総務委員会質問(4)障害者の都職員採用試験について   

 2022年都議会第1会定例会(予算議会)。総務委員会が3月14日から17日までの4日間、開かれました。私は人事委員会、政策企画局、デジタルサービス局、総務局の予算にかかわって質問しました。その内容を順次、お知らせしています。第4回は、障害者の都職員採用試験について人事委員会に質問(3月14日)した内容です。

【私のコメント】

 都議になって以来、障害者の都職員採用試験の充実・改善について質問しています。合理的配慮については、コロナ禍のもとで、より求められています。今回は、コロナに感染したとき、あるいは濃厚接触者になったときに、試験日を変更するなどの配慮を求めました。総務省から通知も出されており、工夫して実施すべきです。引き続きとりくみます。

障害者を対象にした都職員採用試験
コロナ禍 合理的配慮が求められている

 原のり子 東京都職員採用試験選考における合理的配慮の資料を出していただきました。これまで事務事業質疑等でもうかがってきていますけれども、障害者Ⅲ類採用選考以外でも必要な合理的配慮は行っているということです。
 いちばん下の欄に、その他必要な配慮事項の申し出がある場合は、個別に調整の上、対応というふうにあって、耳栓の使用や説明事項のフリップの提示、またマスク未着用の場合の別室受験などの対応がされてきたということが書かれています。大変大事なことだと思います。

実施している合理的配慮はどんなものか
マスクを着用できない人は別室で受験できるなど

 原のり子 改めて配慮が必要な場合は、遠慮なく申し出て、相談することを周知していただきたいと要望しておきます。そこでうかがいたいのですが、長引くコロナの下、引き続きコロナ禍での合理的配慮が求められていると思います。実施している合理的配慮はどのようなものがあるか、改めてうかがいます。

 人事委員会試験部長 受験者には、受験時にマスクの着用をお願いしているところでございますが、筆記試験における合理的配慮として、今、原委員もご指摘のございましたように障害等によりマスクを着用できない受験者に対し、別室で受験できるようにいたしました。また、面接では、聴覚障害をもった受験者への合理的配慮としまして、面接員が透明な口元の見えるマスクを着用いたしました。

 原のり子 マスクを長時間着用できない方、あるいは着用自体が難しいという方も現に多くいらっしゃいます。その別室受験が認められたということはとても重要だと思いますが、どのぐらい例があるか、うかがいます。

 試験部長 別室での受験を行いましたのは、令和2年度(2020年度)障害者Ⅲ類採用選考における3名でございました。

試験日に感染するなどで試験を受けられないことも
別の日に試験を受けられるなどの対策は取れないのか


 原のり子 実際に3名対応されたということで、重要だと思います。しかし、試験日にコロナに感染してしまった、あるいは濃厚接触者になった場合は、試験を受けられないということは大変気の毒だと思っています。どんなに気をつけていても、コロナには感染する場合もあって、何度も濃厚接触者になる場合もあります。
 2020年3月に、総務省は全国の自治体に対し、「地方公共団体の職員採用における新型コロナウイルス感染症への対応について」と題する通知を出しています。この通知には、「受験者が感染した場合又は感染が疑われる場合等における受験者の就職機会の確保を図る観点から、各地方公共団体の実情に応じ、…配慮をいただくようお願いします」というふうに書かれていて、具体的に3つのことを記しています。
 その1つ目が試験日程の配慮、2つ目に受験会場の衛生管理体制の構築、3つ目に受験者等に対する情報提供等―というふうになっています。
 このいちばん最初に「試験日程の配慮」というのが書かれていて、その中には受験者が感染者や濃厚接触者となった場合等の受験困難者に対する再試験の検討等、柔軟な試験日程の配慮などを要請しています。感染等により受験できなかった方が別の日に試験を受けられるなどの対策は取れないのか、うかがいます。

 試験部長 今、お話のございました総務省の通知は承知しておりまして、ご紹介にもありましたように、その通知にございます試験会場の衛生管理体制の構築などには、万全な対策を講じてまいりました。
 感染等により受験できなかった人の再試験につきましては、都はさまざまな採用試験選考の筆記試験や面接を実施しておりまして、そうした試験日程等を考慮しますと、別日を設けて試験を行うことは極めて困難な状況にございます。

筆記試験や面接試験
コロナで受けられなかった人への配慮を工夫してほしい


 原のり子 通知は承知しているということですけれども、再試験は極めて困難だということでした。ただ、私は改めて工夫できないかと検討を求めたいと思います。
 たとえば、筆記試験は受けたけれども、面接のときに感染してしまっている、あるいは濃厚接触者で受けられない、そういう場合の配慮など考えられないでしようか。
 障害者Ⅲ類採用選考でいえば、9月11日が筆記試験で、10月12日から14日の間に面接試験というふうになっています。筆記試験は通ったけれども、面接のときに感染などで受けられないということが起こると、本当に残念だと思います。しかも試験は年齢の制限もありますから、その年が最後のチャンスという場合もあります。
 これは今日は要望にとどめますけれども、ぜひ検討を改めてしていただきたいということを求めておきたいと思います。

障害者が力を発揮しやすいように
合理的配慮をおこない、社会的理解を広げてほしい


 原のり子 最後に、障害者Ⅲ類採用選考の面接についてうかがいたいと思います。
今年度からグループ討論を面接に変更したということが前回の質疑で分かりました。2回面接を行うということになっていますが、なぜ2回なのか、内容はどういうことか、うかがいます。

 試験部長 面接を同じ日に2回行うことにした理由は、受験者一人ひとりの能力、適性等について、より適切な評価が可能となるようにするためでございます。面接は、志望動機や障害に関することなどについて、受験者が記入をしました面接シートを面接員が参考にしながら行っております。

 原のり子 志望動機や障害に関することなども丁寧に聞き取っていくということは大変重要だと思います。引き続き、障害者が力を発揮しやすいように合理的配慮を行っていくこと、また同時に、そのことの社会的な理解を広げていくことの大事さを指摘いたしまして、私の質疑を終わります。

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by hara-noriko | 2022-04-09 22:12 | 都議会 | Comments(0)

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