障害者のスポーツ環境を前進させたい
2020年 10月 23日
決算は来年度予算を考えるうえでとても重要
いま都議会では、決算特別委員会が開かれています。分科会での審査は10月26日が最終日です。決算というのは、1年間の予算の使い方やその執行状況、そしてさまざまな事業がどのように行われてきたのかをしっかり振り返って、そこから見えてきた課題、その解決のために議論します。ですから、来年度の予算を考えていくためにも、とても重要なのが決算、ということになります。
オリンピック・パラリンピックについて
私は障害者スポーツの充実を求めて質問
私は決算特別委員会の委員になってとりくんでいます。10月19日は、オリンピック・パラリンピックについての第2分科会の質疑が行われ、私も質問しました。非常に特徴的だったのは、どの会派も、障害者スポーツを前進させるための質問を行ったことでした。私も障害者スポーツの充実の問題で質問。このなかで、改めてオリンピック・パラリンピックのあり方についても考える機会になりました。
オリンピック開催に前のめりでいいのか
慎重な判断が求められている
先日まで行われていました都議会の定例会では、公明党からオリンピック・パラリンピックの開催決議の提案があり、賛成多数で採択されました。私たち共産党都議団は、反対しました。オリンピック・パラリンピックはとても大事で、私たちもぜひ開催したいと思っています。しかし、新型コロナウイルスの感染が東京だけでなく世界中で広がっています。この状況でオリンピック・パラリンピックを開けるかどうか。本当に慎重な判断が必要だからです。オリンピックをやって、またコロナの感染が大きく広がることになっては困ります。ですから私たちは、ただただ開催することに前のめりになるのではなくて、慎重な判断をする、状況によっては開催できないということも頭に入れて進めていく必要がある、そういうことでこの開催決議には反対しています。
障害者がスポーツに参加しやすい環境を
私も質問で取り上げた
19日の決算特別委員会第2分科会でも、オリンピック・パラリンピックを開催するという前提での質問が圧倒的でした。いま、必要なのは、障害者スポーツを進めようと考えたときでも、また、パラリンピックが実施できない場合であっても、障害者のみなさんがスポーツに参加しやすい環境をしっかりつくっていくことです。
東京のなかに2つの障害者スポーツセンター(北区と国立市)があります。実はいま、コロナ禍のなかで半分の人数しか入れない、プールや体育館なども使えない時間が多い状況になっています。こういうなかで、運動不足になったり、精神的にもきつかったりする状況になっている方がたくさんいます。だから「スポーツセンターをできるだけたくさん開いてほしい」という願いが寄せられて、私も質問で取り上げました。
都内に障害者スポーツセンターが2つしかない
「身近な場所に安心して使える施設を増やして」
この大きな東京で、人口が多い東京で、障害者スポーツセンターが2つしかないということは大問題だと思っています。東久留米市でも、以前こういうことがありました。地域のプールの自由遊泳の場所で、障害者のサークルのみなさんが教え合ったりしていました。そうするとプールの管理者から「水泳教室のようなことは、違うところでやってください」と注意された。では、プールのレーンを団体利用しようと思ったら貸し出していない。すると、「プールの水泳教室に参加してください」と。水泳のサークルで活動したいのにそれができる場所がない。
そこで、プールのレーンを団体で使える障害者スポーツセンターに行こうと思ったけれども、スポーツセンターがあるのは国立市です。国立市まで障害者や小さな子どもたちが行くのは大変なことです。「やっぱり、身近な場所に、障害がある子どもたち、そしておとなも含めて、安心して利用できるスポーツ施設をもっとつくってほしい」「地域のスポーツセンターも障害者が利用しやすいようにしてほしい」。こういう声でした。
地域のスポーツセンターの水泳教室
視覚障害者が参加を断られてしまった
また、ある地域の視覚障害者の方は、地域にあるスポーツセンターの水泳教室に申し込みました。「誰でも参加できる」と書いてある水泳教室ですが、断られてしまったそうです。 また別の地域でも、プールに視覚障害の人は入れてもらえない。「同行支援をつけてもだめです」といわれて、結局参加できなかった。こういうことがまだまだ起きています。
オリンピック・パラリンピックで、スポーツの参加のすそ野を広げていくということがいわれていますが、現実にはこうした多くの方々がスポーツに参加しようと思っても参加できない。これがいまの東京の現状です。ここを変えていくことがいま、本当に重要ではないでしょうか。
オリンピック・パラリンピック
だれもが安心できる状況をつくってこそ
オリンピック・パラリンピックを開く、コロナの状況をまったく考慮しないでとにかく開催さえすれば盛り上がる、というだけの考え方ではだめなんだと思います。オリンピック・パラリンピックで機運を盛り上げて、そしてコロナに打ち勝つ、そういう状況を見せるんだと東京都も国もいっていますけれども、いま大事なのは冷静になって世界中に広がっているコロナ感染をしっかり解決する、そして誰もが安心できる状況でオリンピックは開催する、これが当然のことではではないでしょうか。
by hara-noriko | 2020-10-23 21:00 | 都議会 | Comments(0)