ここがおかしい 東久留米市の暫定予算
2017年 03月 30日
3月29日、東久留米臨時議会でした。並木市長が提出した来年度予算案が3月議会(第1回定例会)で否決になったため、暫定予算を組むことが必要になったからです。暫定予算はあくまでも暫定。市民生活に支障のないように、当初予算成立までの間をつなぎます。
「暫定」といいながら見過ごせない問題が
そういう性格の予算ですから、本来、中身に問題がなければ反対する理由はないともいえます。しかし…。
市長の提出した予算案には、暫定でありながら、基準もあいまいのまま市長の政策経費や議会で大きく意見が分かれているものも盛り込まれました。
中央児童館 市の直営から民営化へ 方針転換まで見込む
たとえば、中央児童館の大規模修繕事業の実施設計委託(1500万円)は、必要な事業ですが、暫定予算に盛り込む理由としては、平成31年(2019年)1月から指定管理者制度に移行するまでに間に合わせたいということ。
そもそも、中央児童館は、市民参加で行われたあり方懇談会の報告書により、「市の直営で」となっており、それにそって市もこれまで運営してきました。にもかかわらず、ここにきて指定管理者制度を導入するという一大方針転換をおこなうものです。しかも、パブリックコメントでは「市の直営で」という声がほとんどであったにもかかわらず。
議会においても、共産党だけではなく、複数の会派が反対の立場で相当な議論をかわしてきています。それでも、指定管理者制度導入のスケジュールを遅らせないためにどうしても暫定に入れたい、というのはまさに市長の政策判断によるものであり、納得できません。
時期尚早のマイナンバー対策まで盛り込む
また、マイナンバーを活用しての各種証明書についてコンビニ交付を開始する予算(2321万7000円)も、マイナンバーカード取得者がまだ圧倒的に少ないにもかかわらず、来年度末に現在の自動発行機を停止してコンビニ交付にきりかえようというもので、多くの市民の利便性が後退します。
マイナンバーについて私たちはその安全性から反対ですが、その是非を置くとしても、少なくとも時期尚早であり、また暫定予算にどうしても盛り込む説得性にも欠けるのではないでしょうか。これも、3月議会で私たちをふくめ、複数の会派が疑問を呈し、議論してきました。
「財政が厳しい」といいながら、都市計画道路 新規2路線の調査費
都市計画道路についても問題があります。いったんスタートすれば、多額の費用を要するため、共産党市議団は不要不急のものは中止すること、そして、複数の路線を同時に建設すべきではないことを強く求めています。
しかし、現在市は、3つの都市計画道路の調査および建設をすすめていますが、さらに2路線を追加する予定で、この新規2路線の調査(700万円)を暫定予算に盛り込んでいます。理由は、着実に進める必要があり、スケジュール的なことから、と。
さらに、都市計画道路に今後どのぐらい費用がかかるのか、概算をだすように共産党の篠原重信議員が求めると、「粗々の数字がひとり歩きしてしまうので、事業認可を取得したときに示す」と担当部。市長に求めると、「担当が概算の数字は難しいということなので出せるとはいえない」。議員はどの路線が必要か、大体いくらぐらいかかるのか、検討さえできないのでしょうか? 財政が厳しいとくりかえしいいながら、道路はどのぐらい費用がかかるかわからないまま、すすめていく……。とても問題を感じました。
家庭ごみ有料化の費用まで
そして、何より、家庭ごみ有料化(9517万9000円)について、パブコメも圧倒的に反対、議会も二分される賛否のなか、実施時期延期の条例が可決したことをもって暫定予算に盛り込まれました。しかし、質疑を通して、延期したとしてもとても間に合うとは思えない準備状況であることが明らかになりました。共産党の村山順次郎議員は、「やはり中止をすべきだ」と討論で指摘しました。
採決の結果は
算定予算案採決の結果は、結果は賛成11人、反対10人で可決されました。
賛成したのは、自民クラブ・公明党・久留米ハートネット。
反対したのは、日本共産党・市議会民進党・市民自治フォーラム・社民党。
日本共産党市議団からは、村山順次郎議員、永田まさ子議員、篠原重信議員が質疑をおこない、村山議員が討論を行いました。数日後に、インターネット録画放映されますので、ぜひご覧ください。各会派の主張もよくわかります。
by hara-noriko | 2017-03-30 17:53 | 市政報告 | Comments(0)