共産党がジェンダー平等学習会
2022年 04月 17日
ジェンダー平等に本気で取り組む政治の実現を
坂井希さんがわかりやすく語る
冒頭、ロシアのウクライナ侵略を取り上げ、憲法9条を生かした平和外交の大切さを語りました。そのなかで、ウクライナに妊婦さんがたくさん戦火のなかにいることを具体的に話され、聞き入ってしまいました。そして、武力と暴力で人々を支配する考え方と、ジェンダー平等は相いれない、と強調され本当にそうだ、と思いました。
また、女性差別の根深さについて、明治の時期に強化された差別の構造と、財界主導でつくられた新しい差別の構造があることを指摘。意識を変えていくことももちろん大事だが、「ジェンダーを利用して差別や分断を持ち込み、人民を支配・抑圧する政治を変えるたたかい」でもあると強調されたことは、本当に重要だと思いました。
時田良枝さん、佐藤良太さん、穴見麗奈さん
それぞれの体験と思いを語る
東久留米市男女平等推進センター運営協議会委員の時田良枝さんは、センターにかかわるようになって、自分を責めなくていいんだと気づき、視野が広がったことを発言。
「清瀬市LGBTqコミュニティ いろは」の佐藤良太さんは、LGBTq当事者として活動しているのは、特別扱いしてほしいのではなく、あたりまえにしていきたいだけだと発言。
動画のメッセージを寄せた障害者福祉施設職員の穴見麗奈さんは、ケアワーカーの専門性に見合った、そして男女の格差のない賃金を、と発言。
3人の方の発言が本当にすばらしく、学習会を豊かにしてくれました。
今の憲法で同性婚は認められるのか?
会場から質問や意見が
その後、会場からの質問や意見も交流。そのなかで、今の憲法のままで同性婚は認められるか?という質問も。坂井さんから、憲法24条では、両性のみの合意にもとづいて、となっている、これは、当事者同士の合意のみで結婚できるということ、憲法改正はしないで認められる…との話があったのも大事でした。
また、共産党も女性党首を考えることも大事では、という意見も出て交流。司会の宮本さんが、「女性党首の社民党の青木ゆうすけ市議も参加してくださっています」と紹介し、発言していただきました!
宮本徹衆院議員が司会
私も発言
学習会は、宮本徹衆院議員事務所、尾崎あや子都議事務所、原のり子都議事務所の3者が共同で主催しました。そして、オンラインのセッティングをはじめ、運営の中心は北多摩北部地域の市議のみなさん! 本当に頼もしいです。
学習会でおこなった私の発言を紹介します。
今東京都で起きていること
みなさんこんにちは。紹介していただきました都議会議員の原のり子です。よろしくお願いします。
今、坂井さんがわかりやすく話をしてくださって、本当に勉強になったし、これを力にしていきたいなと思いました。私の方からは、東京都で今どんな動きがあるか、ということをお話ししたいと思います。
パートナーシップ制度
大きくは2つなんですが、1つ目はパートナーシップ制度についてです。
坂井さんのお話にもパートナーシップのことが出てきました。東京都はようやく、パートナーシップ制度を今年の秋から実施していこうという動きになりました。お手元に「東京都パートナーシップ宣誓制度素案」というホチキス止め2枚組みの資料があると思いますので、それをご覧になって聞いていただければと思います。
人権尊重条例が土台に
このパートナーシップ制度ですけれども、東京都の場合は人権尊重条例というのをすでに制定していまして、それに基づいて実施していくということになります。この人権尊重条例は、オリンピック2020大会の前に知事が提案して、人権を大事にする都市だということをアピールしたいという目的もあって出してきたものだったんですね。それで私たち、これをどうするかという議論を相当やったんです。提案されてきた条例案の中心的なところは、性自認および性的指向を理由とする不当な差別の解消、また啓発、これが1つの柱になっていた。ヘイトスピーチをなくしていこうということも柱になっていた。この2つの大きな柱のなかで立てられたものになっていましたので、共産党都議団としては、提案された条例案を議論して、より良いものにしていこうという立場で臨みました。
憲法に基づくことを明記
最初は、「オリンピック憲章に基づく」ということだけが強調されていましたが、オリンピック憲章もちろん大事なんですけれども、私たちは、憲法に基づくということをちゃんと明記すべきだということで、相当議論して明記されるとか、そういうような改善もしながら、人権尊重条例が成立しました。
自民党などが反対
条例案に反対したのは自民党です。また、以前は都民ファーストにいて、今は維新の会の国会議員になった人も退席しました。しかし、多数の賛成で条例は成立しました。ですので本当は、人権条例が成立したときにパートナーシップ制度もすぐにでもやれるという内容だったんですね。ところが、残念ながら小池知事にやる気がなくてですね、ほとんどパートナーシップについては前向きな答弁は一切しないという状態が続きました。
全会一致で請願を趣旨採択
でも、この人権尊重条例では、先ほど坂井さんのお話にあったようにSOGIを位置付けましたので、セクシュアルマイノリティーの人たちだけのことじゃなくて、みんなのための条例なんだということを議論しながら進めました。そういうなかで、昨年の6月、セクシュアルマイノリティーの方たちが出してくださったパートナーシップ制度の実現を求める請願が、全会一致で趣旨採択になりました。私たち共産党都議団は採択する立場だったんですけれども、自民党も反対せず趣旨採択の立場を取りました。もうここは全体で一致して前に進めようという議論になって、趣旨採択になりました。
都議選の結果が動きをつくる
それで、そこから大きく変わってきました。ただ自民党は、趣旨採択にはするけれども、パートナーシップ制度の実施は慎重にすべきという意見をつけていたので、これは都議選(昨年7月)できちんと争点にして議論をしてかないと前に進まないという状況だったわけです。そして、都議選後の議会でどうなったかといいますと、今いったように、今年の秋には実施していこうという方向になりました。今都議会は、突出してどこかの党がものすごく多い人数とかというふうになってませんで、けっこう横並びなんですね。自民党、都民ファースト、公明党、共産党、立憲民主党ということで。そういうなかで、パートナーシップ制度進めようという人たちが多くなってきたこともあって、動きました。
知事に宣誓する必要があるのか
パートナーシップ制度はどういう内容かといいますと、「パートナーシップ宣誓制度素案」書いてあるんですが、パートナーの方がきちんと生活上の不便なども軽減されるようにしようということや、都民の理解も促進しようということなんですけれども、「制度の基本的な考え方」というところに書いてありますが、「知事に対して、パートナー関係にあることを宣誓し…」というふうになってるんですね。これについては、私たちや、立憲民主党の方がたもそうなんですけれども、知事に対して宣誓するという必要があるのかという議論をしています。異性婚の場合でも別に宣誓する必要はなくて、役所に届けたいという方の場合は、届けを書いて出せば認められるわけです。
子どもの権利をきちんと認める
それから、当事者に子どもがいる場合どうするかというので、「子どもの名前を補記することができる」と書いてあるんですね。これは、私たち今徹底的に議論していまして、子どもはおまけじゃないよということをいっています。東京都は、子どもも含めたファミリーシップ制度をやるというところにまではまだなってないんですね。私たちはファミリーシップ制度の実現も求めていまして、子どもたちの権利もちゃんと認めていこう、子どもの存在をちゃんと認めていこう、ということをいっています。この「補記する」っていう言葉はよくない、子どもはおまけじゃありません、ということを今議論しています。
当事者の苦悩を受け止めて
当事者の方々に聞くと、こういう方がいらっしゃいました。レズビアンのカップルなんですけれども、それぞれが以前に結婚していて、双方に子どもがいて、パートナーになりました。1人の子が骨折をして、大変な状態になったときに病院に行って、こういう言葉はちょっと適切じゃないんですけれども、実の親ではないパートナーの方が子どもを連れて行きました。そうしたら、実の親が来るまでは手術できません、といわれた。私はこれにショックを受けまして、そういう命がかかっているようなことも起きているんだというのを知りました。そういう聞き取りもしながら、やっぱりこれはちゃんとファミリーで認めていく、子どもの権利を認めていくという方向でスタートさせようという議論をやっている最中です。
オンラインでの届出だけでいいのか
手続きの仕方なんですけれども、「手続きの流れ」という項目を見ると、「原則、オンラインで必要書類等を届出」となっています。その理由について都は、「アウティング(秘密の暴露)を避けるため」といっています。
今の日本の状況は、セクシュアルマイノリティーカップルの人への理解が本当に低いんですよね。それで、勝手にあの人はゲイだとか、あのカップルはどうだとか、そういうことをいわれて、そのことが生活や仕事に支障が出るというようなことがたくさんあって、だから2人の意思があれば、オンラインで書類が出せるようにする、そして証明もオンラインで受け取れるようにする、という仕組みにしてるんですね。
直接、申請できるように
小池知事はこれをいちばん自慢にしてるんですね。すべてオンラインというのは全国初です、といっています。私は、オンラインでやる人はやる人でまったくいいと思いますし、必要だと思うんですが、同時に、この同性パートナーの方たちのそのパートナーシップを認めるということは当たり前のことであり、みんなで祝福できるものなんだということをちゃんとやってかないといけないと思うんですね。足立区役所などでは、カップルの人たちが届出をすると、その場で写真とかを撮ってくれるような、そういうスペースもあって、職員もおめでとうとお祝いする、そういう状況をつくっているようなところもあります。やっぱり祝福されるべきことなんだよということをほんとに明らかにしていくために、オンラインでもできるし、パートナーが望めば直接、役所にも申請できる。多様な生き方を認める制度なんだから、多様なやり方をすべきなんじゃないかとか、そういうことも含めて議論をしているところです。
みんなが多様に生きられる社会こそ
今後のスケジュールとしては今年の秋にスタートできるだろうということで進めています。ただ、まだまだこのあと議論をして、壁を取り払っていかなければならないので、みなさんと一緒に進めていきたいというふうに思います。何よりも、本当にセクシュアルマイノリティーの運動をしていらっしゃる方々は、佐藤良太さんもきょう来られてますけれども、自分たちの権利を守ってほしいというだけじゃないんだと、みんなが多様に生きられる社会つくりたいんだという思いで、当事者の方々が動かれていることが、ここまで事態を動かしてきました。もうあと一歩ですので、力を合わせたいと思います。そして、先ほど坂井さんのお話にあったように、同性婚へと進んでいけるような、そういう議論をしていきたいと思います。
痴漢は性犯罪
最後になりますけれども、男女平等推進計画が東京都にあります。改定の時期になりまして、先ほどお話にあった痴漢対策が初めてここに盛り込まれました。痴漢は性犯罪なんだっていうことをちゃんと認めていく、と。そして、痴漢や盗撮について、私たちもこの間議論してきましたが、都営地下鉄に女性専用車両もつくっていこうという方向にようやくなってきたんですね。こういう議論をほかの党もいろいろ質問のなかでも取り上げるという状況にまでなってきましたので、本当に一致点を大事にして、痴漢をはじめ性暴力・性犯罪を許さないというとりくみをさらに進めていきたいと思います。
by hara-noriko | 2022-04-17 10:20 | 活動日誌 | Comments(0)