コロナ対策 いま必要なこと   

 8月28日、土曜日の定例宣伝を行いました。北村りゅうた・東久留米市議、地元の共産党後援会のみなさんと一緒に、都政・市政報告。私は、「コロナ対策、いま必要なこと」を中心にスピーチしました。その概要を掲載します。

深刻化するコロナ感染
自宅で亡くなられる方も


 新型コロナウイルスの状況はますます深刻になっています。先週は1日の新規感染者が5000を超える日が数日続いたり、ここ数日をみても4000人を超えています。自宅待機・自宅療養の方々も3万人を大きく超えています。自宅で亡くなられる方もでているということで、ひとごとではないと誰もが感じていると思います。

「明かりははっきりと見え始めている」
菅首相の言葉に、えっ?

 しかし、つい先日の菅首相の言葉にはたいへん驚きました。「明かりははっきりと見え始めている」(8月25日の記者会見)といいました。いったいどこに、コロナ収束の明かりがはっきり見える、といえるのでしょうか。コロナ収束に向けて明かりが見えるようにしよう、と現場で必死にがんばっている逼迫した状況を菅さんという人はわかっているのか、と改めて思いました。

感染を広げない、感染者はすぐに保護する
そのために検査の拡充がどうしても必要


 何より自宅で療養・待機している方たちが、一刻も早く医療につながることを急がなければなりません。
 同時に、一日も早くコロナ危機を乗り越えるための対策をしっかりとっていくことが必要です。
 コロナ対策のなかでもっとも重要なことは、コロナを広げないこと、感染した人を一日も早く見つけて保護することです。そのためにはPCR検査を中心とした検査の拡充がどうしても必要です。私たち日本共産党都議団は、検査の抜本的拡充を改めて求めています。
 ところが国も東京都も、そうなっていません。東京都は本気でやれば、1日あたり9万7000件を超えるPCR検査ができるんです。しかし、多いときでも2万件を超える程度でしかありません。これでは、コロナの感染を抑え込むことはできません。

障害者、高齢者の通所施設
頻回の検査ができるようにしたい

 障害者の通所施設の方々からも声が上がっています。入所施設については、週1回の定期的検査が行えるようになりました。これを活用している施設からは、「クラスターの発生を食い止めている」という報告があがっています。
 しかし、通所施設については、頻回のPCR検査の対象には残念ながらなっていないんです。私たちは「対象にすべきだ」と要求しています。
 いまある東京都の事業としては、区市町村共同事業として、障害者や高齢者の通所施設などについては、区市町村と共同で検査が行えます。「必要だ」という施設には手を挙げてもらって、そこに補助していくというやり方です。ところが、東京都が当初、「1回限り」という説明をしたために、それに縛られて各区市町村が十分に制度を活用しきれていないという問題がはっきりしてきました。
 共産党都議団としては、通所施設でも頻回にPCR検査を行えるようにしたい。とくに、1人でも感染者がでたときに、全体を検査できるようにする。検査を何度でも活用できるようにする。

繁華街などでの無料検査
ほかの地域にどんどん広げるべき


 国と東京都で行っている事業のなかでは、繁華街や大学など区市町村が必要だと考えるところでPCR検査を行い、だれもが無料の検査を受けられるようになっています。新宿でも行われています。時間には限りがあるのですが、かなりの方が検査を受けに来ています。こういうことをどんどん広げていくことが求められています。

島しょの議員のみなさんと懇談
「島の中でコロナを広げないようにしたい」と


 先ほどまで、島しょ地域の議員のみなさんとの懇談会にZOOMで参加していました。島の議員のみなさんは、口々に「とにかく検査の拡充をやってほしい」と言っていました。島には医療機関が少ないですから、「コロナに感染したら本当に心配だ」と。「人数の少ない島の中で感染が広がってしまったら大きな打撃を受ける」とも言っていました。いま現在、小笠原については、PCR検査を受けていない人は島に入れないことになっています。「それ以外の島もそういうふうにやってほしい」「島の中でコロナを広げないようにしたい」と。その通りだと思います。
 また、「自宅療養になっている方もいる。島で急変したらどうするのか…」との切実な声も。
 こうした声をきちんと東京都に届けていくことが必要だと思っています。

まもなくコロナ対策特別委員会
みなさんの声を踏まえて具体的な提案をしたい

 まもなくコロナ対策特別委員会が開かれます。私たち共産党都議団は、この特別委員会をそれこそ頻回に開いて、都民のみなさん、多摩地域のみなさん、島しょ地域のみなさんの声を特別委員会で議論して、コロナ危機を一緒に乗り越えていけるように具体的な提案をしていきたいと思います。

検査を無料で・だれもが・いつでも受けられる
その仕組みづくりに力を尽くしたい


 第1に、PCR検査を含めた検査の拡充。これは今まさに必要だということがはっきりしています。ワクチン頼みではコロナの収束はできません。ワクチンの効果がでてくるのもまだ先になります。第5波の危機を乗り越えるためには、検査を頻回に行って、これ以上コロナの感染を広げないようにすることが求められています。みなさんの要望にも大変強くあがっているこの検査を無料で・だれもが・いつでも受けられるようにしていく仕組みを強化していくために、力を尽くしたいと思います。

臨時医療施設は急務
日本医師会の会長も「必要だ」と


 第2に、自宅待機・自宅療養の方がたいへん増えている問題の解決です。国も都も酸素ステーションをつくっていくといっています。共産党都議団は、一時的な酸素ステーションでは不十分だと指摘しています。酸素が必要になる前の段階の抗体カクテル療法を十分に行えるようにしていくこと。酸素が必要になる状況の方はすぐに医療機関につながることが必要です。そのためには、臨時の医療施設をつくらなければなりません。共産党都議団はこうした提案を繰り返し行っています。日本医師会の会長も、いわゆる野戦病院型の医療施設が必要だ、と指摘しています。

都議会臨時会で提起したことが動き出した
議会を開くことは本当に大事

 8月18日から20日までの3日間、都議会第2回臨時会が開かれました。共産党都議団は、ここでもこの問題を提起しました。あぜ上三和子都議が、「医療従事者の確保が難しいもとで、広いフロアをパーテーションで仕切って多数のベッドを配置した、いわゆる『野戦病院型』施設は、限られた人数で効率的に患者の状態を見ることができます。こうした方法の積極的活用を含め、あらゆる手立てをつくして、患者を受け入れられる施設を増やすことを求めます」と訴えました。
小池知事はそのことについてまったく考えていませんでしたが、臨時会が終わった後、臨時の医療施設を都としても検討するといいました。やっぱり臨時会を開くというのは本当に重要だと実感しました。

共産党と立憲民主党 2会派で議会が招集できる数に
都議選の結果が生んだ新しい変化

 小池知事はこれまで、コロナ対策について、議会を開かずに補正予算を通すやり方(専決処分)をしてきていました。共産党都議団は、「それはダメだ」ということで、野党のみなさんと一緒に声を上げてきました。野党の人数があと1人足りなかったために、臨時会の招集までには至りませんでした。しかし、7月の都議会議員選挙で日本共産党と立憲民主党のみなさんが議席を伸ばして、2つの会派だけでも臨時会が招集できる人数になりました。これが大きな力を発揮して、先日、臨時会が開かれて、そのなかで臨時医療施設が絶対に必要だ、自宅療養させるいまの在り方を根本的に見直すことが必要だ、とみんなで議論をしました。その結果、臨時医療施設をつくらなければならないという大きな方向に動きつつあります。

武蔵野市長らが都に要望
保健所がある地域ごとに臨時の医療施設を

 武蔵野市の松下玲子市長をはじめ多摩府中保健所管内6市の市長が連名で、保健所単位で臨時医療機関の開設を東京都に要望しました。松下市長は、ツイッターでも発信していましたけれど、多摩地域は保健所機能も非常に弱い、そういうなかでは保健所がある地域ごとに臨時の医療施設をつくっていくことが必要だ、と訴えていました。その通りだと思います。こうした首長さんとも力を合わせて、東京地に複数の、多摩地域にも数カ所の臨時医療施設をつくる。そして都立病院・公社病院に役割を果たしてもらって、コロナの患者さんを受け入れてもらう。

医療機関、医療従事者、エッセンシャルワーカー…
ここへの支援を強めることが大事

 これをやっていこうとすれば、医療機関への支援やエッセンシャルワーカーのみなさんへの支援がどうしても必要です。この点についても、みなさんと一緒に求めていきたいと思います。
 お医者さんや看護師さんたち、保健師さんたちがいなければ、コロナ危機を乗り越えることはできません。みんなぎりぎりの状態で仕事をされています。ここをしっかりと支えていくのが政治の役割です。そのために、コロナ対策特別委員会でも、医療機関、医療従事者のみなさん、エッセンシャルワーカーのみなさんへの支援を強めていく提案をしていきたいと思っています。

コロナ対策についてスピーチ
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市政報告をする北村りゅうた・東久留米市議
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by hara-noriko | 2021-08-29 23:12 | 東京都政 | Comments(2)

Commented by satoshitoday at 2021-08-30 10:24
明晰な分析と叙述ですね。
Commented by 原のり子 at 2021-09-05 10:06 x
恐縮です。ありがとうございます。

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