文書質問から(8)都市計画道路建設について   

 3年前の2017年7月に都議になってから、私は都議会定例会が開かれるごとに文書質問をしてきました。文書質問は、本会議で質問に立たないときに提出できます。どんな質問をし、都がどのように回答したか。随時紹介しています。第8回は「都市計画道路建設について」(2018年第3回都議会定例会文書質問)です。

私のひとこと

東久留米市民が大切にしている黒目川。その上を、2本もの大きな橋をかけ、都市計画道路を通そうとしています。東久留米市施行の優先整備路線に位置づけられています。しかし、ここは、豊かな自然のある貴重な場所であるとともに、近くには土砂災害警戒区域・特別警戒区域もあります。警戒区域の指定は東京都がおこなっています。その安全対策はどうするのか。道路先にありきでいいのか。都の責任も問われています。しかし、都の回答は他人事です。
 現在、「黒目川を守る会」をはじめ、たくさんの市民の方が環境を壊さないで、と声をあげています。自然は一度壊してしまったら、簡単にはもとに戻せません。水と緑のまちを標ぼうする東久留米市なのに、その財産を壊してしまっていいのか…。「黒目川を守る会」発行の『「桜の公園』」自然がいっぱい』という冊子を多くの方に読んでいただき、一緒に考えてほしいと思います。

質問事項
 都市計画道路建設について


 現在、東久留米市では、東村山都市計画道路3・4・21号線、及び3・4・13号線の事業化に向けての取り組みが始まりました。「東京における都市計画道路の整備方針(第4次事業計画)」における優先整備路線になったことによるものです。この計画は、閑静な住宅街、公園を通り、オイカワの産卵場所にもなっている黒目川を横断します。環境が激変することにもなることから、反対や心配の声が多数あがっています。
 さらに、第1工区(東村山都市計画道路3・4・21号線部分)は、土砂災害警戒区域も含まれていることから、地域ではこのままこの計画が進められて危険はないのか、心配の声があがっています。この間の災害の状況をみても、それほど急な崖でなくても、豪雨で崩壊する事例もあり、崩れる例もあり、不安が広がっています。
 東京都は、土砂災害警戒区域の指定を急ぐことをはじめ、防災対策に力を入れるとしています。また、知事は、都市計画道路について見直すべきは見直すことも表明されています。対応を求め質問します。

土砂災害警戒区域・特別警戒区域
何を考慮して道路の構造を決めているのか


【質問1】
 都は、都市計画道路の整備を進める際に、土砂災害警戒区域や土砂災害特別警戒区域が含まれている場合、どのようなことを考慮して道路の構造を決めていますか。

【回答1】
 道路法第29条では、「道路の構造は、当該道路の存する地域の地形、地質、気象その他の状況及び当該道路の交通状況を考慮し、通常の衝撃に対して安全なものであるとともに、安全かつ円滑な交通を確保することができるものでなければならない。」とされています。
 都市計画道路の整備に当たっては、土砂災害警戒区域等の指定の有無にかかわらず、同法等に基づき、適切な道路構造を決定しています。

災害の危険やその対策
市民の納得と合意なしにすすめるべきだはない


【質問2】
 都は、都市計画道路の整備を進める際に、都市計画道路のような公共性が高い施設のなかに土砂災害警戒区域や土砂災害特別警戒区域が含まれている場合、まず、土砂災害の可能性について調査が行われ、その結果について、市民に説明が行われるべきだと思いますがいかがですか。また、災害危険やその対策について、市民の納得と合意なしに整備をすすめるべきではないと思いますがいかがですか。それぞれお答えください。

【回答2】
 都市計画道路の整備を進める際には、必要に応じ、斜面の状況、地形・地質等を調査し、安全性に配慮した適切な道路構造を決定します。
 この内容については、工事の着手前に開催する工事説明会等で地元の皆様に説明します。
 工事の実施に当たっては、地元の理解と協力を得ながら進めていきます。
 なお、今後も土砂災害警戒区域等の指定に当たっては、住民説明会を地元区市町村とともに開催し、土砂災害の危険性や区域指定の目的などについて説明します。

まず調査をすすめ
市民に公表すべきです


【質問3】
 東村山都市計画道路3・4・21号線、及び3・4・13号線の土砂災害の可能性について、都は、東久留米市とともに、調査をすすめ、市民に公表すべきと考えますがいかがですか。

【回答3】
 東村山都市計画道路3・4・21号線及び同3・4・13号線は、平成28年(2016年)3月に策定された「東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)」において、東久留米市施行の優先整備路線に位置付けられています。
 本路線の工事の実施に当たっては、東久留米市が適切に対応するものと考えています。
【掲載されている議事録】
平成三十年東京都議会会議録第十五号
平成三十年十二月四日(火曜日)

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文書質問から(8)都市計画道路建設について_b0190576_00055986.jpg
市民のみなさんと一緒に道路計画の現地調査(2018年6月)
中央の白い帽子が原のり子
右から2人目が北村りゅうた・東久留米市議
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計画図
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by hara-noriko | 2021-02-13 00:06 | 東京都政 | Comments(0)

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