都政に問われる5つの課題 都議選の争点に
2021年 03月 29日
コロナの感染状況 まだまだ深刻
都の対策は不十分
新型コロナウイルスの感染状況について、多くの方が「まだまだ深刻だ」と感じていらっしゃると思います。新規感染者が増加傾向になり、変異株の動きも非常に心配されています。そういうなかで緊急事態宣言が解除されて、いまは「リバウンド防止期間」(4月1日から21日)とされています。しかし、共産党都議団は3月26日の都議会本会議(第1回定例会の最終本会議)で、東京都の対策は残念ながら不十分だ、と指摘しました。
「リバウンド防止期間」で何をやるのか
十分な補償があってこそ飲食店は協力できる
なぜか。都はいままで、飲食店のみなさんに夜8時までの営業にしてください、といってきました。「リバウンド防止期間」でもまた同じように、飲食店のみなさんに協力をいただき、夜9時までの営業にしてください、と1時間延長することになりました。そのために1店舗84万円の協力金を出します。しかし、「これでは不十分だ」という声がすでにあがっています。
私は、都議会総務委員会で、「協力できていないお店の声を聞いたのか」と都に質問しました。これに対して都は、協力金が少なすぎるという声があることを認めました。そうであれば、どの店も協力できるように補償を十分におこなう、協力金を増やすという判断が必要なのではないか、と私は指摘しました。
こうした議論があったうえで26日の本会議があったのですが、協力金の考え方や時間短縮営業の考え方は、大きくは変わりませんでした。本当に残念です。
協力金を改善させることなど十分な補償をする環境を整えてこそみなさんに協力していいただけるようになる。罰則を強化したり過料を科したりなどということは絶対にあってはならない。本会議で共産党はそう指摘しました。
共産党都議団を代表して質問
実現求めた「5つの提案」
いま都は、飲食店のみなさんばかりに協力をお願いしていますが、それでだけいいのか。夜の営業時間を短縮するだけでいいのか。お昼の対策はどうするのか。科学的根拠にもとづく対策、実効性のある対策が求められています。私は都議会本会議で共産党都議団を代表して質問をおこない、5つの提案をしました。
1つめの提案
PCR検査の拡充
その1つは、PCR検査の拡充です。
経済的な心配なしにPCR検査をいつでも受けられるようにする。これを思い切って広げていく必要があります。ようやく障害者施設などでの検査が、みなさんの運動のなかで広がりました。さらに保育園や特別支援学校などでもしっかり検査がおこなえるようにしていく。コロナは気をつけていても感染する場合がありますから、だれが悪いのではありません。感染をすぐに把握して治療にあたれる状況をつくっていくことがなによりも必要です。
ワクチンの接種も広がっていますが、ワクチン頼みではいけません。ワクチン接種を受けられる人、受けられない人さまざまいらっしゃいます。そういうなかでは、だれもが安心して検査が受けられるように拡充することが求められています。これを本気でやろう、と共産党は改めて提起しています。
2つめの提案
医療機関への支援
2つめには、医療機関への支援です。
新型コロナの患者さんを受け入れている病院だけではなくて、通常の医療をやっている医療機関でも、本当にいまひっ迫しています。減収補填は待ったなしです。国がやらないのであれば、国に求めながら東京都が踏み出すべきだ、と私たちは提案しています。
コロナ危機を乗り越えたとしても、地域の医療機関がなくなってしまっているようなことになってしまったら、私たちの命や健康は支えられません。医療機関への抜本的な支援をすぐに強めるべきです。
3つめの提案
保健所の抜本的な拡充
3つめには、保健所の抜本的な拡充です。
清瀬市・東久留米市は多摩小平保健所(小平市)の管轄です。74万人以上の人口を対象にしています。これでは、電話をしてもなかなか通じないわけです。保健師さんたちは必死でがんばってくださっています。
都民の運動のなかで、ようやく来年度、保健所への保健師さんを全体で11人増やすことが決まりました。このうち2人の方は多摩小平保健所に感染症対策で配置できることになり、一歩前進です。しかし、まだまだ足りません。
感染拡大期に見合った保健所体制
知事も認める
感染拡大期に見合った保健所の体制をつくっておくことが必要なのではないか。私は代表質問でそう提起しました。これに対して都知事らは、このことを認めました。そうであれば、これを本格的に進めてもらう必要があります。以前は多摩地域に17カ所の保健所がありました。いまは7カ所です。保健所を増やす判断が必要です。
保健所の体制強化、新設・復活が大きなテーマになりつつあります。しっかり取り組んでいきたいと思います。
4つめの提案
夏のオリンピックは中止する
共産党が提案している4つめは、オリンピックの中止です。
聖火リレーが始まりました。著名な方々が聖火ランナーを辞退しています。その理由は、スケジュールの都合が合わないなどさまざまですが、オリンピックを準備してきた人たちの気持ちにも触れながらも、人命最優先だと思う、その気持ちにかわりはありません、とブログにつづった人もいらっしゃいます。コロナの感染拡大を心配していることを表明している人もいらっしゃいます。著名な人が走れば、どうしても人が集まります。密が避けられなくなってしまう。このことを指摘しています。
私たち共産党は、オリンピックは一旦中止する決断を知事に求めています。感染が収束することが見込めないなか、海外のお客さんは呼ばないとしても、選手はたくさんきます。スタッフもたくさんきます。チケットを買った人たちもたくさんいます。都は「人流抑制」(人の流れの抑制)といっていますが、それができなくなります。知事は、お花見は我慢してくださいとか細々といっていますが、それならオリンピックはいいのかということになるのではないでしょうか。
ことは命の問題
コロナ危機を乗り越えるために力を集中しよう
今年の夏は中止して、感染拡大の防止、コロナの収束をみなさんと一緒にすすめなければいけないと思います。オリンピックは、コロナ収束後に考えるべきではないでしょうか。立憲民主党のみなさんも、中止した場合のシミュレーションを都に求めています。たいへん大事なことだと思っています。コロナ危機を乗り越えるために力を集中しよう、ということで力を合わせていきたいと思います。
都立病院・公社病院を守る
5つめの提案は、都立病院・公社病院を守ることです。
コロナ対策の最前線に都立病院や公社病院が立っているのに、東京都が手を引いて独立行政法人(独法化)にしようとしています。とんでもないことではないでしょうか。来年度予算でも、独法化の検討を大きく前にすすめる計画になっています。
都立・公社病院が果たしている大事な役割
独法化で命を支える病院が失われかねない
感染症の対策などは不採算な分野です。感染の拡大などがなくても、いつでも対応できるように準備をしていなければいけません。そこにはお金もかかります。でも、都立だからこそ、東京都が責任をもつからこそ、準備ができます。東京都は、コロナの専門病床を都立病院や公社病院で増やすという判断をしました。民間の病院に突然、こういうことをお願いしてもすぐには対応できないのは当然のことです。だからこそ、都立・公社病院がこうした役割を担っているわけです。
この病院から東京都が手を引いてしまったら、私たちの命を支える医療体制が地域から失われていくことになりかねません。
公社の多摩北部医療センター
都立病院と連携して医療を推進
清瀬・東久留米の地域では、公社の多摩北部医療センター(東村山市)がコロナ禍のもと、みなさんの命と健康を支える役割を果たしてくださっています。ある方は、一度多摩北部医療センターに入院して、そのあと症状に応じて都立松沢病院(世田谷区)に移動した方もいらっしゃいました。こうした連携も都立・公社病院があるからできることです。
都立清瀬小児病院の廃止後
清瀬市や東村山市でお産ができる病院が消える
清瀬市・東久留米市の地域は、都立清瀬小児病院があったところです。清瀬小児病院があったときには、子どもの医療について駆け込めば助かる、とみんなが支えにしていました。新生児集中治療もおこなっていました。新生児集中治療室(NICU)もあるから安心して民間の産婦人科も経営でき、お産ができる病院もたくさんありました。清瀬市ではお産ができる病院がなくなってしまいました。東村山市でもお産ができる病院がなくなりました。産婦人科のお医者さんをしていた方にお話をうかがいましたが、「清瀬小児病院がなくなってしまったので、お産はやめたのです」と話をしていました。
小児救急・準夜間救急、専門外来
一歩一歩充実してきた多摩北部医療センター
清瀬小児病院が廃止されたあと、私たちは地域の小児医療を後退させないよう運動をつづけました。多摩北部医療センターでは、小児の救急、準夜間の小児救急も実施され、喘息のお子さんが多いということで、専門外来も実施しています。
一歩一歩充実してきた公社病院から、経費削減のために東京都が手を引こうとしている。とんでもないことではないでしょうか。
産科やNICUの新設、高齢者・障害者医療の充実
都知事、充実を求める声があることを認める
多摩北部医療センターは改築の時期を迎えています。私は、運動しているみなさんと一緒に産科をつくること、新生児集中治療室(NICU)をつくること、高齢者医療・障害者医療を充実することを求めています。
私の代表質問に対する知事の答弁で注目されたのは、高齢者医療、小児医療・小児救急の充実を求める声があることを認めたことです。ぜひとも、多摩北部医療センターの改築で必要な診療科が設置されるようにしっかり求めていきたいと思います。
地域で安心して医療が受けられるように
引き続き力を尽くします
コロナの危機を乗り越えながら、その先もこの地域で安心して暮らしていけるように、医療が受けられるようにしたい。希望をもてる政治に前進していくために力を尽くします。
都議選の大争点に
都民の声をしっかり届ける
これまでのべてきた問題が6月から7月にかけておこなわれる都議会議員選挙で大きな争点になります。私は、命と暮らしと人権を守ることは一歩も譲れない思いでみなさんと一緒に取り組んできました。引き続きみなさんの声をしっかり届け、希望がもてる、自己責任型ではない政治の実現に全力を尽くします。
by hara-noriko | 2021-03-29 00:15 | 都政報告 | Comments(0)