広島に原爆が投下されて75年のいま
2020年 08月 09日
広島市長の平和宣言
「連帯」のよびかけに胸打たれ
広島市・松井一實市長の平和宣言に、胸を打たれました。市長は、現在のコロナ禍を語りながら、100年前のスペインかぜについて触れます。当時、第1次大戦中で、国同士が対立していて「連帯」できなかったために、数千万人の人が命を落としてしまった。その後、国家主義の台頭もあり、第2次大戦に突入し、原爆投下につながった、と。
そして、次の一文に胸が震えました。「こうした過去の苦い経験を決して繰り返してはなりません。そのために、私たち市民社会は、自国第一主義に陥ることなく、『連帯』して脅威に立ち向かわなければなりません」
本当にそのとおりだと、心から共感しました。キーワードは「連帯」。この言葉が平和宣言に何度もでてきます。
日本政府にも「連帯」よびかけ
核兵器禁止条約の締約国になって、と
市長は、日本政府に対しても、「連帯」の立場に立つことをよびかけました。唯一の被爆国として、核兵器禁止条約の締約国になって、世界の国々に「連帯」することをよびかける役割を果たしてほしい、と。核兵器禁止条約の締約国が広がり、連帯していくことが、平和を守るカギなんだ、と。納得です。
市長は、「黒い雨降雨地域」を広げることにも言及。平均年齢83歳を超えた被爆者の方々の苦しみに寄り添うことを強く求めました。
空虚だった安倍首相のあいさつ
小学生のスピーチに心を揺さぶられないのか
これに対し、安倍首相のあいさつは、核兵器禁止条約にも、「黒い雨」にも、ひとことも触れない、空虚で無責任なものでした。首相のあいさつの前に、小学生による「平和への誓い」もスピーチされました。「相手を知り、違いを理解しようと努力すること」「被爆者の思いに、私たちの思いを重ねて、平和への思いを世界につなげ」る大事さを訴えました。何も心を揺さぶられないのでしょうか。
核兵器禁止条約 発効へあと7カ国
唯一の被爆国で世論を広げましょう
核兵器禁止条約も発効まであと7カ国に迫りました。真っ先に批准すべき唯一の被爆国日本は、いまだ、背を向けています。世論を大きく広げていくために、力を合わせましょう。日本の政治を核兵器禁止条約に積極的な政治に転換しましょう。平和と命を守ることは、どんな考えをもっていても、一致してすすめるべき土台の問題です。
91歳で被爆の語り部に
知り、学び、引継ぎ、伝えて…
先日、91歳の被爆者の方が、被爆の語り部として活動を始めた、という話をニュースで見ました。16歳で被爆して、ずっとつらい体験を誰にも話すことはできなかった、と。亡くなったいとこを庭で焼いたときに、ピクン、ピクンと動いたことが今でも夢に出てくる…。でも、パーキンソン病になり余命宣告を受けたことがきっかけになり、何かしないといけない、世界の人たちがこんなつらい目にあわないように話さなければと思った、と。こういう思いで被爆者の方々が命がけでとりくんでいることを、私たちが知り、学び、引継ぎ、伝えていかなければならないと改めて強く思っています。
by hara-noriko | 2020-08-09 00:33 | 活動日誌 | Comments(0)