東京町田市 田中美穂・原のり子トークセッション
2022年 02月 15日
東京都町田市の鶴川駅前
東京都町田市の市長選と市議選が2月13日に告示され、いま選挙の真っただ中です。20日に投開票されます。私は告示を翌日に控えた12日、町田市におじゃまして、2期目の当選をめざして奮闘する日本共産党の田中美穂さんと、鶴川駅前でトークセッションをおこないました。司会は、池川友一都議。約1時間、多彩なテーマで語り合いました。このうち、コロナ対策、共産党議員の思い、中学校全員給食をめぐる新しい展開などについてお知らせしたいと思います。
【東京都町田市の市長選・市議選 2月20日投開票】
《市長選》
清原おさむ候補(63)=無所属新=
推薦=日本共産党、立憲民主党、社民党、
れいわ新選組、生活者ネット、緑の党
ほかに5人が立候補
《市議選》
日本共産党の候補者
とのむら健一候補(67・現)
細野りゅう子候補(67・現)
佐々木とも子候補(66・現)
田中美穂候補(39・現)
大野まこと候補(57・新)
(定数36、立候補49人)
田中美穂さんはじめ5候補全員当選のため
4年ぶりに町田市に
田中美穂 4年前、鶴川のみなさんのお力で議会におくっていただきました。2期目に挑戦しています。
原のり子 共産党の都議会議員です。池川友一都議と一緒に多摩地域選出の都議ということで、力を合わせています。4年前にも田中美穂市議誕生のために「春を呼ぶつどい」に参加させていただきました。美穂さん必勝のために、そして5人の候補全員当選のために、4年ぶりに町田にうかがいました。
深刻な新型コロナウイルスの感染拡大
市民の声を背景にPCR検査の前進を実現
田中美穂 新型コロナのオミクロン株による感染が深刻です。町田市や東京都の役割が問われていると思います。共産党町田市議団としては、市民のみなさんの声に応えて、この2年間で30回以上の要望を町田市にしてきました。市民病院に財政的な支援を市が行うことや、コロナ病床を増やすことなどを求めてきたなかで、これが実現しました。池川友一都議と連携して、東京都が高齢者施設へのPCR検査を拡充する計画であることを知り、町田市がきちんと取り組むよう求めてもきました。
原のり子 東京都でいちばん重要だったことは、コロナ対策の特別委員会を設置したことなんです。昨年7月に都議会議員選挙があって、共産党が19議席に前進しました。都議選後の都議会で特別委員会が設置できました。改選前の都議会で、共産党は繰り返し「特別委員会をつくって、どんどん手を打つ必要がある」といってきました。それがずっと否決され続けてきたんです。でも、共産党の議席が伸びて、改めてコロナ特別委員会の設置を提起した結果、実現できました。やっぱり議席を増やすことは大事ですね。
共産党は、「PCR検査を柱に据えるべきだ」といい続けてきました。ようやく一歩・二歩前進してきました。小池知事は当初、「必要な検査はやられております」といっていたんですが、感染の拡大によってそんなことはいえなくなりました。自民党は「検査ばっかりやってどうするんだ」というヤジを飛ばしていました。それもいえなくなった。
田中さんからお話があったように、高齢者施設で定期的なPCR検査をちゃんとやっていこう、ということが前進し、さらに小学校や幼稚園、保育園でも先生たちの定期的な検査をやることが2月から実現しました。さらに拡充していきたいと思っています。
田中 「救える命を増やしたい」
原 「市議団と都議団が連携して」
田中美穂 PCR検査を拡充するようこの2年間、ずっといい続けてきて、ねばりづよく都議団が取り組んだことで前にすすむんだな、ということを実感しています。検査を前に進めることで救える命を増やす、安心して生活できる、そこにつながっているなと思います。
原のり子 共産党都議団と共産党市議団とが連携してやっているのも、強みですよね。いま東京都は、都立病院・公社病院を独立行政法人化しようとしています。これにもストップをかけて、コロナ対策を拡充させていきたいというのが大きな課題になっています。力を合わせたいと思います。
1期目に2人目の子を出産した田中美穂さん
「いろんな当事者が議会にいることがすごく大事」
原のり子 きょうはどうして駆けつけてきたかといいますと、田中美穂さんが1期目の間に2人目の子を出産されて、2期目も選挙に出ようと決断されたことを聞いて、なんとしても応援したいと思ったからです。2人目の子を出産するときの思いとか、その後の子育て、議員として大事にしていることなどについて、ぜひ教えてください。
田中美穂 共産党の吉良よし子参院議員が議員をしながら妊娠・出産され、議員活動をしながら出産・子育てができるんだな、ということを目の当たりにしました。このことに大きな影響を受けました。町田市議会では、他党にも議員をしながら妊娠・出産を経験される方がいらっしゃいます。なので、市議会としての理解はすごくあって、そこは本当に助けられました。地域の方もすごく喜んで応援してくれました。共産党議員団としても、私が休んでいる間に生活相談があれば代わりに受けてくれるとか、いろいろサポートをしてくれました。
いろんな当事者が議会にいることがすごく大事だと思います。私は活動報告のニュースを隔週で出しているんですが、そのニュースに「産休に入ります。しばらくニュースはお休みします」と書きました。そのときに、迷惑をかけて申し訳ないということは書かないように意識していました。多様な議員がいることが当たり前だと思ってもらえたらすごくいいな、と感じていたことが根本にあります。みなさんがそのニュースを読んでくださって、「ニュースでお子さんが生まれたのを知っているよ」と声をかけていただいて、すごくうれしかったです。
市民のみなさんの思いに応える議員活動をしたい
共産党の議員だから取り上げられる声がある
田中美穂 2人目の妊娠・出産は、2期目に挑戦するにはあまり影響はありませんでした。4年前に当選が確定したときに、ここから2期目への活動をやっていかなければいけない、と思ったのを覚えています。前回、4300票以上の票をいただいて、市民のみなさんの思いに応える議員活動をこれから4年間やっていかなければならない、ということと、2期目に挑戦するときには4年間の活動が問われてくるなと考えたんです。議員になる前は教員をやっていましたので、子どもたちの通知票を学期ごとに書くんですけど、通知票を書くときには、子どもたちを評価するというより、1学期・2学期、子どもたちにどんな授業をしてきたのか、子どもたちの姿を教員の方がつかんでいるのかが問われてきます。そんな経験があるので、1期目の4年間が問われてくると思ったので、1期目の当選直後から2期目をめざそうと考えていました。
4年間やってきて、共産党だからこそ取り上げられる声があるんだな、と痛感しています。たとえば、町田市は5年連続で国民健康保険税を値上げしています。それに対して反対するのは共産党しかいないんです。生活費のなかで保険税が上がったら大変だ、という実態を突きつけることをやっているのが共産党です。市民の切実な声を届けるためにも2期目に挑戦したいと思ってきました。この共産党市議団を選挙で4人から5人にふやしたいです。
原のり子 私も東久留米市議会議員を5期18年やってから都議になったんですけれど、市議1期目のとき、2期目に出るかどうか、大丈夫かなあと考えていた自分を思いますと、田中さんはすごいなと思いました。1期目に当選してから、みなさんの1票1票の思いを大事にして、続けてがんばっていくんだという決意で取り組んでいる議員さんであることをうかがって、感動しました。こういう人を再び市議会に送りださなければ、と思います。
「共産党の議員でよかった」と思うことは?
市民のみなさんから学べることです
田中美穂 原さんは市議を5期経験され、都議は2期目ですよね。「共産党の議員でよかった」と思うことをぜひ教えていただきたいと思います。
原のり子 私の場合は、議員活動をするなかで地域のみなさんに一つひとつ教えてもらってきました。「これが大事なんだな」とか、「こんなことがあるんだな」とかを知って、取り組んできました。たとえば、障害者のみなさんのグループホームをつくっていく取り組みがあって、あるお母さんが「グループホームに自分の娘を入れるなんていうのは、子どもを捨てるようでできない」とおっしゃったんです。しかし、障害者のみなさんがグループホームで生きいき過ごしていたり、周りのお母さんたちから励まされたりして、そのお母さんはだんだんいいものみたいだと気がついて、グループホームをつくる運動に参加してくださいました。そのお母さんは、病気で亡くなられてしまったんです。本当に悲しかった。でも、みんなで運動してグループホームができ、娘さんもそこに入ることができました。
こうしたこと一つひとつに教えられるし、相談してくれたお母さんも「共産党の議員に相談したい」といって、子どもを捨てることにならないかという悩みを伝えてくれたんです。
市民の小さな声こそ政治を動かす力
それが実感できるのが共産党議員のいいところ
原のり子 田中美穂さんは、「小さな声を集めて」といっています。その「小さな声」こそ政治を動かす力だし、そこにたくさんの大事な真実があって、耳を傾けて取り組むのが日本共産党の議員だし、党支部のみなさんなんだということを実感してきました。ここが共産党議員としての喜びです。保育園民営化反対のお母さんたちの取り組みもありました。民営化されてしまった場合でも、そのお母さんたちから「一緒に考えてくれて、うれしかった」といわれたときは、本当にうれしかったです。その保育園は民営化されましたけれど、「次はみんなでストップさせて、保育園を守ろうよ」という取り組みにつながりました。学校統廃合をめぐっても、「学校を守ろうよ」という取り組みにつながっています。こういうことを実感できるのが、共産党議員としての喜びです。
田中美穂 原さんは、当事者の声をすごく大事にして取り組んでいらっしゃると感じています。当事者の方と一緒に動いたり、諦めずに取り組んだりするところが、共産党のいいところだなあと思います。私も、共産党の議員でよかったです。
市民の声を真ん中に据えて
町田市で中学校全員給食の実現へ
原のり子 市議としての喜びとか、何を大事にしているとか、この4年間でいちばん学んだこととかを聞かせてください。
田中美穂 小さな声を集めて、市民のみなさんとともに市政を大きく変えることを真ん中に据えて取り組んできました。いちばん学んだ点は、市民のみなさんの声や運動はすごく大きな力を発揮するんだなあということです。4年前に「町田の中学校でも、小学校のような温かい全員給食を実現したい」と公約に掲げ、みなさんに市議会へ送っていただきました。最初、町田市はまったくやる気がなくて…。いま町田市は、選択式のランチボックス型給食で、利用者が大変少ない状況にあります。市民のみなさんは、「3年間がまんすれば」と諦めさせられていたんだな、ということを感じていました。そうはいっても、中学校の全員給食の実現をめざして長年にわたって声を上げてこられた方もいらっしゃる。
4年前には市議会に2万3000人を超える請願署名が出されて、当時は与党の自民党も公明党も反対する状況のなかで、いっときは私自身も「できるのかな」という思いをもちました。議会では、共産党がいろんな視点から繰り返し取り上げて、市からは「また、あの質問をやるんですか」といわれながらも、中学校全員給食の必要性を訴えてきました。市民のみなさんが声をあげている姿が見えてくるなかで、他の市民のみなさんが一歩踏み出す勇気を持てるようになってきたのも大きな力だなあと思っています。
この間、町田市が実施した学校のアンケートとか、食育に関するパブリックコメントとかで、市内全域から市民のみなさんが「中学校の給食をなんとかしてほしい」という声を自由記述のところに書き込んで、「見える化」しました。諦めさせられてきたけれども、このことって声を上げていいんだ、というふうに市民が一歩前に踏み出すことで、その思いに後押しされて他の人も勇気を出してアクションをし始める。そういった力が町田市を動かして、それだけ市民が思っていることに対して背を向けることはできない、ということで2024年から中学校全員員給食が順次始まります。市民のみなさんの声はすごいと実感した4年間でした。市民のみなさんに学びながら、引き続き取り組んでいきたいと思っています。
中学校の全員給食
東久留米市も後に続きたい
原のり子 すばらしいですよね、中学校給食のスケジュールまで発表されて…。そこまでよく市民のみなさんががんばられて…。
田中美穂 そうなんです。
原のり子 田中さんがその声を届けて、粘って。町田市は、私が住む東久留米市にとっても、希望の光なんです。中学校給食を東久留米市でも実現したくて、私も市議の1期目のときに中学校給食を公約に掲げたんです。当時は民主市政だったので、その市長さんが「実現する」といって実施設計もできていました。私も議会ごとに手を変え品を変え、質問し続けました。ところが、市議会議員選挙で改選になったときに、スクールランチでもいいじゃないか、という人が当選してきました。それまでは自民党や公明党の人たちも、温かい給食を実現するということで、同意していたのですが、ひっくり返ってしまったんです。だから、スケジュールが決まっていても、最後の最後まで中学校給食を実現させるために努力しなければならないので、いちばんいい続けている田中美穂さんに当選してもらって、実現につなげてほしいと思っています。がんばってください。
田中美穂 ありがとうございます。の4年間、中学校の給食のことをすごく勉強して取り組んできました。その経験を生かして、引き続きよりよい中学校の全員給食を実現したいと思います。給食費の無償化も前に進めるような取り組みを、市民のみなさんと一緒にやっていきたいと思っています。
原のり子 がんばってください。東久留米市でも、お母さんたちが署名を集め始めています。みんなが一緒に温かい給食を食べられるようにがんばりたいと思います。以前、東久留米市で「子ども議会」が開かれたときに、子ども議員の中学生が菓子パン1個しか持ってきていない友だちの話をしてくれて、中学校給食の必要性を訴えてくれたんです。いつもそのことを思い出します。
田中美穂 町田市は43万都市です。お互いにいい影響が与えられるように、いい給食をなんとしても町田で実現させたいです。
右は池川友一都議、左は原のり子

(右から)とのむら健一市議候補、細野りゅう子市議候補、
佐々木とも子市議候補、小池晃書記局長、清原おさむ市長候補、
田中美穂市議候補、大野まこと市議候補

by hara-noriko | 2022-02-15 23:22 | 選挙 | Comments(0)