歴史の事実に背く小池知事   

97年前の9月1日
関東大震災で多数の朝鮮人が虐殺される

 もうすぐ9月1日です。いまから97年前、1923年(大正12年)のこの日、関東大震災が南関東や隣接する地域を襲い、10万人を超える死者・行方不明者を出しました。同時に、「朝鮮人が井戸の中に毒を流している」「朝鮮人が暴動を起こした」などさまざまなデマが流されて、多数の朝鮮人が虐殺されました。

追悼式典にメッセージを送らない小池知事
歴代知事のなかで初めての事態

 1974年以来、歴代の都知事は毎年、横網町公園(墨田区)でおこなわれている「9・1関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典」(実行委員会主催)に追悼のメッセージを送ってきました。ところが小池知事は3年続けて追悼メッセージを出さず、今年もメッセージを出さない判断をしています。歴代の都知事のなかでは初めてのことで、歴史の事実に背いています。
 追悼式典に追悼文を送るように、実行委員会のみなさんが取り組みをしています。また8月22日には、市民グループが呼びかけた抗議のサイレントスタンディングが都庁前でおこなわれ、「差別をやめろ」などと書いたプラカードを掲げました。
 歴史の一つひとつの事実に学んでこそ、次の対策がとれます。関東大震災のときに虐殺された朝鮮人の方々に追悼メッセージを送らないという知事の差別的な対応は、厳しく批判されなければなりません。

共産党都議団が知事あてに申し入れ
追悼文送付の再開求める

 8月26日、共産党都議団は、「9・1関東大震災朝鮮人虐殺事件追悼式典にたいする追悼文送付の再開を求める申し入れ」を小池知事あてにおこないました。原田あきら都議から申し入れの趣旨を説明し、それぞれの都議からも要請しました。応対してくださった武市敬副知事は、「知事に報告します。関係者に伝え、共有します」と述べました。

式典に隣接した場所でヘイトスピーチが
知事自ら提案した人権条例に反する

 今回私たちがとくに指摘したのは、知事が追悼文を送らなくなった年から、追悼式典に隣接した場所で集会が行われ、そこでヘイトスピーチがなされるようになったこと。さらに、朝鮮の人たちに対する許されない言動が、人権条例で設置されている審査会において、「別の集会に対して挑発的意図をもって発せられたもの」で、ヘイトスピーチだと認定されたこと。…こうした事実をもってしても、なお、追悼文を送らないのかと問い、ヘイトスピーチのない東京都をめざし率先して行動すべきだ、と知事に求めました。
 また、静穏に犠牲者の追悼と史実の継承に努めてきた追悼式典の開催を、不当に制限することにつながる誓約書の提出を求めたことは、撤回したとはいえ、猛省のうえ二度と行わないことを求めました。
 知事自ら提案した、ヘイトスピーチを禁止することも柱にした「人権尊重条例」を、もう忘れてしまったのでしょうか…。私は、9月1日までまだ時間がある。考え直して送るべきだと改めて述べました。

歴史の事実に立って
差別を許さない東京へ

 横網町公園に追悼碑をつくることについて河野ゆりえ都議は、超党派で進められてきた歴史を指摘。改めて、どういう立場の人であっても、歴史の事実に立ってすすめてきたことの大事さを実感しました。以前、河野都議のお父さんが17、18歳ごろに、実際に朝鮮人が集められ連行されるところを目撃した、というお話も聞きました。
 先日、都民の抗議の様子がニュース番組でも放映されました。多くの方が注目するなか、知事はどうするのでしょうか。改めて歴史に学び、差別を許さない東京にしていくため、私自身も努力していかなければと思いを新たにしています。

申し入れを武市副知事(中央)に手渡す共産党都議団
(左から)あぜ上三和子、原のり子、原田あきら
(右から)河野ゆりえ、斉藤まりこ、とや英津子の各都議
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朝の訴えで、コロナ対策とともに追悼メッセージの問題を指摘
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村山順次郎・東久留米市議と一緒に
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by hara-noriko | 2020-08-26 23:53 | 東京都政 | Comments(0)

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