個人情報を守る都の姿勢を示すべきだ
2021年 11月 22日
デジタルサービス局の仕事をめぐって
東京都議会では、10月~11月の間、各常任委員会が所管する各部局の仕事内容をめぐって質疑が行われます。事務事業質疑といいます。私が所属する総務委員会では、10月22日にデジタルサービス局・選挙管理委員会、11月11日に監査事務局・人事委員会・政策企画局・都民安全推進本部、11月18日に総務局の質疑が行われました。福手ゆう子都議と分担し、私は、デジタルサービス局・人事委員会・政策企画局・総務局の質疑を行いました。事務事業質疑紹介の1回目は、デジタルサービス局への質問です。
個人情報保護や救済措置
局として新たな検討はしていない
官民連携で個人情報を取り扱っていくが、最初は匿名加工情報からスタートし、広げていく。しかし、個人情報保護や救済措置について、局として新たな検討はしていない。都として、個人情報をどこまで活用するのかの線引きはもっていない…。本当に驚くべき事態だと私は思っています。自治体としての姿勢が問われています。引き続きとりくんでいきます。
デジタル技術の発展と普及は大切なこと
個人情報の利活用を都民が監視・監督できることが必要
原のり子 デジタル技術の発展と普及によって、行政等の業務や手続を効率化し、都民の生活の利便性を向上させていくことは大切なことだと思っています。しかし、それは行政機関が保有する膨大な個人情報の利活用を、都民自らが監視・監督できることがきちんと保障されなければならないという問題意識で質問いたします。
テジタルファースト条例について
私たちの懸念事項はどのように検討されたのか
原のり子 最初に、テジタルファースト条例に関してうかがいます。
昨年の第3回定例会で改正されたデジタルファースト条例ですが、共産党としては、条例改正によって対象の手続がどのぐらいになるのかが、まだその時点で不明だったことや、また、デジタル化の適用除外になる手続の考え方も今後の検討ということでした。条例に関わる基本的な事項を示すべきだと指摘して、継続審査の動議を提出しました。それが否決をされた下で、拙速に進めるべきではないとして反対いたしました。
その後、今年7月にデジタルファースト推進計画が立てられましたが、私たちがこのとき指摘した懸念事項はその後どのように検討されたのか、確認していきたいと思います。
デジタル化の対象手続はどのぐらいか
適用除外の手続はどのぐらいか
原のり子 現時点で、デジタル化の対象手続はどのぐらいか、デジタル化適用除外の手続はどのぐらいか、デジタル化のみにする手続はどのぐらいあるのか、うかがいます。
デジタルサービス局戦略部長 デジタル化の対象手続といたしましては、条例施行に当たり、令和2年(2020年)9月末時点で棚卸し調査を実施した結果、全庁で約3万5000手続があり、うち内部手続を除く都民や事業者と接点のある都の手続、約2万8000手続を推進計画の対象手続としております。
このうち、適用除外になる手続につきましては、昨年度末までに各局と協議の上、その有無を精査した結果、該当する手続はございません。
また、条例は全ての手続についてオンライン申請を可能とするものでございまして、従来行われていたデジタル以外の手続を制限するものではございません。
2万8000手続き全てがオンライン申請可能
デジタル以外の手続きも「制限するものではない」
原のり子 従来行われていたデジタル以外での手続を制限するものではないということですけれども、ちょっと確認しますけれども、2万8000手続全てがオンライン申請を可能にできるが、同時にその全てがデジタル以外の手続もできるという理解でよろしいでしよう
戦略部長 条例では、新たに新設した基本原則の条項において、情報通信技術の利用のための能力または知識経験が十分でない者に対する適正な配慮がされることを確保しつつというふうに明記しておりまして、オンライン等による手続が困難な都民等に対しまして、デジタル化を強制させないものとしてございます。
個々の手続は、それぞれの個別の現状を踏まえつつ、基本原則に基づき対応していくこととなりますが、従来行われていたデジタル以外での手続を制限するものではございません。
原のり子 制限するものではないということで、今後とも必要な手続はきちんと継続できるようにしていかなければいけないというふうに思います。
条例改正時にパブリックコメントも実施されなかった
障害者団体からの聞き取りも必要、と指摘したが
原のり子 条例改正時にはバブリックコメントも実施されていませんでした。都民が便利になるようにといいながら、直接都民の意見を聞かずに進めていいのか、ということを私たちは問いました。
私たちの会派からは、障害者団体等からの聞き取りも必要なのではないかということで求めましたが、さまざまな手段で行うと答弁がありました。その後、それは実施されたんでしようか。そして、それを推進計画に反映させましたか。
戦略部長 条例施行後、4月に、障害のある方や支援団体等に所属するUI、UX等の専門知識を持つ外部の有識者に事前ヒアリングを行い、都が取り組むべきデジタルデバイド是正の方向性等や、ウェブサービスの提供に当たっての注意点等をうかがいました。
その上で、多角的な視点でテジタルデバイド(デジタル技術を扱うことができる人とできない人との間に生じる格差)の是正に取り組んでいく必要があることを推進計画に明記するとともに、バブリックコメントを実施した上で、7月に計画を公表してございます。
改善しなければならないことは何か
推進計画に反映させていく考えはあるのか
原のり子 推進計画を読みますと、具体的な記述というのはないんですね。もちろん、デジタルデバイド(デジタル技術を扱うことができる人とできない人との間に生じる格差)の是正に取り組んでいくということは書かれているんですけれども、どういう障害を対象に聞き取りを行ったのかとか、あるいは実際に改善しなければならないことはどういうことがあるのかというのは、まだ計画では読み取れないというふうに思います。
推進計画にそうしたものも具体的に反映させていくという考えはあるのでしょうかしようか。推進計画は3年となっていますが、途中での見直しや改定についてどのように考えているか、うかがいたいと思います。
戦略部長 繰り返しにはなりますが、条例施行後に、障害のある方、支援団体等に所属する有識者の方からヒアリングを行っております。また、バブリックコメントを実施した上で、7月に、多角的な視点でデジタルデバイドの是正に取り組んでいくというふうなことを明記した上で公表しているということでございます。現時点では。
原のり子 では、要望しておきたいと思います。
コロナ 飲食店などへの協力金
紙による申請も非常に多い
原のり子 推進計画は3年となっていますけれども、具体的にいろいろな声を聞いて、改善すべきところは改善するということで、見直しや改定が必要なのではないかと思いますので、そこは求めておきたいと思います。
コロナの下で、例えば飲食店などへの協力金も、今、オンラインだけではなくて、紙ベースの申請もあって、非常にこれが多いというふうに聞いています。誰もが行政の手続で取り残されるということのないようにすべきだということを強く求めておきたいと思います。よろしくお願いします。
個人情報などの重要なデータ
情報セキュリティの対策の取り組み状況は
原のり子 次に、デジタルサービス局に関してうかがいます。
4月に(デジタルサービス局が)設置されましたが、共産党としては、個人情報の保護や組織の在り方について、課題や問題点を指摘して(設置に)反対いたしました。
今年の第1回定例会の議論で、個人情報保護に関わるやり取りをさせていただきました。個人情報保護に関わる業務はどこが担当するのかと聞いたところ、サイバーセキュリティポリシー対策の統合調整は総務部というご答弁でした。
都民の安心のためには、個人情報などの重要なデータは、情報漏えいなどの事故を起こさないようにすることが重要です。情報セキュリティの対策の取り組み状況はどのようになっているかうかがいます。
デジタルサービス局情報セキュリティ担当部長(デジタル基盤整備担当部長兼務) テジタルサービス局では、国が示すガイドラインを踏まえて定められた東京都サイバーセキュリティポリシーに従いまして、各局に対し、不正アクセスであるとかコンピューターウイルスの感染を防止するための技術的情報の助言や、情報の機密性に応じたセキュリティ対策への評価など、さまざまなサイバーセキュリティ対策を実施しております。
なお、サイバーセキュリティインシデント(守るべき情報が流出するなど安全管理上の脅威となる出来事)の発生時には、事象の把握に努め、指示、指導を行い、被害拡大の防止に取り組んでいるところでございます。
知事は都民の生活や質を向上させる、といってきた
都民の権利を守る仕組みをつくる考えはあるのか
原のり子 1点確認させてもらいたいんですけれども、以前から私、質問で述べてきていますが、もともとこのデジタルサービス局をつくるときに、知事の会見でもおっしゃっていましたけれども、都民の生活の質や利便性を向上させるということをいちばんにうたっているんですよね。そのことが目的であれば、デジタルサービス局としてワンストップの相談窓口をつくるなど、都民の権利を守っていく、そういう仕組みをつくることが必要なんじゃないかといってきましたが、そういう検討というのは今されているのかどうか、そういうお考えはあるのか、うかがいたいんですけれども、お願いします。
情報セキュリティ担当部長(デジタル基盤整備担当部長兼務) デジタルサービス局はサイバーセキュリティ対策を所掌しておりまして、個人情報保護の取り組みに関しては生活文化局の所管でございます。また、個々の個人情報の管理につきましては、情報システムを所管する各局が行っております。そのため、ご指摘のような相談窓口等は、当局では今まだ設置をしておりません。
個人情報についてどうか、という心配もされている
デジタルサービス局に相談窓口があってしかるべきではないか
原のり子 個人情報保護は生活文化局でというのは、それはそういう仕組みになっているというのは分かっているんですけれども、デジタルサービス局を、こういう局を立ち上げようという、これだけの大きな仕事なわけで、そのなかで、やっぱりどこに相談したらいいか分からないということも含めて、相談できる窓口をデジタルサービス局自身も持っておくと、そこから生活文化局なり各局とも連携するという、そういう役割を果たしてもいいんじゃないかな、と思うんですね。
多くの方は、やはりデジタル化に伴って便利になると同時に、個人情報についてどうかという心配もされていますので、そこに局として応えていくという姿勢があってしかるべきではないかというふうに思います。今は検討されていないということですけれども、検討すべきではないかということを要望しておきたいと思います。
民間からの特定任期付課長について
どういう企業から来てどういう仕事をしているのか
原のり子 そして、都民のための局として役割を果たすという点では、組織の在り方というのも大事になってきます。民間からの特定任期付課長についてですけれども、今、何名で、どういう企業から来ていて、どういう仕事をしているのでしようか。
デジタルサービス局戦略部長 課長級の特定任期付職員であるデジタルシフト推進担当課長は、現在、19名が在籍しており、その前職はさまざまでございますが、おおむねIT関係の民間企業となってございます。
これらの職員の職務内容は、都政におけるデジタルシフトの実現に向けた技術面からの各種企画及び調整であり、デジタル分野における高度な専門性と豊富な経験を活用し、各局におけるDX(デジタルトランスフォーメーション=デジタル技術を浸透させることで生活をより良くしていくこと)推進の取り組みについて、技術的な観点から支援等を実施しています。
事業概要ではデジタル関連経費の把握及び分析となっている
民間からの課長がこれに携わっているのか
原のり子 技術面からの企画、調整ということですけれども、戦略部のデジタル推進課の仕事の第一は、事業概要にも書いてありますけれども、デジタル関連経費の把握及び分析となっています。民間からの課長がこれに携わっているのでしようか。
戦略部長 デジタル推進課の事務分掌は、東京都組織規程におきまして、デジタル関連経費の把握及び分析に関することのほか、ICT人材(ICT=インフォメーション・アンド・コミュニケーション・テクノロジー。情報技術の活用を考える人たち)の育成及び総合調整に関することと規定されております。
デジタルシフト推進担当課長につきましては、高度な専門性と豊富な経験を効果的かつ柔軟に活用するため、ICT人材の総合調整を行うデジタル推進課に集中的に配置しております。その職務内容は、各局支援など技術面からの企画、調整を行うことであり、デジタル関連経費の把握、分析には携わっておりません。
デジタル関連経費の把握、分析には携わっていない
研修を強化しているのか、その内容は
原のり子 デジタル関連経費の把握、分析には携わっていないんだということで確認をしました。
デジタルシフト推進担当課長は、任期が大体2年で、最長でも在籍5年と聞いています。前職は退職した上で公務員として仕事をされているわけです。(公務員としての)研修の強化も必要だということをこれまで提起してきましたが、これまでより強化して実施をしているのかどうか、その内容はどういうものか、うかがいます。
デジタルサービス局総務部長 民間人材につきましては、採用時に公務員としての必要な基本的な研修を行うとともに、局独自の取り組みとしてコンプライアンスに関する研修も実施しております。
その研修におきましては、総務局コンプライアンス推進部の職員も講師となりまして、ただ単に制度の説明を行うだけではなくて、具体的な事例を示しながら、公務員として職務を行っていく上での注意すべき点などを強調するなど、理解を高めるための工夫の下、実施しております。
さらに、採用後におきましても定期的に研修を実施することで、公務員としての認識の定着を図っております。
デジタルシフト推進課長の在り方
抜本的に見直しが必要ではないか
原のり子 今、国は、デジタル庁の職員の600人中200人が民間人材で、しかも企業に在籍したままの兼業を認められているということで、非常に露骨な官民癒着の状態ではないかと私は思っているんですけれども、東京都は(東京都の場合)デジタルシフト推進担当課長は兼業にはなってはいないものの、ただ、あくまでも短期間の在籍なんですよね。
今、研修は強化する、努力をされてきていると思うんですけれども、ここで新たにICT職の(正規職員)採用もスタートされていますよね。こういう段階では、デジタルシフト推進課長の在り方は、抜本的に見直しが必要ではないかということを提起しておきたいと思います。
官民連携によるデータの活用
データの範囲を拡大しようとしているが
原のり子 最後に、官民連携データブラットフォームボリシー案(都は「データ流通推進事業」や「データ整備事業」などの事業を行うことを計画しており、データ提供者が持つデータを、データ利用者が効率的に利用できる環境を提供することを想定したもの)についてうかがいます。
官民連携データブラットフォームボリシー策定委員会で検討したポリシー案は、データの範囲を拡大していくことを前提に書かれています。拡大するときには、プライバシーステートメントの改正やバブリックコメントなどを実施するんでしようか。
デジタルサービス局データ利活用担当部長 官民連携データブラットフォームボリシー策定委員会にて、昨年度検討いただいたポリシー案は、最終的には東京データブラットフォーム、いわゆるTDPF(東京データプラットフォーム)の運営組織にて、ポリシーとして定めるものでございまして、プライバシーステートメントの改正等につきましては、運営組織で判断するものと考えております。
匿名加工情報の活用
さまざまな意見が出されている
原のり子 それでは、匿名加工情報(特定の人間を識別することができないように情報を加工したもの)については、最初から活用が前提になっているというふうに読めますけれども、これについて、官民連携データブラットフォームボリシー策定委員会でさまざまな意見が出ています。このことについてもそういうふうに答弁されてきましたが、その問題、そのさまざまな意見をどう整理されたんでしようか。
データ利活用担当部長 官民連携データブラットフォームボリシー策定委員会におきましては、匿名加工情報につきまして、匿名加工情報であるということが確認できれば、事業を進めるに当たり問題はないとか、匿名加工情報は物理的にも法的にも安全であるというご意見や、現時点では統計情報と匿名加工情報に限るのがよいのではないかなどのご意見がございました。
行政が提供する匿名加工情報を流通させるのか
区市町村にも適用されるのか
原のり子 いろいろな意見がありますよという答弁で、前に質問したときと変わっていないのかなというふうに思いました。
匿名加工情報のもとは個人情報です。行政が提供する匿名加工情報を流通する(させる)という考えなんでしようか。それは区市町村にも適用されるのか、見解をうかがいます。
データ利活用担当部長 地方自治体が提供する情報は、各自治体が判断するものでございまして、官民連携データブラットフォームボリシー策定委員会では、TDPFの運営組織におけるデータの取扱いについて議論しております。
運営組織を設置するに当たって
都としての考えが示されていない
原のり子 それでは、東京データブラットフォームのポリシー案のなかには、問い合せ先、ステートメントに関するご意見、ご質問、苦情の申し出などについての窓口をつくるというふうに書いてあるんですけれども、これはどこになるんでしようか。
データ利活用担当部長 東京データブラットフォームのポリシーは、その運営組織にて定めるものでございまして、運営組織にて窓口を設置するものと考えております。
原のり子 重ねて、すみません。官民連携データブラットフォームボリシー策定委員会の議論のなかでは、自己情報コントロール権についてはどういうふうに議論され、認識されているんでしようか。そのことをこのポリシー案のなかに盛り込んでいますか。
データ利活用担当部長 昨年度作成いたしましたポリシー案におきましては、東京データブラットフォームデータ流通推進事業で取り扱うデータの範囲として、まずは個人情報を取り扱わない方針としております。
原のり子 今、一つひとつ聞かせていただいたんですけれども、すべて答弁は、運営組織で検討、議論するということなんですよね。私は、その運営組織を設置をするに当たって、都としての考えを示すべきではないかということを以前からいっているんですけれども、やつばりそこはお示しいただけないんだなということが、今回の質問をして分かったんですね。それでいいのかというふうに今思っています。
「まずは個人情報を取り扱わない」というが
データの範囲を拡大していく予定になっている
原のり子 今、最後のご答弁でも、取り扱うデータの範囲は、まずは個人情報を扱わないというふうにおっしゃるんですよね。
まずは、ということですから、あくまで入り口の問題であって、ポリシー案では拡大を前提に書かれているんですよね。本サービスを継続的に提供するなかで取り扱う対象となるデータの範囲を拡大していく予定だというふうに明確に書かれているから、東京都としての認識をここで聞いているわけですけれども、とにかく最初は、まずは個人情報を扱わないというふうにいって、運営組織をスタートさせてしまって、あとは組織でやっていけばいいという考えに聞こえてしまう。
こういう情報は提供しないなど
都としての考えを聞きたい
原のり子 一般社団法人などをつくっていくというふうにもうたわれていますから、そのときに東京都としての自治体の責任、主体性というのは、どう考えていらっしゃるのかなということをぜひお聞きしたいんですね。
都としては、データの取り扱いの範囲を拡大していくということについて、そこに都としてはこういう情報は提供しないとか、ここは歯止めをかけるんだとか、そういう線引きは持っていらっしゃらないんでしようか。
どなたかこの点について責任ある立場でお答えいただきたいと思うんですけれども、いかがですか。運営組織ができたらそこで検討するというのではなくて、都としてどう考えているのかということをご答弁お願いします。
データ利活用担当部長 昨年度検討いたしました官民連携データブラットフォームポリシー策定委員会の議論の下に、ポリシー案は策定されたわけでございますが、データ流通推進事業で取り扱うデータの範囲としましては、まず個人情報を取り扱わないこととしておりまして、個人情報を含むパーソナルデータを取り扱う際にも、再度、有識者による専門家会議等の検討を得て、慎重に対応することとしております。
個人情報を扱う方向に動くということではないか
「慎重に対応することとしております」
原のり子 では、まず個人情報を扱いませんよというふうにいって、その後、拡大していくということは、東京都としてもそういう方針を持っていて、その上で運営組織に検討していただくという理解でよろしいですか。
データ利活用担当部長 官民連携データブラットフォームのポリシー案におきましては、まずは個人清報を取り扱わないこととしておりまして、個人情報を含むパーソナルデータを取り扱う際でも、再度、有識者による専門家会議等の検討を得て、慎重に対応することとしております。
原のり子 担当部長からお答えいただいているんですけれども、本来であれば、デジタルサービス局全体がどういう方針で臨むのかということでお答えがあってしかるべきだと私は思います。
自治体としての主体性をもって個人情報を扱うべきだ
民間大企業を利することになってしまう
原のり子 自治体としての主体生を持って、個人情報の問題は取り組んでいかないと、結局、行政の持っている情報もどんどん提供していくというふうになれば、利するのは誰なのかと、それははっきりしているんですよね。利するのは民間大企業になってしまうんです。こういうなかで、都としてこういう情報は提供しませんとか、何かあったらちゃんと局で心配に応えます、救済措置もあります、ということを打ち出さないでいて、とにかく運営組織をつくってそこで検討してもらうというのは、私はとても信頼できないと思ってしまうんですね。
都民の自己情報コントロール権を保障する
都はその立場に立つべきだ
原のり子 今、国は、行政機関が持つ個人データを匿名加工情報にすれば、本人の同意なしに第三者に提供できるという仕組みをもう導入していて、また、個人情報保護法制も、個人情報保護の法制ですね、これも行政や民間などで別建てだったものを一元化していくと。公的部門の個人情報の範囲を狭めていくという方向なんですよね。
ですから、私は、こういうなかで、都として都民の個人情報、自己情報コントロール権を保障する立場に立つべきだというふうに強く指摘したいと思います。
個人情報の提供 デジタルサービス局の考えは
「個人情報保護制度は生活文化局が所管している」
原のり子 改めて最後に、自治体として個人情報の提供についてお考えがあるのかないのか、ちょっとそこは最後、ご答弁いただきたいと思います。全部運営組織で検討しますではなくて、デジタルサービス局としての考えはないのか、うかがいます。
データ利活用担当部長 デジタルサービス局では、東京データブラットフォームなどデータ利活用の事業を所管しておりまして、個人情報保護制度は生活文化局が所管しているところでございます。
個人情報の保護
都自身が取り組みの方針を示さないとダメです
原のり子 残念です。私は、デジタルサービス局を立ち上げるというその責任において、個人情報保護について局としてどういうふうに取り組んでいくのか、さらに、今、既にもう、個人情報を扱わないというのは、まずは扱わないというふうに明記されているなかで、じゃあどうやってこれに歯止めをかけていくのか、取り扱いをどうしていくのかというのを、東京都自身が示さないとダメなんだということを改めて指摘したいと思います。
ずっと担当部長がお答えいただいたんですけれども、私は、デジタルサービス局全体でこの問題をしつかり受け止めて、個人情報の問題をないがしろにして進めるわけにはいかないということを指摘しておきたいと思います。

by hara-noriko | 2021-11-22 10:47 | 都議会 | Comments(0)