都立病院・公社病院の独法化 立ち止まろう   

14ある都立病院・公社病院
都は7月から独立行政法人化を計画

 コロナ禍のもと、私たちが痛感してきたことがあります。それは、入院が必要になった場合に医療提供体制を後退させるわけにはいかない、ということです。ところが東京都は、7月から14ある都立病院・公社病院をすべて独立行政法人にしようとしています。清瀬・東久留米の近くでいえば、公社が運営する多摩北部医療センター(東村山市青葉町)もその対象になっています。

コロナの病床確保で大きな役割
行政的医療を位置づけているから


 全国2000以上ある病院のうち、コロナ病状を確保している病院のトップ11が都立病院・公社病院です。多摩北部医療センターもそのトップ11に入っています。なぜこういうことができるのか。それは東京都が、都立病院は行政的医療をやることを位置付けているからです。同時に、公社病院についても、都立病院に準じて行うということが位置付けられていいます。だから都知事が、「コロナが大変だから病床を確保してください」といえば、それに対して病院はすぐに動くことができるわけです。

独法化の目的は都の財政支出を減らすこと
不採算な分野が守られる保証がなくなる

 ところが、独立行政法人化の目的は、都の財政支出を減らしていきたいということですから、コロナ対策のように不採算な分野にこれまで通りお金がちゃんと出されるのか、体制はとられるのか、まったく保証がありません。私は、少なくともいま、コロナのなかで出口が見えないなかで、病院のあり方を変えることにストップをかけなければならないと思っています。この地域では障害者団体のみなさんからも声があがっています。多摩北部医療センターや、都立松沢病院があることによって、障害者がコロナに感染をしたときも、受け止めてもらってきた、これは自分たちの安心の保障であり、最後の命のとりでなんだ、と訴えていました。都立病院・公社病院の独法化は、ここで一度立ち止まるように私たちはいま、強く求めています。

コロナ禍で病院のあり方を変えていいのか
共産党 各会派に「立ち止まって考えよう」と訴え

 きょう、お配りしていますビラにも、この1面の大見出しに「立ち止まれ」というふうに書いています。都議会で小池知事と一緒に都立病院・公社病院の独法化をすすめているのは、自民党、公明党、都民ファースト、維新の会の方々ですけれども、でもその方々に共産党都議団は、コロナ禍で病院のあり方を変えるべきではないのではないか、と訴えています。コロナ危機をちゃんと乗り越えるためにも、立場の違いを超えて病院を守ろう、この声を大きく広げていきたいと思います。

独法化で何もかわらない
都のいい分は総崩れに

 みなさん、都議会の論戦のなかでさまざまなことが明らかになりました。ビラを開いていただきますと、知事が独法化を急ぐいい分は総崩れという状況になっています。なかでも、「都立病院・公社病院を独法化してもなにも変わりません。いままで通りやります」と説明していましたが、だったら変える必要がないわけですが、この独法化をしたらどうなるかということで、いろいろ議論がありました。そして、病院を再編する・統合することがありうる、ということが議論のなかでわかってきました。

都立小児病院廃止
難病や障害児がどれほど大変だったか

 清瀬・東久留米の地域には、都立清瀬小児病院がありました。この小児病院は、石原都政の時に、市民の大変な反対を押し切って廃止されてしまいました。府中にある小児総合医療センターに統合されてしまったのです。そのために、どれだけ難病や障害のある子どもたちが大変だったか。私もいまでも思い出します。

受け皿になったのが多摩北部医療センター
独法化で医療を後退させてはなりません


 清瀬小児病院が廃止されたあと、小児科の1つの受け皿になったのが多摩北部医療センターでした。多摩北部医療センターでは、小児救急も実施することになり、地域の医師会の先生方も、平日、準夜間の救急などで協力する体制も取られてきました。喘息(ぜんそく)のお子さんもたくさんいるということで、呼吸器疾患の外来もつくられたりしました。専門外来もできる限り要望に応えて増やすこともやりながら、多摩北部医療センター運営がされてきましたが、今回、14病院を独立行政法人化するなかで、これらの病院を再編する、統合する、廃止をする、こういう可能性もあるということが、この議会の議論のなかで明らかになりました。とんでもないことではないでしょうか。

地域の大事な病院を守っていく
そのために声をあげていきましょう


 石原都政時代に、都立病院は大きく減らされました。そういうなかでさらに、都立病院・公社病院のあり方を変えていく、ゆくゆくは再編統合もありうるかもしれない、こんな状況をつくりだすわけにはいかないと思っています。ぜひみなさん、地域の大事な病院を守っていく、この声をご一緒にあげていきましょう。
 都立・公社病院という公的な病院を守ることが、民間の病院を支えることにもなります。私たちは、そうした立場で、この地域の医療機関、医療体制を守っていくために力を合わせていきたいと思います。

都政報告のビラをもって訴えています
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多摩北部医療センターの庭に咲くギンラン
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by hara-noriko | 2022-04-27 23:11 | 東京都政 | Comments(0)

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