めて撤回を求め、見解を伺います。
実施計画の見直しをいうのなら市民の意見を取り入れるべきです
 2点目、市長は、3月を目途に変更点についての実施計画見直しをおこなう、とのことです。これだけ大きな問題がおきたのですから、少なくとも、市民の意見をとりいれながらの見直しであるべきではないでしょうか。市長報告の質疑では、副市長より、市民参加の見直しは考えていないとの答弁がありましたが、改めて見解をうかがいます。
民設民営化される予定のさいわい保育園予定地の地盤や用水路の安全性について
 3点目、来年4月から民設民営化される予定のさいわい保育園についてうかがいます。先日の台風の際に、予定地が湖のようになっていた、との声や、程近くにお住いの方で、床下浸水だったお宅もあり、改めて、予定地の地盤や用水路の安全性が心配されています。安全性について、きちんと確認されているか、うかがいます。
園庭にトイレの設置計画がないまま常設のプールをつくるのですか
 4点目、新園に当初予定されていなかった、常設のプールがつくられるとの計画が法人から示されたとうかがいました。しかし、園庭にトイレ設置の計画はないままとのことです。園舎と園庭が用水路をはさんで離れており、改めて、園庭のトイレは必要ではないでしょうか。その後、この問題での進展はあるのか、うかがいます。

花にとまるアゲハチョウ
公立保育園廃止計画は白紙撤回を_b0190576_23053711.jpg

by hara-noriko | 2016-09-05 23:05 | 市政報告 | Comments(0)

<< すべての人の命と権利が大事にさ... 市立保育園全廃方針 早くも矛盾... >>