予算特別委員会質問(1)都は公立保育園をしっかり支えてほしい   

 東京都議会の予算特別委員会で質問に立ちました。3月9日です。30分ほどの質問でしたが、4つのテーマで都の姿勢を質しました。(1)公立保育園の役割と都の責任(2)よりよいパートナーシップ制度の実現(3)障害のある青年・成人の余暇支援・居場所支援の充実(4)子ども医療費無料化の多摩格差解消―です。順次、お伝えします。1回目は、「公立保育園の役割と都の責任」です。

【私のコメント】

 公立保育園の廃止をなんとか止めたい。市議のときからずっと思ってとりくんできましたし、都議になるときも、公立保育園を守り、子どもたちを守るために都政の場から働きかけたいと考えていました。これまで、決算特別委員会や代表質問でもとりくんできましたが、今回の予特でもう一歩踏み込んで質問したい、と挑戦することにしました。公立の役割は何か、法律、データ、そして何より保育園の実践や保護者の声で明らかにしていきたいと思いました。持ち時間が少ないので足りないこともたくさんありますが、都議団のチームで検討や調査をしながらつくった質問です。これを土台に、取り組みを強めていきたいと思います。

知事は「公」の役割をどう評価しているのか
まず、医療はどうか


 原のり子 自己責任を押し付ける政治ではいのちは守れない。このことがますます鮮明になっています。誰一人置き去りにしない、取り残さないために、今こそ、「公」の役割をきちんと見直し、位置付け、強化することがあらゆる分野で問われています。保育行政についてうかがっていきますが、前提になることとして、知事がさまざまな分野における「公」の役割をどう評価しているのかうかがいたいと思います。
 総務省は、公立病院は、地域における基幹的な公的医療機関として地域医療の確保のため、重要な役割を果たしていると評価しています。東京都はどのように評価していますか。

 福祉保健局長 公立病院は、都内には都立病院と10の区市町村立病院がありまして、地域において限られた医療資源を有効に活用するため、民間病院との円滑な医療連携のもと、機能分担を図りながら、民間病院では担うことが難しい医療や、地域のなかで不足している医療を担っていると認識しております。

公立学校について
とりわけ小中学校の役割・意義は?

 原のり子 では次に、公立学校についてはどうでしょうか。とりわけ、公立小中学校の意義、重要性についてどのように考えていますか。

 教育長 教育基本法によれば、国および地方公共団体は義務教育の機会を保障し、その水準を確保するため、適切な役割分担および相互の協力のもと、その実施に責任を負うとされております。また学校教育法によれば、区市町村はその区域内にある学齢児童を就学させるに必要な小中学校を設置しなければならないとされております。

公立保育園の意義・重要性について
都はどう考えているのか


 原のり子 それでは、公立保育園の意義、重要性についてはどう考えていますか。

 福祉保健局長 保育所・保育指針におきましては、保育所は入所する子どもを保育するとともに、家庭や地域のさまざまな社会資源との連携を図りながら、入所する子どもの保護者に対する支援、および地域の子育て家庭に対する支援等を行う役割を担うものとされております。公立保育所も含めまして、すべての保育所はこの指針に従っているものと考えております。

公立保育園の意義は十分に語られなかった
セーフティーネット、保育水準引き上げの役割


 原のり子 誰もが医療にかかれる。また義務教育でいえばすべての子どもが受けられる。そのために公立が果たすべき役割は大きく、そのことが答弁のなかに表れていると思います。しかし、公立保育園の役割や存在意義は十分に語られませんでした。民間の病院、私立学校、私立保育園もそれぞれ大事な役割を果たしています。しかし、そのなかで、誰一人取り残さないために、公立の存在意義がある、欠かせないのです。保育については、児童福祉法第24条で、区市町村が保育を行うことが義務付けられています。ですから、区市町村が直接保育園を設置するのは、当たり前のことです。そのなかで、セーフティーネットの役割や、地域全体の保育の水準を引き上げる役割を公立保育園が積極的に果たしてきていることをきちんと評価すべきです。

公立保育園はなぜ減っているのか
東京都は何も分析していないのか


 原のり子 そういう大事な公立保育園ですが、1992年の1018園をピークに、その後徐々に減少し、2021年4月現在では821園となっています。公立保育園は、なぜ減っていると考えていますか。

 福祉保健局長 公立保育所の設置につきましては、設置者でございます各区市町村がそれぞれ地域の実情を踏まえて判断をしているところでございます。

 原のり子 それはわかっていることです。どうして区市町村は公立保育園を減らしていく方向での判断をしているのか、そのことを東京都は何も分析していないのか、大変驚きます。

自治体への都の財政支援が少ない
公立保育園維持への障害になっている


 原のり子 公立保育園の廃止や民営化を進める理由の一つに、財政をあげている自治体も多くあります。パネルをご覧ください。お手元に資料もあります。2004年、公立保育園の運営費が2006年には施設整備費が一般財源化されました。このあたりから公立保育園の減少が顕著になっています。だんだんと坂をこう下っていく感じになっています。この国と都の保育園への補助、この中心もここから私立に対してのものになっていきます。公立にはきわめて少ないです。昨年度で見ても、保育園に対して行っている都の補助、21メニューありますが、この公立保育園が明確に対象になっているものは7つしかありません。こうした状況が公立保育園を維持することへの障害になっているのではないですか。

待機児が激増
異議申し立てや不服審査申請が


 原のり子 しかも、保育園の待機児が、グラフにありますけれども激増して、2013年には旧定義で2万人を超えて、そして都内各地で異議申し立てや不服審査申請が行われました。2016年には、「保育園落ちた日本死ね」とのブログが話題になり、深刻な状況が明らかになりました。にもかかわらず、このように公立保育園が減っていっているということがこのグラフからわかります。

東久留米市の公立保育園全園廃止計画
市民から反対の声がずっと上がっている


 原のり子 私の地元、東久留米市の公立保育園民間化計画でも、財政についてが公立保育園廃止の大きな1つの理由になっています。民営化ではなくすべての公立保育園を廃止するという計画になっています。現在、廃止の対象になっている、しんかわ保育園について、毎年募集を減らしていって、最後の1年は、年長さんだけにして、廃園にしようとしています。市民から反対の声がずっとあがっています。大事な乳幼児期に、異年齢で育ちあうことも保障されないやり方は、保育を受ける権利、保育の質にかかわる問題だからです。

都内23自治体で施設・定員を減らす計画や検討が
都の財政支援を強化すべきです


 原のり子 今回、共産党都議団で議会局調査を行ったところ、現在、区部と多摩で23自治体が公立保育園の施設数や定員を減らす計画を持っている、あるいは検討していると回答しています。保育の質やセーフティーネットの機能が後退しないのか、大変心配です。公立保育園への財政支援を都として強化すべきであると指摘をしたいと思います。

公立保育園が果たしている大きな役割
医療的ケアや障害児の受け入れ


 原のり子 こうしたなかにおいても、公立保育園は、大きな役割を果たしてきています。都内の認可保育園における医療的ケア児、障害児の受け入れ人数は、公立、私立、それぞれ何人でしょうか。

 福祉保健局長 まずあの、保育サービスにつきましては、保育の実施主体である区市町村が、公立のみならず公立、私立の保育所、認可保育所、認証保育所、認定こども園、小規模保育、家庭的●保育など、地域のさまざまな保育資源を活用して、実施しているものと承知しております。そのうえで、都内の認可保育所の、令和2年度(2020年度)におきます医療的ケア児の受け入れ人数でございますが、中核市の八王子市を除きますと、公立は52人、私立は13人です。また、障害児の受け入れ人数でございますが、同様に中核市の八王子市を除きまして、公立は2756人、私立は3712人でございます。

圧倒的に公立保育園が担っている
歴史が長く、高いスキルがある


 原のり子 私はいま、人数を聞いたわけですね。でもそれとは関係ないことをこの場で話をされるというのは大変失礼だと思いますよ。きちんと質問に対して答えてください。医療的ケア児は圧倒的に公立です。今のご答弁にありました。これは、補助が公立にも出されていることが大きいです。ある自治体にうかがったところ、特にケアが必要な子どもについては、「公」が責任をもってやる必要があると話していました。また、障害児の受け入れは、人数は今答弁にあった通り、私立のほうが多いのですが、保育園の数は私立が公立の3倍あります。それに照らした比率をみると、圧倒的に公立が多いのです。多くの公立保育園は長い歴史を持っています。そのなかで、障害児保育の実践を積み重ね、高いスキルを持っている保育園がたくさんあるのです。

都内保育士の平均勤続年数は5.4年
離職率は公営が非常に低い


 原のり子 さらにうかがいます。都内の保育士の平均勤続年数は何年でしょうか。合わせて、都内の認可保育園の離職率は公営、私営でどのようになっているのか、これも数字をきちんと答えてください。

 福祉保健局長 令和2年度(2020年度)におきます都内保育士の平均勤続年数は、賃金構造基本統計調査によりますと、5.4年となっております。また令和元年(2019年)10月の都内保育所および保育所型認定こども園の常勤保育士数と令和元年10月から令和2年9月までの1年間の退職者数にもとづいて離職率というのを算出してみますと、公営は3.4%、私営は11.1%となっております。

議会局調査では公立の勤続年数は約19年
公立には経験のある職員がそろっている


 原のり子 離職率は、公設・公営園は非常に低いということがわかります。また、私営の保育園はその3倍強です。また勤続年数は、都内の保育士さんの平均が5.4年と短いですが、賃金が低すぎるなどの理由から、働き続けられないということの現れではないかと思います。一方、公立保育園ではどうか。これは、私たちが行った議会局調査ですが、この議会局調査では、約19年ということになります。安定して働き続けることができる、そのなかでスキルを磨くことができるのです。私立保育園でも、働き続けられるための賃金の引き上げ、労働条件の改善が必要です。しかし、同時に、現に、経験のある職員がそろっていて、重要な役割を果たしている公立保育園をなくしてしまうのは、地域にとって大きな損失です。

公立保育園は地域の子育て支援をやっている
これへの支援をいっそう強めてほしい


 原のり子 こうした公立保育園は、園児に対する保育だけではなく、地域の子育て支援を多くのところで実施をしています。そもそも、保育園による地域の子育て支援については、児童福祉法ならびに保育所・保育指針で位置づけられています。大事なのは、その際。保育所保育の専門性を生かした子育て支援と規定しているてんです。先ほど、公立保育園の保育士の勤続年数の長さ、離職率の低さも指摘しましたが、そういうなかで培われた専門性を発揮できるのです。そこでおうかがいしますが、都内の認可保育園が実施をしている地域の子育て支援のとりくみ状況を把握していますか。

 福祉保健局長 都は保育サービス推進事業によりまして、地域の子育て家庭を対象とした保育所等の取り組みを独自に支援しておりまして、令和2年度(2020年度)は育児不安軽減のための保育所体験を854カ所、出産を迎える親の体験学習を486カ所の認可保育所が実施しております。

 原のり子 今ご答弁いただいた2つの事業は大変大事です。が、地域の子育て支援の一部に過ぎないうえ、公立保育園は対象になっていません。私の地元、清瀬市・東久留米市では、公立保育園を含め、保育園による地域活動事業を実施しています。東久留米の公立保育園に、幼稚園入園前のお子さんとお弁当をもって毎日通っていたお母さんは、「近くに遊び場がなく、朝から夕方まで遊んでいいですよというのがすごくありがたかった。子どものかんしゃくとか、人見知りとか、全部笑顔で受け入れてくれるようで、温かいんですよね。寄り添い方のすばらしさが年間のべ4000人もの利用者がいた大きな理由じゃないかな」と話していました。残念ながら現在、この保育園は廃止され、民営化で場所も変わってしまいましたが、専門性を生かしての保育園での子育て支援がいかに大事か、実感します。こういう保育園が地域に存在し続けることが、どれだけ地域の親子を支えるでしょうか。地域活動事業への支援をいっそう強めることを求めます。

子ども家庭支援区市町村包括補助事業
対象に保育園の地域活動事業を加えてほしい


 原のり子 このとりくみは、子ども家庭支援区市町村包括補助事業を活用しています。この包括補助事業を活用して、保育園による子育て支援など、地域活動事業を実施している区市町村数はどのぐらいありますか。

 福祉保健局長 令和2年度(2020年度)は15自治体が子ども家庭支援区市町村包括補助事業を活用し、保育所による地域の子育て支援を実施しております。

 原のり子 15自治体が活用しているということです。これは今、包括補助事業のなかのその他事業で実施をされていますが、ぜひこの保育園による地域活動事業を項目として起こして実施をしていくことを提案をしたいと思います。

子ども家庭支援センターや児童相談所との連携
困難を抱えた家庭を支えるためにも支援の強化を


 原のり子 さらに、保育園では、こうしたとりくみもしながら、困難を抱えた子どもたち、家庭を支えています。特に、子ども家庭支援センターや児童相談所との連携のなかで、そうしたとりくみをしています。今大切なのは、児童相談所、子ども家庭支援センターと保育園などが連携して、子ども、そして困難を抱えた家庭を支えていく、セーフティーネットの役割を強化することだと思います。どのように進めていくのか、知事にうかがいます。

 小池知事 保育所等は必要に応じまして、要保護児童対策地域協議会に参画するなど、児童相談所や子ども家庭支援センターと連携をいたしております。都は引き続き社会全体で子どもと子育て家庭を支え、安心して暮らせる環境を整備してまいります。

 原のり子 都としては、児童相談所も強化をしていく、あるいは増やしていくということについても打ち出しています。大事な動きだと思っています。同時に、一方で、地域の大事な受け皿である保育園の強化は欠かせません。ぜひとも、この機に、今ある保育園をしっかり位置付けて、セーフティーネットの強化を進める、公立保育園への支援も強化をすることを強く求めて次の質問に移りたいと思います。

【予算特別委員会での質問】
(1)都は公立保育園をしっかり支えてほしい
(2)パートナーシップ制度、よりよいものに
(3)障害者の余暇支援・居場所支援の充実を
(4)子ども医療費無料化の多摩格差解消

都議会予算特別委員会で都の姿勢を質しました
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ツクシ
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by hara-noriko | 2022-03-18 22:53 | 都議会 | Comments(0)

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