都知事発言で考えたこと
2020年 04月 19日
PCR検査 問われる都の姿勢
区市町村で格差が生まれないように
知事は、東京都医師会の尾﨑治夫会長の発言を引用。「『医療的緊急事態宣言』を発出し、すべての都民の皆さまに対し、外出自粛を呼びかけられました。医療の現場からの切実な声であります」と述べました。
この日の午後、東京都医師会は緊急記者会見をおこない、PCRセンターを合計47カ所、各地域につくっていくことを打ちだしました。医師が必要と判断すれば、保健所を通さなくても検査できるようにするというものです。外出自粛をすすめながら、必要な検査が確実に迅速におこなわれなければ、感染拡大を抑えていくことはできません。医師会が現状をなんとか打開しようととりくんでいるなか、区市町村、東京都、国の姿勢が問われます。区市町村で格差が生まれないように、東京都としてのとりくみが重要です。しっかり議論していかなければなりません。
福祉従事者についての言及がなかった
支援をどうすすめるのかも重要なテーマ
もうひとつ。知事が、医療従事者、社会生活の維持のために不可欠な業務に携わる人達、そしてすべての都民、事業者に謝意と敬意を表したことは大事でした。今回、補正予算案のなかに、医療従事者に対する支援や中小業者への支援なども盛り込まれています。もちろん、さらに充実させていく必要がありますが、大事な支援です。
ただ、残念なのは、福祉従事者についての言及がなかったことです。「社会生活の維持のために不可欠な業務に携わる人達」に含まれているのか?…でも、知事の発言では、「生活必需品の供給やそれを支える物流など、社会生活の維持のために不可欠な業務に携わる人達」と述べていて、福祉従事者についても述べているとは聞こえませんでした。コロナ禍のなかで、福祉従事者の方たちもまさに命がけで子どもたち、障がい児者、高齢者、その家族を支えています。その取り組みに対する支援を具体的にどうすすめるのか。このことも重要なテーマです。
保育、学童、放課後デイ、障がい者や介護の施設
休みになった職員の補償はどうするのか
保育園、学童保育、放課後等デイサービス、障がい者施設、高齢者の介護施設などは、大事なセーフティーネット機能であり、基本的に事業を継続していくことが求められます。そのため、東京都も休止要請の対象外としています。ただ、保育園、学童保育、障がい児通所支援施設は「必要な保育等を確保したうえで適切な感染防止対策の協力を要請」となっていて、できるだけ保育の規模を縮小していくことが要請されています。働いている保護者に補償がしっかり行われれば、外出自粛も広がり、休む子どももふえるでしょう。そうするとそれに伴い、保育士や指導員なども休みになる人が出てきます。この場合の補償はどうするのか? 有給休暇を使うようにいわれている、という声もあり、現時点でもすでに矛盾がおきてきています。
放課後デイ 午前中からの開所
都の独自支援なし 職員の切実な声
また、学童保育については、午前中から開所する場合の運営費について都独自の支援を実施しますが、障がいのある子どもたちの学童保育である、放課後等デイサービスには都独自支援はありません。
放デイの職員の方たちからも多くの意見が寄せられています。「ほとんどの子どもたちはマスクをつけられない」「もともとせまいのに、3密を控えてといわれても無理」「ハイリスクな場所だということを理解してほしい。少なくとも、それに見合う補償をしてほしい」「電車で通勤して、自分が感染して、子どもたちに広げてしまったらどうしようかと毎日不安」「このままあけていていいのか、と葛藤がある」など本当に切実です。
共有したい福祉従事者の役割
抜本的な支援強化に取り組む
医療従事者などの子どもたちを受け止めているのも、こうした社会福祉施設であり、その職員のみなさんも、大変な使命感をもってがんばられています。また、困難を抱えている家庭の子どもを受け止める役割も担っており、コロナ禍のなかで虐待の増加も指摘されているなか、改めて重要な機能を担っていると実感します。
福祉従事者の方々の役割をもっと共有し、抜本的な支援強化をしていくべきではないか、と思います。取り組みを強めます。
by hara-noriko | 2020-04-19 19:45 | 東京都政 | Comments(0)