文書質問から(9)地域公共交通の充実、移動支援について
2021年 03月 04日
私のひとこと
地域公共交通の充実は、安心して地域で暮らしていくために、欠かすことのできない重要な課題です。東京都が、地域公共交通の在り方検討会を設置したことで、切実な地域の課題解決が進むように求めていきたいと思い質問しました。大事なのは、それぞれの地域の特性がきちんとふまえられた支援を東京都が行うことです。今回、デマンド交通の実証運行に補助を出すことになりましたが、コミュニティバスを運行しているところへの継続した支援を強めることも欠かせません。本当に地域の住民が求めていることにフィットした支援が検討されるべきです。引き続き、働きかけを強めていきたいと思います。
質問事項
地域公共交通の充実、移動支援について
地域公共交通の充実、移動支援は欠かせない
知事の所信表明をどうすすめるのか
地域公共交通の充実、移動支援について2020年第4回定例会の知事所信表明において、地域公共交通の役割や交通不便地域の解消について次のように述べられました。
「超高齢社会の到来や『新しい日常』への対応など、私たちの生活を取り巻く状況が大きく変わろうとする中、地域生活を支える公共交通もまた、 その時代にふさわしい役割を果たしていかなければなりません。2040年代における地域公共交通の目指す姿を描くべく、先般、新たな検討会を立ち 上げました。精力的な議論を重ね、高齢者や障害者をはじめ誰もが移動 しやすく利便性の高い、まさに『人』が輝く都市を実現するための基本方 針を取りまとめてまいります。
また、交通不便地域の解消のため、利用者の希望に応じて柔軟に運行するデマンド交通の普及に向けては、東久留米市による取組を支援するなど、区市町村の導入を後押しします。さらに年明けには、民間と共に、デジタルの力で交通利便性を向上させるMaaSの実証実験を開始するなど、多彩な施策を展開し、円滑な移動が豊かな暮らしを支える、活力ある東京を 作り上げてまいります。」
安心して地域で暮らしてゆくために、地域公共交通の充実、移動支援は欠かせません。所信表明で述べられた、「地域生活を支える公共交通」「高齢者や障害者をはじめ誰もが移動しやすく利便性の高い」、ということがどのように進められるのか、うかがいます。
知事がいう「その時代にふわしい役割」とは?
【質問1】
地域生活を支える公共交通もまた、その時代にふさわしい役割を果たしていかなければならない、と述べられていますが、「その時代にふわしい役割」とはどういうことですか。
【回答1】
本格的な少子高齢・人口減少社会を迎える中で、高齢者をはじめ誰もが移動しやすく利便性の高い都市を実現するため、地域公共交通の在り方などについて検討しています。
「地域公共交通の在り方検討会」の目的、役割は?
【質問2】
都が新たに立ち上げた、「地域公共交通の在り方検討会」の目的、役割、構成メンバー、スケジュールについてうかがいます。
【回答2】
「東京都における地域公共交通の在り方検討会」の目的は、地域の特性に即した地域公共交通ネットワークの形成を促進し、誰もが移動しやすい利便性の高い都市の実現に向けた必要な検討を行うことです。
検討会の役割は、「東京都における地域公共交通に関する基本方針」の策定に必要な検討を行うことです。
検討会の委員は、学識経験者、国、区市町村代表、庁内関係各局等で構成されています。
検討会は、令和2年(2020年)10月から令和3年度末までの設置を予定しています。
検討会の議事録を公開すべきです
【質問3】
議事概要だけではなく、議事録を公開すべきと考えますがいかがですか。
【回答3】
検討会の議事録については、議論の要点を都民に分かりやすく発信するために、議事概要として取りまとめ、公開しています。
基本方針案の前に実態調査をすべし
【質問4】
基本方針案ができてからのパブリックコメントだけではなく、あらかじめそれぞれの地域の状況や都民の声などの実態調査をすべきと考えますがいかがですか。
【回答4】
検討に当たっては、既往の調査結果を活用するとともに、地域公共交通の現状や課題を熟知する区市町村と意見交換も行いながら進めています。なお、都としての基本方針の取りまとめに当たっては、パブリックコメントを実施し、広く都民等の意見を伺う予定です。
デマンド交通への支援 その内容は?
【質問5】
共産党都議団は、これまで、都が区市町村に対し、コミバスへの支援を強化することや、道路事情などでコミバスの導入が困難な場合に、デマンド交通や乗り合いタクシーなどを実施する際の支援も求めてきました。地域の実情はそれぞれであり、区市町村が地域公共交通の充実を図るときに、できるだけ柔軟な支援が必要だからです。このたび、デマンド交通への支援が実施されることは重要です。その支援内容はどういうものですか。
【回答5】
都は、デマンド交通の導入促進に向け、導入調査や実証運行等を行う区市町村に対し財政支援を実施しています。
実証運行の補助 東久留米が対象に
なぜ、デマンド交通に限定したのか?
【質問6】
実証運行の補助について、東久留米市が対象となったことは重要ですが、なぜ、デマンド交通に限定したのですか。地域の実情に応じて、乗り合いタクシーなどの実証運行を実施する場合には対象にしないのですか。
【回答6】
デマンド交通については、その導入促進に向け、実証運行等を行う区市町村に対し財政支援を実施しています。乗合タクシーについては、既に事業の立上げ段階における運行経費などの一部を補助する仕組みがあります。
なぜ、補助を実証運行の自治体に限っているのか?
【質問7】
また、なぜ、補助を実証運行の自治体に限っているのですか。すでに実施している自治体は対象にしないのですか。
【回答7】
地域の公共交通については、地域ごとのニーズに対してきめ細かく応える必要があることから、区市町村が公共交通事業者などの関係者と緊密な 連携を図りながら、主体的に取り組むことが重要です。
都は、事業立ち上げの際に支援することにより事業運営の安定化を図るため、デマンド交通の導入に向けた取組を行う区市町村に対し支援することとしています。
コミュニティバスの役割をどう評価しているのか?
【質問8】
都内の多くの区市がコミュニティバスを導入しています。現在、区部及び多摩地域における導入区市町村はいくつになりますか。また、路線バスと同じように、だれもが予約なく利用できるコミュニティバスが、地域で果たしている役割についてどのように評価していますか。
【回答8】
区部及び多摩地域において区市町村が関与している、いわゆるコミュニティバスについては、令和2年(2020年)12月現在、20区23市1町が導入している のと承知しています。
コミュニティバスは、既存の路線バスや鉄道等では補えない交通需要に対応する地域の公共交通として、地域の高齢者等の社会参加を促進するための交通手段の一つであると認識しています。
コミュニティバへの支援強化を
運行経費の支援は継続的なものに
【質問9】
知事は、「人生100年時代を安心・元気に暮らせる都政と題した項目」で、地域公共交通の重要性を述べていますが、そうであれば、コミバスなどを地域で継続して運行できるように支援を強化すべきではないでしょうか。清瀬市でも、コミバスをより充実させてほしいとの市民要望は強くありますが、財政面がネックとなっています。運行経費の支援を運行開始後3年間だけでなく、継続的な支援策とすべきと考えますがいかがですか。
【回答9】
コミュニティバスの導入に際しては、自治体等による主体的・自立的な運営を前提として、交通需要や事業の持続可能性、財政負担の将来的な見 通し等について、十分に検討することが必要であると考えています。
お話しの運行経費の支援は、事業立ち上げの際に支援することにより事業運営の安定化を図るため、導入時の調査検討経費や車両購入費のほか、運行開始後3年間の運行経費の一部を自治体に補助しています。
シルバーパスをコミュニティバスでも使えるように
東京都市長会からも要望が
【質問10】
あわせて、人生100年に対応するのであれば、シルバーパスをコミュニティバスでも活用できるようにすべきではないでしょうか。2018年第1回定例会の池川友一議員の文書質問への回答では、区市町村とバス事業者の協議が整った場合は活用できるとのことでしたが、東京都市長会からも、すべてシルバーパスの通用区間とすること、という要望が出されています。都として、都内のどの地域に住んでいても、コミバスでのシルバーパス活用ができるように改めて検討することを求めますがいかがですか。
【回答10】
コミュニティバスは、交通手段の少ない地域の解消や公共施設などへの移動手段を確保するため、区市町村とバス事業者が路線や運賃、運行経費の負担等について協定を締結し、運行されています。
シルバーパス事業は、東京都シルバーパス条例に基づき、実施主体である一般社団法人東京バス協会に対し、都が補助を行い、利用を希望する方に対してシルバーパスを発行しているもので、利用対象交通機関は、都営 交通及び路線バスとなっています。
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by hara-noriko | 2021-03-04 21:09 | 東京都政 | Comments(0)