コロナ対策 飲食店の不利益にならないように   

 10月7日、都議会総務委員会では、コロナ対策をめぐる補正予算案の内容についても質問しました。緊急事態宣言が終わり、リバウンド防止期間(10月24日まで)に移行しています。東京都は、感染防止対策の点検を受け認証済となっている店舗ではアルコールを提供することができます。ところが、認証申請に対して都の対応が追いつかず、不公平が生じています。
 しかし、知事は、「できれば早めに申し込んでいただければよかった」と、あたかも、今申請を申し込んでいる店舗に問題があるかのように発言しています。とんでもないです。これまで都に協力して休業していたお店なのに…。ようやくここで再開して頑張ろうとしているときに、点検を受けられず認証店になれない。大変な不利益を被っています。委員会には知事がいないので、知事に直接質すことはできませんでしたが、都として早急に救済措置をすべきだ、と求めました。

総務委員会で質問
飲食店 認証の点検を受けたいのに受けられない


 原のり子 補正予算案の「点検・認証済店舗へのデジタルトランスフォーメーションによる支援強化事業」についてうかがいたいと思います。
 今回の補正予算案では、感染防止対策の点検を受け認証済となっている店舗が、感染対策の状況確認をうけるときに、現地でなくても、画像を送って確認することができる、という、そういう内容が含まれています。認証をすでに受けているお店にとっては、メリットがありますが、現在、認証店、非認証店、それぞれの数はどうなっていますか。

 総務局危機管理調整担当部長 都内飲食店等約12万店のうち、点検・認証済店舗は現在約9万5000店、認証をうけていない店舗は約2万5000店となっております。

 原のり子 わかりました。感染者数が今減っている、そういう状況にあるわけですけれども、こういうときだからこそ、感染拡大防止の対策をほんとに万全にとっていくということは必要だと思っています。そう考えると、点検を受けたいと申請したものの受けられていない店舗の対策をどうするかということが大事になってきます。そのような店舗はどのぐらいありますか。また、その理由はどういうものでしょうか。

 危機管理調整担当部長 現在の非認証店約2万5000店のうち、緊急事態宣言が解除される前からの申し込み分を含みますけれども、点検日時等調整が済んでいる店舗が約1800店、点検日時を調整している店舗が約5400店、繰り返し連絡を入れているものの、日程調整ができない店舗が約2100店となっております。現在、点検日時の調整を速やかにすすめるため、日程調整のための電話回線を倍増し、人員を増強して対応しているところでございます。

認証店であればアルコール提供が可能
認証されないままリバウンド防止期間が終わる危険

 原のり子 点検日時の調整中の店舗が約5400店ということで、大変な数だというふうに思います。今回、リバウンド防止期間の対応で、認証店であればアルコール提供が可能、という線引きになったため、認証を希望する店舗が殺到したということも大きいというふうに思います。今回のリバウンド防止措置の決定以降、申し込んできた店舗に対してはどのように対応するんでしょうか。

 危機管理調整担当部長 リバウンド防止措置が決定されました9月28日から現在までの間、新たに約7600店からの申し込みがございまして、点検を加速するため、点検日時の調整を行う電話回線を倍増し、人員を増強して対応しているところでございます。また、要請に応じてこれまで休業していたため、点検を受けられなかった店舗を優先しまして点検に伺うとともに、点検の訪問チームをですね倍増した上で、土日も含めて対応しているところでございます。さらに点検の翌日にはウェブ上で徹底点検済証を速やかに交付するなど、早期の認証取得に向けた取組も行っているところでございます。

 原のり子 いま、体制を強化して対応をされているということですが、それにしても大変な数で、対応している間に認証を希望しながら認証を認められないで(リバウンド防止期間が)終わってしまう、そういうお店が出ないのかどうかということを大変心配をしています。冒頭の質問でいいましたけれど、今回の補正では、認証店について感染状況の確認をする場合、店から画像を都に送って確認できるようにするということで、そういう内容なんですけれども、例えばですね、今回のリバウンド防止期間における点検については、今すぐにでも、この今回補正で提起をしているような仕組みを構築して対応するということはできないのでしょうか。できないとしたらその理由を教えてください。

 危機管理調整担当部長 今回の補正予算案で構築する予定のシステムによりまして、認証済店が行う継続的な感染対策の状況を都がオンラインで確認することが可能となります。このことによりまして、職員等が直接店舗を訪問することに比べ、より多くの認証済店の感染対策を確認することができまして、認証済店の感染対策の実効性を高めることにつながってまいります。一方、国からは、第三者認証制度の点検を初めて受ける店舗につきましては、一軒一軒個別に直接訪問し、感染対策の遵守状況の確認・指導を行うということを求められてございます。都の第三者認証制度である徹底点検東京サポートプロジェクトにおきましても、認証にあたっての初めての点検につきましては、飲食店等における感染防止対策を詳細に把握確認するため、個別に職員等が訪問する必要があることから、今回構築するシステムで代替することはできないものとなってございます。

認証の点検を受けられずにいる店舗がある
これは不公平ではないか


 原のり子 残念ながら、代替措置はいま提案したような内容ではできない、ということです。そういう仕組みになっているということです。しかし、そもそも、都の要請に応じて休業していた、今回アルコールを提供できるようになりましたよといわれても、点検を受けられずにいるという店舗がある、と。これはやはり不公平なのではないかと私は思うんですね。この点についての認識をうかがいます。

 危機管理調整担当部長 酒類の提供等につきまして、感染防止対策が適切に行われていることを東京都が確認した認証済店に限定することは、感染のリバウンド防止のために必要なことだと考えてございます。本年4月に徹底点検東京サポートプロジェクトを開始して以来、認証済店を早期に拡大するため、飲食店等のコロナ対策リーダーに対しまして、受検勧奨のメールや文章を繰り返し送付するとともに、店舗へのですね、直接訪問やポスティングなどにより点検の働きかけにこれまで注力してきたところでございます。そのうえで、現在、点検日時の調整のための回線や人員のほか、訪問チームを増強するなど体制を強化して、これまでに長きにわたり都の要請に応じ休業を続けていた店舗に対しては、優先して点検に回ってうかがっているということでございます。

「できれば早めに申し込んでいただければよかった」と知事
都のやり方自体に課題があったのではないか


 原のり子 今、いろいろ工夫して、対応しているということは十分に理解をいたします。しかし、お店にとっては、一日も早く認証店になって営業、アルコールも提供して、営業をできるようにしたいというのはほんとに切実だというふうに受け止めています。とても今のスピードでは間に合わないのではないかなというふうに思います。
 私は、この点で、大事だと思っているのは、認識論になりますけれど、知事は会見で、認証してほしいと殺到したことについて、「できれば早めに申し込んでいただければよかったが」っておっしゃったんですよね。そのあとに、「誠意をもって対応します」という言葉がついていましたが、「できれば早めに申し込んでいただければよかったが」というのは、私はちょっとこの、休業していたお店に対しては違うのではないかとすごく思って聞いていました。やっぱり、もうアルコール提供できなければお店が成り立たないと、営業ができないっていうことが分かっているお店などは、じゃあもうここは協力して休業しましょうっていうふうにしたわけですよ。で、休業しているから、休業中は職員の方が点検に来ても気づかなかったり、ポスティングされても分からなかったり、そういうことがあるわけで、しかもですね、今回、たとえ都に協力してお店を休業していても、認証を受けておかないと今回のような不利益を受けることがありますよという、そういうアナウンスがとくにあるわけでもなかったわけです。さらに、しかも、その期間が短すぎたわけですよね。この短い期間、9月28日から10月5日までというこの短い期間のなかで、認証店かどうかでアルコールの提供の線引きをするという、このやり方自体が、私は課題があったんじゃないかというふうに思います。この線引きについては、確認しますが、東京都独自の考え方ですか?

 危機管理調整担当部長 今回のリバウンド防止期間に当たりましてもですね、基本的な感染防止対策の徹底が不可欠であるということから、今回、こういうような措置でございますけども、今回の国の基本的対処方針においてもですね、酒類の提供につきましては、重点措置区域で適用されている措置を参考にしながら判断することとされておりまして、都におきまして認証済店において酒類提供を認めるものということにしたところでございます。

大至急 救済措置が必要だ
都は飲食店の声をきちんと受け止めよ


 原のり子 都の判断で検討した結果そういうふうにしたということですよね。神奈川県では、感染対策の認証を受けている場合は夜9時までの営業で、アルコールの提供は夜8時までというふうに今なっていて、認証を申請中の場合も夜8時までの営業でアルコールは7時半まで、という線引きをしています。これがいいかどうかっていうのは、これ議論がありますけれども、でも、この認証申請中でも受けてスタートをさせるという判断をしているんですよね。
私は、今回東京都でこれだけたくさんの人が今まで休業していて協力をしてきた方たちがですね、ここでいよいよ少しずつでも営業を開始をして、普通の状態を取り戻そうと、頑張ろうと思っているときに、認証が受けられないということは、ほんとにこれは、大至急救済措置が必要だというふうに思うんです。これまで感染拡大防止に、繰り返しになりますが休業して協力をしてきた人たちですから、この方たちの不利益がこれ以上大きくならないようにしていただきたいと。

「点検にうかがえるのは最速で2週間後」といわれた
そんな切実な声があがっている

 原のり子 もうほんとに私もいろんな声を聞かせていただいていますが、ネット上でも、たくさんの声が出ていて、この方はバーをやっている方ですけれども、「都の認証を受けていない飲食店に対して東京都は自粛を要請している。自分のところはずっと営業を自粛していた。そもそも認証を受けていない。緊急事態宣言が解除をされるということになり、スマホももっていない僕がそのことに気づいたのは28日になってからで、29日の朝いちばんに東京都に電話をかけて都の認証を受けたいのでお店の点検をお願いします、と伝えたけれども、点検にうかがえるのは最速で2週間後というふうにいわれた。それだと営業が再開できないのでもう少し早く来ていただきたいというふうにお願いしたけれども、認証店だけがお酒を提供できるということを職員も知らされていなかったので、今すごくたくさんのお店から点検に来てくれといわれて対応に困っている、(と電話で話していた)」という、そういう率直なやりとりもネット上では出ていてですね、私は、ほんとに今、この声をきちんと受け止めるべきだというふうに思います。
このなかで、(この方は)やっぱり点検を早くしていただく、あるいは先ほど私も提案したように、店内の写真を送って、仮申請をして認めるとか、そういう何か、考えてもらえないかということを訴えておられます。私は、これがですね、いま一生懸命(職員の)みなさんが点検に出かけて、土日も返上して頑張ろうということでやってくださっているけれども、それでも間に合わないと、リバウンド防止期間終わってしまうというような事態になりかねないのではないかと思うので、ぜひ、救済措置を考えていただきたいと。この、検討をしていただきたいということについて、お答えをいただきたいと思います。

 危機管理調整担当部長 先ほど申しましたように、今回のリバウンド防止期間に当たりましてもですね、基本的な感染防止対策の徹底というのが不可欠であります。したがいまして、点検の申し込み、例えば点検の申し込みのみで酒類提供を認めるとかいうことは非常に困難であると考えているところでございます。

 原のり子 ぜひ、みなさんの声をきっとたくさん聞いておられると思うんですよね。その声をぜひ受け止めていただいて、私は救済措置、大至急検討していただきたいということをあらためて強く要望したいと思います。

デジタル活用できない店舗を応援してほしい
恩恵が受けられない危険があるので


 原のり子 最後に、この補正予算案のなかで、今回出されているものは、先ほどいったように認証店のみなさんが対象で、ただ心配なのがそのデジタル活用ができない環境の店舗の方は、恩恵を受けられないのではないかというふうに心配をしました。認証店に対する感染状況の確認、また、お店に役立つ感染防止対策を動画で配信するなど検討されているということで説明がありましたけれども、デジタル活用ができない環境の店舗に対する対応はどのように考えていますか。

 危機管理調整担当部長 デジタルの活用が難しい認証済店に関しましては、都の職員等が直接店舗に訪問し、感染対策の確認を行うとか、また、感染防止対策に役立つ動画の内容をまとめました資料を作成しまして、郵送にて配布するといったこととしてございます。

 原のり子 ぜひ、どなたも対応がされるように求めておきたいと思います。事業者のみなさんは、緊急事態宣言が明けて、ようやく少しずつ普通の状態に戻そうと必死で頑張っていらっしゃいます。そこを応援することこそ求められています。そのためにも、第5波のときのような深刻な事態にならないように、お店の感染対策でも困っていることにぜひ耳を傾けていただいて、できる限りの対応をしていくということを強く求めて質問を終わります。

都議会総務委員会で質問
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宮本徹衆院議員のリーフを紹介しながら都政報告
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by hara-noriko | 2021-10-12 22:49 | 都議会 | Comments(0)

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