コロナ対策 「3つのカギ」
2021年 01月 19日
コロナの感染広がり 心配な状況続く
社会的連帯を強めて乗り越えたい
コロナの感染が本当に心配な状況になっています。心配なこと、不安なことなどお困りごとがありましたら、遠慮なく私たち共産党にご相談ください。お気軽にご相談いただければ、と思います。このような事態はだれもが初めてのことですから、社会的な連帯をしっかり強めて、コロナ危機を乗り越えていくことが必要だと思っています。
コロナの新たな感染者はこの1週間、東京で毎日1000人を超えています。入院や療養の調整を待っている、つまり行き先がまだ決まらずに待機している方が東京だけで7000人を大きく超える事態になっています。ご自宅で療養している方は8000人を超えています。重症者も増えていますので、たいへん心配な状況が広がっているといえます。
政治は何をすればいいのか
「3つのカギ」を実行する
こうした状況の中で政治は何をすればいいのか、が問われています。私は「3つのカギ」があると思っています。これを確実に実行していくことによって、感染をくい止めることができることを訴えたいと思います。
1つめのカギ
ひっ迫する医療機関を支える
1つめのカギは、深刻になっている医療機関のひっ迫した状態をどうにかしなければいけない、ということです。
東京都も都立・公社病院のなかから3つの病院を急きょ、コロナ専門の病院にすることを決めました。通常の医療を受けている方々への対応、転院する妊婦さんへの対応など、現場では大変な状況になっています。都立・公社病院だからこそ東京都が判断し指示をすれば動いていくことができます。都立・公社病院は全力でがんばっているわけですから、さらにしっかりとした支援を強化すると同時に、一般の患者さんたちが継続して医療を受けられることを保障するために、東京都がきちんと財政支出をすべきだと共産党都議団は都に求めました。妊婦さんの転院については、交通費なども含めてきちんと手当てする、と都はいっています。さらに充実するように、また不安のないように引き続き求めていきたいと思っています。
そして、医療機関全体に対して今こそ財政支出を強めて、しっかり支えていくことが求められています。。
お医者さんに聞いてみると、コロナの患者さんを受け入れれば通常医療にしわ寄せがいく、本当に苦しい、ということをおっしゃっています。財政的にしっかり支援していくこと、医療従事者のみなさんへの慰労金を出していくことが必要です。また、コロナの患者さんを受け入れていない、あるいは検査を実施していないクリニックがきちんと地域に存在して、通常の医療をしてくださることが、コロナ危機を乗り越える上でも大切です。ここへの支援も必要です。
あわせて、保健所の抜本的な人員増と負担軽減もまったなしです。さらに強く求めていきます。
2つめのカギ
PCR検査を抜本的に拡充する
2つめのカギとしては、PCR検査を抜本的に拡充することです。
コロナは、自分がどんなに気をつけていても感染する場合があります。感染した人が悪いのではありません。また、感染したときに症状が出るとは限りません。無症状の感染者が非常に多い。これが特徴です。だからこそ、検査が重要になってきます。早め早めに検査をおこなう。だれもが必要なときに検査が受けられる。また、定期的に受けることができる。こういうふうにしていけば、必ず感染拡大を防止することができます。重症化を防ぐこともできるので、医療機関の負担を減らすことにもなります。
検査をしたら医療機関が大変になる、ということがいわれる場合もありますが、そうではありません。検査をきちんとおこなって、症状があってもなくても陽性だとわかったらきちんと保護をして治療を受けてもらう。これを徹底することです。
この取り組みは、ようやく少しずつ広がってきました。当初は国も東京都も、検査については及び腰でした。東京都は1日あたり6万8000件のPCR検査ができる能力をもっているのに、多くても1万件を超えるくらいしか検査していません。ここを抜本的に拡充しようということを共産党都議団は求めています。みなさんと一緒に検査の抜本拡充を実現したいと思っています。
ようやく障害者や高齢者の入所施設では都の負担で検査ができることになりました。また通所施設についても区市町村と共同で検査をおこなうことが可能になりました。しかし、何回も定期的に検査ができるところにまではなっていません。これができるように国費を投入すべきだ、と私は訴えています。
3つめのカギ
自粛と補償を一体で
3つめのカギは、自粛と補償を一体で支援することです。
いま東京都は、飲食店などに夜8時以降の営業は自粛してほしい、とお願いし、協力金を出すとしています。しかし、「わずかな協力金ではとても乗り越えられない」という声もあります。夜の自粛に加えて、なるべく不要不急の外出はしないでください、といわれていますから、お客さんは激減しています。「とても持ちこたえられない」と多くのお店がいっています。
国も東京都も、補償するという考え方を十分にもっていません。小池知事は、「東京都の事業に全面的に協力してくれれば協力金を出すということであって、補償ではありません」とはっきりいっています。この考え方を変える必要があります。自粛をお願いするなら補償をちゃんとする。これを徹底することが大事なカギになっていると思います。
政府が罰則の導入を計画
これにストップをかける
いま紹介した「3つのカギ」をしっかりやれば感染拡大を防ぐことができるのに、国は罰則の強化を持ち込もうとしています。コロナの患者さんを受け入れてくださいと勧告された病院がそれに応えられなければ病院名を公表する。入院する・療養する必要のある人がそれに応えない場合は罰金を科す。こういうことを検討しています。さらには、飲食店などについても、営業時間短縮の要請に応えなければ店名を公表する、また罰則を科す。先ほど紹介した「3つのカギ」に逆行する形での罰則導入計画です。とんでもないことではないでしょうか。ストップをかけなければいけません。
思い起こしたい痛苦の教訓
元ハンセン病患者の心配
日本は痛苦の教訓をもっています。ハンセン病のことを思い出していただきたいと思います。科学的な裏付けのないやり方のなかで強制的に隔離されるなど、ずっと差別を受け続け、人権を踏みにじられてきた方たちがいらっしゃいます。80歳を超えたいまでも故郷に帰れない方たちがいらっしゃいます。
先日お会いした元患者さんが、「コロナのなかで差別を受ける人が出てこないか心配だ」と話していました。こういうことを二度と繰り返してはなりません。脅して差別を助長することになりかねない、罰則強化などはあってはなりません。コロナについて科学的な裏付けのある対策をしっかりとって、社会的連帯で乗り越えていくことを心から訴えたいと思います。
感染症対策の先頭に立つ都立病院・公社病院
東京都の手から離してはなりません
最後になりますが、都立・公社病院をどうしても守らなければいけないと思っています。冒頭に紹介したように、3つの都立・公社病院をコロナ専門病院にすることになりましたが、こういうことができるのも、東京都が直接病院をもっているからです。
公社の多摩北部医療センター(東村山市青葉町)は、都立清瀬小児病院が廃止されたときの受け皿にもなった病院です。この多摩北部医療センターも含めて、都立病院・公社病院のすべて、都が手を離そうとしています。独立行政法人化するといいます。感染症対策でも先頭に立っている都立・公社病院の役割を見れば、あってはならないことだと思います。
都立・公社病院は、特に不採算な診療科目を担当しています。感染症対策や小児科、難病などの医療にあたっているのが都立・公社病院です。コロナに感染した障害者の方は難病もかかえていましたが、それでもなかなか入院先が決まりませんでした。この方も都立の病院で受け止めてもらいました。
6月の都議会議員選挙の争点に
都立・公社病院をしっかり守る
都立・公社病院をしっかり守る。このことは6月におこなわれる都議会議員選挙でも鋭く問われることになります。私はひきつづき、みなさんの声をしっかり都政に届け、この地域の医療を守り充実させていくためにとりくみを強めたいと思います。
(左から)深沢まさ子市議、山崎美和市議
原のり子、原田ひろみ市議
by hara-noriko | 2021-01-19 00:29 | 都政報告 | Comments(0)