都立病院・公社病院を守り、さらに充実を   

 2月半ばから3月にかけて開かれる予定の都議会第1回定例会に、東京都が都立病院条例の廃止条例案を提出しないように、と取り組んできましたが、2月2日、提出が予定されていることがわかりました。知事は、今年の7月に都立病院・公社病院すべてを独立行政法人にする考えを変えず、強行しようとしています。コロナ感染が1日で2万人を超える事態になっているなか、また障害者団体などが「いてもたってもいられない」「命の砦の病院を守って」と要請しているさなかに。日本共産党都議団は、都民のみなさん、他の野党にも呼びかけて、一緒に押し返す取り組みを強めています。私も、街頭でこの問題をとりあげて訴えています。主な内容を紹介します。

コロナ危機を乗り越えるためには
医療機関を支えることがどうしても必要


 コロナ危機を乗り越えていくためには、医療機関をしっかり支えていくことがどうしても必要です。それは、だれもがわかっていることだと思います。ところがみなさん、いま東京都は、都立病院や公社病院を独立行政法人化しようとしています。

都は都立病院・公社病院の独立行政法人化を計画
強行されると病床確保も困難になる危険が


 独法化するということは、独立採算で病院を運営してくださいということになり、廃止や民営化も含めて検討する対象にしていくことになります。コロナ病床確保数の全国第1位から第11位までが都立病院と公社病院です。この近くにある多摩北部医療センターもその中に入っています。独法化で、こういう病院から都が手を離す。現在は、「コロナで病床を確保してください」「ベッドを増やしてください」と知事が指示を出せば、都立病院・公社病院はこれに応えています。それが使命だからです。独法化すると、こうしたことに困難が起きかねない、命が守られないという事態になりかねません。
 この間、公社が運営する多摩北部医療センター(東村山市青葉町)では、コロナに感染した障害者や高齢者の方を積極的に受け入れてくれています。こうした病院があることで、この地域で安心して生活することができます。
 都立病院・公社病院を独法化する計画は、どうしてもストップをかけなければならないと改めて思っています。

「病院自体はなくならないのだから変わらない」と説明するが
病院の中身が変わってしまいます


 小池知事は、今年の7月から独法化するために、2月~3月に開かれる都議会第1回定例会に都立病院条例の廃止条例案を出そうとしています。「病院自体はなくならないのだから変わらない」と説明していますが、中身が変わってしまいます。
 先日、東京都が独法化について新聞広告を出していました。それを見ましたら、コロナ対策などの行政的医療を守っていく、という言葉は一言もありませんでした。東京都は、都立病院・公社病院を独立採算で稼ぐ医療をやってください、といっています。しかしみなさん、感染症対策や障害者・高齢者のみなさんの医療、難病治療などの医療は不採算の分野です。だからこそ東京都が税金を投入して支えていくことが必要なんです。これが独立採算で稼ぐ医療を中心にしてくださいなどということになったら、大きく後退しかねません。
 みなさんと一緒に、都立病院・公社病院をしっかり守っていく、そしてもっと充実させていく取り組みをしていきたいと思います。

清瀬小児病院の廃止後 市民が運動
内容を充実させてきた多摩北部医療センター


 清瀬市・東久留米市は、かつて都立清瀬小児病院があった地域です。小児病院がなくなったときに、子どもたちを受け入れてくれる医療機関が足りないという事態になりました。多くのみなさんと運動して、多摩北部医療センターに小児科ができ、小児救急が実施されるようになりました。喘息の子どもさんが多いということで、専門外来も設けられました。子どもの睡眠障害を専門にする先生も配置されて、専門外来が実施されています。

多摩北部医療センターも独法化の対象
小児医療などが後退しかねない


 清瀬小児病院が廃止されたあとに、多摩北部医療センターを充実させるんだといってすすめてきたはずなのに、東京都はこの多摩北部医療センターも独立行政法人にしようとしています。そうなると、小児医療も後退しかねません。

自治体の関係者からも充実を求める声が
「産科をぜひつくってほしい」など


 先日、多摩北部医療センターの改築にあたっての基本構想検討会を傍聴しました。清瀬市や東村山市など、自治体の関係者からも「多摩北部医療センターの医療は後退させないでほしい」「後退させない上に、もっと充実してほしい」「清瀬でなくなってしまった産科をぜひ多摩北部医療センターにつくってほしい」などの要望が率直に出されていました。
 こういう声があるにもかかわらず、多摩北部医療センターも含めて独立行政法人化して、廃止や民営化を含めて検討する対象にしまおうという東京都のすすめ方に反対して、みなさんと一緒に病院を守っていきたいと思います。

コロナで見えたこと
命を守る分野は「公」が役割を果たす


 コロナのなかで見えてきたことは、自助ばかりを、自己責任ばかりを押し付ける政治ではダメだ、ということです。とくに命を守る分野、医療などについてはきちんと「公」が役割を果たしていくことこそ大事なんだ、ということがはっきり見えてきたのではないでしょうか。
 そんなときに、東京都が都立病院・公社病院から手を離すなどということは、あってはなりません。コロナ危機を乗り越えるためにも、そしてその先もこの地域で安心して暮らしていけるように、都立病院・公社病院をしっかりと守っていきたいと思います。ぜひ、みなさんの大きなお力添えをお願いします。

独法化推進の自民、都民ファ、公明
「病院を守れ」「命を守れ」の声をもっと大きく


 都立病院・公社病院の独立行政法人化を小池知事と一緒にすすめているのが、自民党、都民ファースト、公明党、維新の会の人たちです。コロナで見えてきた、命を守るには公助を強めていくのが大事なんだ、ということです。独法化は、これに逆行します。みなさんと一緒に「病院を守れ」「命を守れ」の声をもっと大きくして、独法化をストップさせたいと思います。

「都立・公社病院を守りたい」
あなたの声を共産党都議団へ


 都立病院・公社病院を守りたい、ということで、「あなたの声を寄せてください」とビラに書きました。続々と声が寄せられています。「多摩北部医療センターで命を救ってもらった」という声も共産党都議団に届きました。ぜひ、さらに声を寄せていただいて、力を合わせて独法化の流れにストップをかけ、命を守る政治をつくっていきましょう。
 インターネットは、こちら から
 ファクス 03(5388)1790

独法化反対を共産党都議団のビラをもって訴えています
左から2人目は、深沢まさ子清瀬市議
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2月4日は立春 咲き出した紅梅(東京都清瀬市)
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by hara-noriko | 2022-02-03 21:01 | 東京都政 | Comments(0)

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