いのちの重さ   

障害のある娘さんを育てるお母さん
穴見麗奈さんが応援スピーチ

 6月28日、障害者の子どもを育てるお母さん、穴見麗奈さんが街頭でマイクを握ってくださいました。スピーチの大要を紹介します。

【穴見麗奈さんのスピーチ】

 私は「命を守る」に本気で取り組んでくださっている、原のり子さんをどうしても都政に再度送りだしたいと思っています。

 去年の4月、私の娘は発熱外来を受診するまで、14日間かかりました。何度も保健所に電話しても、「熱だけでしょ?」と、最初は相手にもされず、主治医も申し訳なさそうに、「うちの病院では保健所につなぐことしかできない。」と言うことしかできない体制。保健所に、「娘に重度知的障害があり常に介助が必要である」「自分の身を感染から守りながら手当することはとても難しい」「主人も他界しているため手を借りることができない」と説明しても、PCRに繋げていただくことがなかなかできない。保健所も手一杯だったのだと今では理解できます。

 おまけに発熱外来に障害者専用の外来が当時はなくて、近隣病院に何カ所も、「じっとしていられないから」と断られ、発熱から2週間、やっとPCRを受けられました。但し、受診するにあたり、当時は陽性であっても「知的障害者は入院できる病院はどこにもない」と言われたのです。「えっ?つまり知的障害者はコロナが酷くなってもほっておかれる、つまり死んでもしかたないってこと?」と頭の中が真っ白になるとともに、今まで受けてきたどんな差別よりも深刻で、辛くて、悲しくて、どうしていいか正直わからず、体に力がはいらなくなって、その場に座り込んでしまったのを思い出します。

 命にかかわる医療まで受けられないなんて! これって、命の選別だよね?と怒りと絶望と恐怖が襲ってきました。正直、もうこのままほっておかれるならば、見捨てられて死ぬのか? それとも二人で自ら命をたつべきなのか?と、人生で初めて真剣に思ってしまいました。

 この時期、知人を通じて、宮本さん(宮本徹衆院議員)、原さん、共産党市議団のかたに手を差し伸べて頂いたのです。どれだけ生きる希望につながったか・・・政治家?は遠くにいるひとで、一部の大きな組織の利益のために動くひと、私たちのようなちっぽけな障害者親子には偉すぎて関係ないひと、その瞬間までずっとそういう先入観を持っていました。でも、違う! 

 宮本さんは厚労省に国の方針としては、親子一緒に療養することができるということを確認してくださり、原さんは都議会で公立病院が障害者のコロナ治療を担うということを勝ち取ってくださりました。原さんたちが都議会で真剣に動き、鋭く追及してくださらなければ、いまも障害者はきっとたらいまわしにされていたとおもいます。第二、第三のわたしたちが出ていたにちがいありません。

 公立病院の地域でのセーフティーネットとしての中核的な意義も改めてわかりました。それなのに都は、独立行政法人化して、都の直営から切り離そうとしています。これ以上病院規模が縮小されたら、今後も起こるはずであろう災害や、パンデミックの際に、障害者だけでなく、セーフティーネットの網の目からこぼれる人が増えていくはずです。コロナを全く教訓に活かしていないのです。原さんは阻止するために全力で都に働きかけてくださっています。

 いままで恥ずかしいことに、わたしたちマイノリティーはなにも動かせないと思っていました。それどころか、政治への意思表示は面倒だとなまけた気持ちも持っていました。原さんの熱さと、真剣さを目の当たりにして、私たち自身も変わっていかなければならないと強くおもいました。どうせ政治はかわらない!という投げやりさと、日々の生活のせいにして面倒なことからは逃げてもしかたないという言い訳は、原さんと出会って捨てることができました。

 原さんのおっしゃる「命を守る政治にきりかえる」ほど、大切なことはないのです。命の危機に直面して、初めてわかりました。これは障害者に限ったことではありません。感染者が増えれば、命が選別されることが一般のかたにも必ずひろがっていくのです。いま、私たち自身で私たちの命を守ることができるとしたら、この選挙で命を守りたい意志を示すしかありません。

 重篤な障害のある障害者をはじめ、基礎疾患があるかたのワクチン接種すら終わらない現実を抱えながら、五輪をすることをよしとする意思表示になってしまっていいのでしょうか? 原さんに都議会で命の重さを問いかけてほしい。私に限らず、障害者、健常者に関わらず、年齢にも関わらず、すべての親にとって子どもの命がいちばん大切で、かけがえのないもの、いちばん心配に値するものだから・・・親御さんたちの思いを原さんに託していただけたら、きっと原さんはそれを力に更に頑張ってくださると信じています。原のり子さんにすべてのお母さん、お父さんの命への思いを都議会に届けてもらえるようみなさまのお力添えをお願いいたします。

わざわざ原稿を書いてきてくださった穴見さん(右)
風で飛ばされそうになったので、私も応援


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【原のり子事務所(滝山東交差点付近)】
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by hara-noriko | 2021-06-29 01:16 | 都議選 | Comments(0)

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