パラリンピックを強行すべきではありません   

 8月21日、共産党東久留米市議団のみなさんと一緒に宣伝カーで訴えました。私は、▽都議選後の都議会で新しい変化が起きている▽新型コロナウイルス感染爆発のなかでパラリンピックは開催すべきではない―の2つの柱を中心にスピーチしました。このうち、パラリンピックについて訴えた内容を紹介します。都議会の変化はブログの記事「都議会臨時会終わる」をご覧いただきたいと思います。

パラリンピック開催に固執する小池知事
感染がさらに増える危険


 東京都のコロナ対策は、菅政権と一緒で、後手後手でした。さらにいま小池知事は、五輪の成功はパラリンピック(8月24日~9月5日)の成功なくしてありえない、といってパラリンピックを開くことに固執しています。しかし、オリンピック(7月23日~8月8日)が開催された時期よりも、今の感染状況は深刻です。こんなに感染がひどいのに、パラリンピックを実施してしまったら、オリンピックのときと同じように、感染がぐっと増えてしまうことは想像に難くないのではないでしょうか。

医師会や専門家からも意見が
自宅で亡くなられる方もいる事態


 感染拡大について医師会の先生方も専門家のみなさんも、オリンピックの影響は否めないと認めています。オリンピックはやるけれどみなさんは自粛してください、という矛盾したメッセージのなかで感染が広がってしまって、1日当たりの新規感染者は、連日5000人を超えています。自宅療養のみなさんは2万6000人を超えました。この第5波のなかで、自宅で亡くなられている方は8人ということになっています。先ほどニュースを聞いていましたら、重症者は全国で1888人。コロナに感染したパラリンピックの関係者は100人を超えています。
 自宅待機で亡くられた8人のなかには、家族3人で感染してしまい、自宅で療養していましたが、若いお母さんが亡くなってしまったケースもあります。お母さんが医療につながらずに自宅で亡くなるという状況を子どもさんが見ていたのかと思うと、胸が張り裂ける思いです。また、8カ月の妊婦さんがコロナに感染したなかで早産になり、赤ちゃんが亡くなってしまいました。本当に胸が痛みます。

パラリンピックを強行していいのか
共産党都議団が議会で提起

 こういうことが起きているのに、このままパラリンピックを強行してしまっていいんですか、ということを私たち共産党都議団は、先日開かれた都議会第2回臨時会(8月18日~20日)のなかで提起しました。
 あぜ上三和子都議が本会議質問で、「五輪開催時をはるかに超えて感染拡大し、命を落とす人もいて、都民には多くの我慢を強いているなかで、パラリンピックを強行することは許されません」と指摘。尾崎あや子都議が本会議の討論で、「都民の命、子どもたちの命を優先して、パラリンピックも学校連携観戦も中止し、新型コロナ対策に全力集中することを、改めてきびしく求めるものです」とのべました。

障害者スポーツを前進させる質問をしてきた者として
命が保障されてこそできること


 私は、都議会議員になって、障害者スポーツを前進させようと質問してきました。障害者のみなさんだれもが・いつでも・どこでもスポーツに参加できる。そういう状況をつくっていくことや、パラリンピックの意義についても理解しているつもりです。障害者のみなさんが、安心してスポーツに参加できる環境をもっと広くつくっていく。しかしそれは、命がちゃんと保障されて、安全な状況でこそできることです。これだけ感染が広がっているなかでパラリンピックをやってしまったら、ますます感染が爆発する危険性はだれもが感じていることではないでしょうか。24日から始まるパラリンピックはいったん中止すべきだ、と改めて訴えたいと思います。

障害者団体のみなさんも声を上げている
基礎疾患をかかえている方が感染したら…

 この時期のパラリンピックは中止した方がいい、と障害者団体のみなさんが次つぎに声を上げていらっしゃいます。というのも、障害者のみなさんは障害をかかえていると同時に、1つ2つと基礎疾患を抱えている方がたくさんいらっしゃるんです。そういう方たちが一生懸命準備をして、選手としてパラリンピックに出る。そこでさまざまな人との接触は避けられないわけですから、ここで感染してしまったら本当に大変な状況になるのではないか、と障害者団体のみなさんも心配されています。
 障害者のみなさんが安心して大会ができるようになる時期を選んで行うべきであって、感染が爆発している状態のいまはやるべきではない、と障害者団体の関係者のみなさんが声をあげています。もっともなことだと思います。

パラリンピックの観戦に子どもたちを動員
都の教育委員からも中止を求める声が


 しかし、小池知事は耳を傾けようとしません。それどころか、パラリンピックに学校の子どもたちを動員する計画をすすめています。
 8月18日に開かれた東京都の教員委員会では、出席した委員の全員がこの計画を中止するように求めました。共産党都議団は、この教育委員会を傍聴したうえで質問しました。19日の都議会臨時会の本会議であぜ上三和子都議が、「昨日の都教育委員会臨時会では、出席した4人の委員全員が、学校連携観戦は中止すべきだと主張しました。重く受け止め尊重するのが当然ではありませんか。パラリンピックの学校連携観戦は中止すべきです」と都の姿勢を正しました。
 そうしたら教育長は「厳しいご意見が出ましたが、すすめます」と答えました。「厳しいご意見」ではなくて、山口香さんをはじめ教育委員のみなさんは、今の状況で子どもたちを観戦に連れ出すのはやめた方がいい、中止すべきだ、といったんです。こうした意見にも耳を傾けないで強行するというのは、本当に深刻です。

観戦を「生きていく糧に」と小池知事
それは命が守られてこそ


 小池知事はこういいました。「子どもたちの生きていく糧にしてほしい」と。「生きていく糧」といいますが、それは命が守られてこそではないでしょうか。私は改めて、子どもたちの観戦計画は中止することをさらに求めていきます。

子どもたちの観戦動員をしない自治体も
さらに声を上げていきます


 この問題について都内各地域の共産党議員団が中止すべきととりくんできました。東久留米市、清瀬市では、子どもたちをパラリンピックに動員することにはなっていません
 東京都全体をみますと、観戦を計画しているのは8自治体、都立学校は23校(8月18日時点)。特別支援学校も多く心配です。子どもたちの命を守るために声を上げていきたいと思います。

野党が前進した都議会
議論ができる条件広がる


 都議会臨時会の最終討論で、パラリンピックの学校連携観戦について、自民は推進、都ファと公明は一言も言及しませんでした。一方、立憲民主党は、感染を極限まで抑えなければパラリンピックは開催できない、子どもの観戦計画は最低限即刻中止を、といいました。私たち共産党ももちろん、パラリンピックの中止・子どもの観戦計画の中止の声を上げています。都議選の結果、こうした野党の声が際立つようになりました。引き続き、命を守る都政にしていくため、力をあわせていきたいと思います。

【関連情報】
日本共産党 コロナから命を守るための緊急提案


共産党東久留米市議団と一緒に街頭から訴えました
左は、かもしだ芳美市議
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秋の雰囲気を感じながら
右から、村山順次郎、北村りゅうたの両市議
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ドングリが落ちていました
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by hara-noriko | 2021-08-22 19:53 | 東京都政 | Comments(0)

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