障害者の都職員採用 さらに改善を
2021年 11月 23日
人事委員会の仕事をめぐって
東京都議会では、10月~11月の間、各常任委員会が所管する各部局の仕事内容をめぐって質疑(事務事業質疑)が行われます。11月11日、私は人事委員会に対して質問しました。都職員の苦情相談がふえていることをとりあげ、丁寧な対応を求めました。また、障害者が受けられる都職員の採用試験を幅広く知らせることや、合格者が非常に少ない上に知的障害者の合格者がいない現状をしっかり分析することなどを提起しました。
先日発表された「職員の給与に関する報告と勧告」では、長時間労働の是正、メンタルヘルス対策が強調されました。これを具体化していくのは、総務局の仕事になります。同時に、人事委員会としても職員の相談をいっそうていねいに受けていくことが必要だ、と思い質問しました。
また、障害者の採用試験について、合理的配慮について少しずつ前進してきていることを感じました。ずっと提起してきた、面接のやり方なども検討・改善をすすめてきていることもわかりました。しかし、知的障害者の合格者が出ないという問題については手つかず。「試験を受けられるようにしただけ」という状態を一日も早く解決しなければと思っています。なお、今年度、知的障害者の非常勤職員が初めて正規職員になる、という大きな前進がありました! 引き続き取り組んでいきます。
都職員の苦情相談が増えている
その内容は?
原のり子 最初に、人事委員会が行っている都職員の苦情相談についてうかがいます。 各会計決算特別委員会で提出をしていただいた公平審査等の実績を見ると、都職員の苦情相談がこの5年間、毎年増えています。2016年度(平成28年度)は229件ですが、昨年度(2020年度=令和2年度)は297件になっています。昨年度の主な苦清相談の内容はどういうものか、うかがいます。
人事委員会審査担当部長 人事委員会は、地方公務員法の規定に基づき、職員からの勤務条件その他の人事管理に関する苦情相談に対応しております。
令和2年度の主な苦情相談の内容は、職場の人間関係や勤務時間、各種休暇の取得、任用に関する相談などでございます。
コロナ前とコロナ禍と
変化や特徴は?
原のり子 都の職員の方々も、コロナの中で大変苦労があるというふうに思います。苦情相談の内容に関して今うかがいましたけれども、特にコロナ禍の前と比べて変化をしたこと、特徴などはありますか。
審査担当部長 コロナ禍の前と比べた相談内容の変化、特徴といたしましては、新型コロナウイルス感染症拡大に対応した事故欠勤の適用など、服務に関する問い合わせが見受けられたということでございます。
長時間労働やメンタルヘルス
丁寧な相談業務を求める
原のり子 自分自身がコロナの感染に注意をしながら仕事をする。また同時に、家族がいらっしゃれば家族の感染にも気を配り、感染したりあるいは濃厚接触者になったりというようなことがあれば、働き方にも大きな影響があります。相談が増えるというのは当然だと思います。
昨年度はコロナ対応で職員の長時間労働の面接対象者、つまり一月当たりの超過勤務時間が百時間以上の職員、または2カ月ないし6カ月間の超過勤務時間が1月平均80時間を超えた職員も増えているという状況だとうかがっています。
また、先ほど報告のあった職員の給与に関する報告と勧告の中でも、長時間労働の是正、また長時間労働が解消されない場合は、業務量に応じた人員が適切に確保されているか検証すべきだと指摘されていました。さらに、メンタルヘルス対策もこれまで以上に、と強調されていました。
そういう中で、今後、都も人事委員会として丁寧な相談業務を進めていただけるよう、この場では要望しておきたいと思います。
都職員の採用試験
障害者の方が受けられる試験にはどういうものがあるのか
原のり子 次に、都職員の採用試験についてうかがいます。
現在、人事委員会が実施する東京都職員採用試験のうち、障害者の方が受けられる試験にはどういうものがありますか。
人事委員会試験部長 人事委員会では、障害者を対象とする東京都職員Ⅲ類採用選考を実施しております。そのほかの採用試験、選考におきましても、補聴器の使用や車椅子対応などの受験時の配慮を行うことにより、障害者の方が受験することが可能でございます。
原のり子 障害者を対象とするⅢ類採用選考以外でも、基本的に申し出があれば合理的配慮を行って、障害者の方は試験を受けられるようにするということです。
Ⅰ類Bの福祉Cはどのような人が対象になっているのか
5年間申し込みはなかった 周知を強めてほしい
原のり子 そのなかで、特に早くから点字試験を実施してきたⅠ類Bの福祉Cについてうかがいたいのですが、Ⅰ類Bの福祉Cはどのような人が対象になっている試験でしょうか。この5年間で応募、合格者は何人いらっしゃるか、障害種別はいかがか、うかがいます。
試験部長 Ⅰ類B採用試験の福祉Cの受験資格といたしましては、採用される年度の4月1日現在で満22歳から29歳までという年齢要件のほか、社会福祉士、精神保健福祉士、保育士、児童指導員、児童自立支援専門員のいずれかの資格を有すること、点字による出題に対応できることなどが定められております。
平成29年度(2017年度)から令和3年度(2021年度)までの5年間で受験申込者自体おりませんでした。
原のり子 この5年間、残念ながら申し込み自体はなかったということです。合格した場合は、福祉関連施設などでの相談業務等に当たることを想定しているということですので、資格等が条件になっていることから、応募できる人はそもそも限られているわけです。それにしても、ぜひ応募していただけるよう周知を強めていただきたいというふうに思います。
点字受験を希望した人・合格者は
5年間で希望申込者は13人、合格者はなし
原のり子 この採用試験において、点字受験を希望した応募者、合格者は、この5年間で何人いらっしゃいますか。
試験部長 平成29年度(2017年度)から令和3年度(2021年度)までの5年間で点字受験を希望した申込者は13人、合格者はおりませんでした。
原のり子 残念ながら合格者は出ていないということです。
もともと募集も1人とか、非常に人数が少ないということもあって、そういう状況になっているんだと思います。
点字で受験し、合格した方は直近でいらっしゃるのか
「2016年度に1人」
原のり子 それでは、今うかがった直近5年間以前も含めて、点字で受験し、合格した方は直近でいらっしゃるんでしようか。
試験部長 過去直近の合格者といたしましては、平成28年度(2016年度)のⅠ類B採用試験一般方式の福祉Cにおいて1人おりました。
原のり子 お1人は28年度(2016年度)にいらっしゃるということです。今うかがって、福祉Cでそういう状況だということです。
この福祉Cは長い歴史をもっていて、点字試験も含めて先進的にやられてきているわけですけれども、そしてⅢ類採用選考も障害者を対象にしてやろうということで拡充もされてきたわけですが、残念ながら、障害者を対象とするこのⅢ類採用選考では、この点字の試験の合格者はいらっしゃらない、と。障害者のために実施している試験で、しかも年齢の幅も広く設定をされているⅢ類採用選考であるにもかかわらず合格者がなかなか出ない、ということについては非常に残念だと思います。
知的障害の方も合格されていない
なぜなのか 分析してほしい
原のり子 提出していただいた資料を見ても、例えばこの3年間を見ても、やはり相変わらず知的障害の方も合格されていない、ということです。
一方で、総務局で非常勤から常勤へという道を開いた。こういうことは非常に重要だと思いますけれども、ただ、Ⅲ類採用選考で障害者雇用を進めていく上で試験を受けられるように門戸を開いたわけですから、やっぱりここで合格者が出て、たくさん合格されるようにしていく。その合格者が出ないことについて、やはり分析をしていくことが必要なのではないかと私は考えています。ぜひ分析をしていただきたいと思います。
障害者が受けられる採用試験
幅広く周知してほしい
原のり子 一方で、さらに周知を強めていくことも必要だと思っています。こういう試験がありますよということをできるだけ広く詳しく周知していくということですが、現在、障害者が受けられる試験についてどのような周知をしているかお聞かせください。
試験部長 障害者を対象とするⅢ類採用選考につきまして、東京都職員採用ホームページで周知するほか、都内盲、ろう特別支援学校、障害者福祉センター等へ選考案内を送付しております。
原のり子 さらに周知を強めていただきたいと思います。先ほどもいったように年齢の幅も広いものですから、本当に広く周知をしていただければというふうに思います。
あわせて、合理的配慮を進めながら実施しているということも十分知らせていただきたいと思います。特に申し出があれば、そのことで相談しながら試験を行っていくということについても、ぜひお知らせいただきたいと思います。
障害者への合理的配慮
一人ひとりの障害特性や個性を捉えて
原のり子 それで、その合理的配慮について、これまでもさまざまな角度から質問してきましたけれども、Ⅲ類採用選考において、これまではグループ討議が行われていました。そのときに聴覚障害者の方がそのグループ討議に参加できるようにするためには要約筆記が必要ではないかと私は提起してきました。なぜなら、手話や筆談などはもちろん配慮されているんですけれども、手話や筆談だけでは全体が把握しにくいことと、要約筆記があればほかの人とも要点を共有できるので有効ではないか、という提案をしました。このことについては検討されたでしようか。
試験部長 障害者を対象とするⅢ類採用選考におきましては、今年度より個別面接を1回から2回に増やし、昨年度まで行っておりましたグルーフ討議は廃止をいたしました。
原のり子 それでは、そのグループ討議を廃止した理由をお聞かせください。
試験部長 個別面接を同じ日に2回行うことにより、受験者一人ひとりの能力、適性等について、より適切な評価が可能となるようにするためでございます。
原のり子 一人ひとり能力、適性等について、より適切な評価をしていくという考えの下、面接について見直しをしたということです。より一人ひとりの障害特性特生や特徴を捉えていくという考え方は、私はとても重要だというふうに思います。
障害者の方が都の職員として自分の能力を生かして仕事ができるよう、その入り口である試験について絶えず必要な改善を図りながらバージョンアップしていくということは非常に重要だと思います。引き続き障害者、受験した障害者の方の意見なども聞きながら充実をさせていただくことを求めて、質問を終わります。
市政報告&予算要望懇談会で
(奥左から)原田ひろみ市議、佐々木あつ子市議、
原のり子、深沢まさ子市議、香川やすのり市議


by hara-noriko | 2021-11-23 10:58 | 都議会 | Comments(0)

