都民みんなの人権が尊重される東京に   

都議会で人権条例が成立
  都議会第3回定例会(9月議会)が終わりました。
 人権条例は、自民党の反対、かがやけTokyoの退席がありましたが、賛成多数で可決しました。共産党提案の修正案により、条例案をより良いものへとさらに前進させることができなかったのは残念ですが、質疑を通して大事な確認もできたことは、今後の運用で必ず生きると思います。人権条例が成立して、本当によかったと思います。


共産党が求めてきたもの
 これまでの議論のなかで、共産党としては、▽憲法を位置づけること▽差別の禁止を明確にすること▽啓発だけでなく教育を位置づけること▽都民参加を重視すること―などを求めてきました。基本的に、これらが条例に反映されました。本当によかったです。

都民の声による成果

 でも、これらは、都民の声による大きな成果だということが何より大事だと私は思います。この間、セクシュアルマイノリティの方たちは、運動を大きく発展させ、一部の人の問題でなくみんなの問題なんだ、ということを示してくれました。それが、条例第4条、「都、都民及び事業者は、性自認及び性的指向を理由とする不当な差別的取り扱いをしてはならない」というところに結実しました。だれもが、性自認・性的指向を理由とする不当な差別を受けない、してはならない、ということが明確にされたのです。今回の条例でここがとても大事な点の一つだと思います。

ヘイトスピーチは許さない

 ヘイトスピーチについては、すでに法律があるもとで、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消をもっと前進させていく、ヘイトスピーチは許さない、という決意が示せたことが大事であると思います。
 存在さえ否定されるような、ひどいことばを浴びせられ続ける。災害が起きればすぐに、ネットで「○○人が井戸に毒を流している」などのようなことを書かれ、拡散される…。こうした状況を放置するわけにはいきません。
 私が、改めて強く思ったのは、小平市の玉川上水の遊歩道のベンチ15カ所に、ヘイト落書きがされるということが先月に起きたことでした。私は、現地にも行き、このことを委員会で質問しました。こういうことがおきたときに、条例に基づき、審査会で検討して公表することもありえます。

都民の自由な活動が守られるようしっかりチェック

 また、公の施設の利用制限については、ヘイトスピーチを許さないということと同時に、それによって、それとかかわらない都民の自由な活動、表現の自由などがしっかり守られるということも重要です。制限の対象はあくまで、ヘイトスピーチ解消法の第2条に規定するものに限られること。地方自治法244条の、「地方公共団体は正当な理由がない限り住民が公の施設を利用することを拒んではならない」との規定を厳格にふまえること。基準については、学識経験者等の意見を聞いてつくることが答弁されています。(修正案では、条例で基準を決める際は審査会の意見を聞くことを義務付けた)。しっかり、チェックしていきます。

いかなる種類の差別も許されない

 きょう(10月5日)、都議会最終本会議の討論のなかで、LGBTとヘイトスピーチだけに特化して、他の問題はいいのか、ということを発言している議員もいました。しかし、この条例は、前文と第1章において、いかなる種類の差別も許されないことを位置づけています。さらに、SOGIを位置づけていることを十分に理解していないのではないか、と感じました。
 また、差別禁止を声高に言う前に理解促進だ、良識ある声はほとんど無視された、との自民党の討論は本当に驚きました。議事録ができてから、改めて確認したいと思います。

共産党の池川友一議員は討論で…
 共産党都議団を代表しての池川友一議員の討論では、総務委員会での自民党の質疑を聞いて、同性愛は日本の家族観や結婚観をこわすかのようなことを言われて、ショックだった、悲しくて涙が出そうだった、などの声が寄せられていることにも触れました。人権条例を議論しているのに、その中身で傷つく人がいるということを見過ごすことはできません。当事者によりそう、当事者を救済する、といいながら、あなたたちは少数者なんだといわれ続けている気持ちになった、との声もあります。…こんな気持ちにさせていいんですか? 悲しい気持ちを伝えてくださった方が、今日の討論を聞いて、「討論の内容、本当にうれしくて、泣いてしまいました」とメッセージをくださいました。

条例を都民の手で育てたい
 この人権条例をきっかけに、だれもが人権を尊重される東京に前進するよう努力していきたいと強く思います。そして、条例自身も、都民の手で育てられるよう引き続き提案していきたいと思っています。

【関連資料】
人権条例(東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例)
共産党 とくとめ道信議員の代表質問
共産党 池川友一議員の討論
人権条例 共産党都議団の修正案
第3回定例会を終えて 共産党都議団・大山とも子幹事長の談話


最終本会議で討論に立つ池川友一議員(10月5日)
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賛成多数で可決された人権条例(10月5日)
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人権条例について総務委員会で質問(10月2日)
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(撮影:長島可純 2次加工、SNS以外のご利用はお控えください)

by hara-noriko | 2018-10-06 00:37 | 都議会 | Comments(2)

Commented by midnighthistory at 2018-10-06 01:36
議会ご苦労様でした。
台風で東京は、特に地下空間が水没し大被害が出るのではないかと心配してますが、いかがでしょうか?
さて、本件ですが、願わくば共産党の修正案だけでなく、可決された成文も、見られるようにして頂くとなお良いかと思います。東京都のホームページが修正されたら、そちらへのリンクでもいいと思いますが。
Commented by 原のり子 at 2018-10-06 23:46 x
コメントありがとうございます。
条例も見ていただけるようにしました。

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