東京都庁で初めて 知的障害者の正規職員誕生へ
2021年 02月 14日
非常勤職員からステップアップ
東京都は2018年度から、総務局の「オフィスサポーター」では知的障害者を、教育庁の「サポートオフィス(パレット)」では知的・精神・身体障害者の方たちを、会計年度任用職員(非常勤職員)として雇用してきました。現在、全体で90名ほどの方たちが、事務職として仕事をしています。来年度、この方たちの中から継続して仕事をしている方たちを対象に、正規職員化しようというものです。総務局4人、教育庁18人です。知的障害者が初めて都庁の正規職員になります。
都議会でくりかえし質問
障害特性に応じた職員採用を求める
私は、都議になって以来、障害者・保護者の方々からの声をふまえ、障害特性に応じた職員採用をくりかえし質問してきました。きっかけになったのは、東京都の「障害者を対象にした正規職員採用試験」で、知的障害者も対象になったものの、筆記試験は「高校卒業程度」となっており、実際には合格者が出ていない、という問題です。試験を受けられるだけで、合格できない…。これは差別解消法・条例にも反するのではないか、と。
愛知県を2度視察して学び、都に提起
答弁に変化が生まれていた
私は、共産党都議団のメンバーと一緒に愛知県を2度視察して、知的障害者に特化した正規職員採用試験について学んできました。2008年以来、毎年、特性や個性に配慮した採用を続けています。知的障害者の特性に応じた採用試験を東京都でも実施すべきです、と求めています。
なかなか、そのことは実現しませんが、この間、会計年度任用職員の方たちの勤務内容や条件などを検証しながら考えていきたい、と答弁に変化が生まれてきました。
昨年12月、共産党都議団で知事に直接予算要望した際にも、知的障害者に特化した採用試験の実施とともに、障害を有する会計年度任用職員の方を正規職員化する場合の基準は、障害特性に配慮したものにすることを強く求めました。
障害者・保護者の方々の声が動かしたもの
障害特性に応じた職域を広げたい
非常勤職員から常勤職員へ…。これは大事な前進です。「障害者を対象にした正規職員採用試験」では合格しなかった、あるいはあきらめていた方たちが、非常勤職員として働きながら、常勤への道が拓かれる。障害者・保護者の方々の声が動かしました! 同時に、事務職だけでなく、障害特性に応じた職域を広げるという点では道半ば。さらに、とりくみを強めたいです。
また、知的障害者だけでなく、たとえば、東京都は、視覚障害の方が、マッサージ師として活躍してきた分野を後退させてきたことなどについても、改善のとりくみを強めたい。また、福祉作業所や生活訓練事業所など、さまざまな場で自分らしく仕事をしたり学んだりできるように、もっと支援を強めることが必要だと強く思っています。
by hara-noriko | 2021-02-14 20:54 | 東京都政 | Comments(0)