命を削る都の計画を撤回させましょう
2020年 01月 27日
都立病院・公社病院の独法化に6億円計上
東京都の来年度予算案が発表されました。みなさんの運動のなかで大きく前進した項目もいくつかありますが、重大な内容を抱えている予算案になっています。カジノの検討をすすめていく。都立病院と公社病院を地方独立行政法人(独法化)にする。こうしたことをすすめていくための予算を計上しています。独立行政法人に移管するための経費は6億円です。独法化は、コスト削減などを目的に、都が直接責任をもつ運営をやめて、より「民営化」に近い運営にきりかえるものです。
廃止された都立清瀬小児病院の受け皿
多摩北部医療センターの充実は切実な願い
都立病院と公社病院。清瀬市・東久留米市の地域では、10年前に都立清瀬小児病院が廃止されました。その受け皿として、都立から東京都保健医療公社になった多摩北部医療センター(東村山市青葉町)を充実させていく形になりました。市民のみなさんの運動で小児科ができ、救急も充実させてきました。喘息のお子さんが多いということで、専門外来を多摩北部医療センターにつくることにもなりました。
私は、都議会議員になって初めての本会議一般質問で、多摩北部医療センターを取り上げました。小児外科医、子どもの骨折などを診られる整形外科医の配置が必要であることを訴えましたが、その後配置されました。
多摩北部医療センターは、もともとは都立多摩老人医療センターとして、全国的にも重要な高齢者医療の専門機関でした。これからも地域の重要な病院として役割を果たしてほしいと期待されています。
独法化で医療後退の危険
全国で小児科や産婦人科などが後退
地域の病院として、廃止された清瀬小児病院の受け皿として、多摩北部医療センターを充実させていこうという取り組みは今でも続いています。
しかし、小池知事が出した都立病院・公社病院の独法化方針は、多摩北部医療センターの役割を大きく後退させかねないものです。独法化というのは、東京都の手から離すということです。そうすると採算の合わない分野が切り縮められる危険があります。
全国の状況を見ても、独法化をしてから病床数が減ったり、お医者さんが減ったり、小児科や産婦人科など採算がとりにくい分野が後退したりしています。
都が独法化した健康長寿医療センター
病床が減り差額ベッド代を徴収
東京都が独法化した健康長寿医療センター(板橋区栄町)では、病床が161床も減らされて、徴収していなかった差額ベッド代も全体の4分の1もの病床で徴収するようになってしまっています。独法化するということは、こういう事態が都内全域に広がりかねない危険をはらんでいます。
都立病院への財政投入の意味は
医療提供に不可欠な経費
東京都はいま400億円を都立病院に財政投入しています。共産党の原田あきら都議が代表質問(昨年12月)で、「小児、周産期、障害者、難病、災害医療など、不採算であっても都民に必要な医療の提供を使命としています。一般会計からの繰り入れ(都の財政投入)はそのために不可欠なものであり、赤字の穴埋めではありません。知事は、どう認識していますか」とただしました。
答弁に立った病院経営本部長は、「都立病院の基本的な役割であり、採算の確保が困難な行政的医療を提供するための不可欠な経費として、地方公営企業法などに基づき一定のルールを定め算定を行っており、いわゆる赤字補填(ほてん)というものではないと認識しております」と答えています。
それにもかかわらず、都立病院・公社病院を財政を理由に独法化するというのは、まったく矛盾しています。
独法化の方針は撤回すべきです
公社病院へもしっかり財政投入を
みなさんの命と健康を支えている都立病院・公社病院を一緒に独法化するという方針は撤回し、都立病院は直営で運営し続けていくことが必要です。公社病院に対してもきちんと財政を投入しながら、直営に戻していくことも含めて検討していくことが求められていると思います。
清瀬市にお産ができる病院がない
多摩北部医療センターに産科とNICUを
清瀬・東久留米の地域では、都立清瀬小児病院が廃止されたために、子どもたち、とりわけ重度の障がい・難病の方々には大変な負担になりました。小児病院がなくなった後に充実させようと取り組んでいる多摩北部医療センターには、残念ながら産科はありません。清瀬市ではお産ができる病院がゼロになってしまいました。東村山市にも出産ができる病院がありません。
産婦人科がきちんと営めるためには、小児科がきちんと運営されていること、救急を受け入れる病院が近くにありNICU(新生児集中治療室)があることがどうしても必要です。東久留米市にはお産ができる病院がありますが、NICUをもつ公立昭和病院(小平市花小金井)に近いという条件もあるのではないかと思います。
多摩北部医療センターに産科をつくる、NICUをつくるために市民のみなさんがずっと運動しています。独法化方針の撤回と合わせて、いよいよ重要な課題となってきました。多摩北部医療センターの医療が後退しないように、もっと充実するように、知事の独法化方針を押し返していきましょう。
住民の命と暮らし、健康を支える
地方自治体の大事な役割
石原元都知事は、都立病院を半分にしました。そして、今、小池知事はすべての病院を都の直営から切り離そうとしています。住民の命と暮らしを支える。これは地方自治体の本旨です。その立場に立たない独法化方針の撤回を求めて、共産党都議団は3月議会、6月議会などでしっかり取り組んでいきます。
7月に都知事選
みんなで力を合わせて都政を変えましょう
今年は7月5日に都知事選挙があります。みなさんの命と暮らし、健康をしっかり守る都知事をみなさんと一緒に誕生させていくことがどうしても必要です。力を合わせましょう。
by hara-noriko | 2020-01-27 21:38 | 東京都政 | Comments(0)