昨年夏の都議選以降、都政にどんな変化が生まれているか
2022年 05月 30日
清瀬市・東久留米市で
5月29日、清瀬と東久留米の両市のみなさんを対象に都政報告懇談会を開催しました。メインの会場を東久留米市に置き、ZOOMを使って多くの方にご視聴いただきました。私は都政報告の冒頭で、昨年7月の都議選以降、都議会にどんな変化があったのか、についてお話しました。その部分を紹介します。
清瀬・東久留米の市議団が中心にセッティング
北多摩4区規模の報告会は初めて
お忙しいなか、ご参加いただきありがとうございます。いま、永田さん(永田まさ子・共産党東久留米市議団長)からお話にあった通り、清瀬市と東久留米市の市議団のみなさんが中心になっていただいて、都政報告懇談会のセッティングをしてもらいました。初めての試みです。
私の選挙区である北多摩4区は、清瀬と東久留米で1つですので、今回のような機会を通じて、それぞれ地域でいろんな課題あると思いますけれども、交流できたらいいなというふうに思っています。
昨年7月の都議選で2期目の当選
総務委員、コロナ対策特別委員、保健医療公社評議員
振り返りますと、東久留米の市議会議員を5期18年間やって、そのあと2017年、都議会議員になりました。2021年の都議選で2期目の当選をさせていただきました。
この2期目のときには、ちょうどオリンピック・パラリンピック問題がありました。コロナが大変な感染の状況になっている状況のもとで、みなさんの命を守る、そういう都政にしなければいけない、ということがいちばん大きな課題でした。それで、「ゆずれない、いのち・くらし・人権」をスローガンにして取り組みました。この地域の市民のみなさんのねばり強い運動があって、私を押し上げてくださいました。本当にありがとうございます。都議2期目に当選してから間もなく1年になるんですけれども、現在も引き続き総務委員会の委員をしています。それから、コロナ対策特別委員会の委員や保健医療公社の評議員を務めています。
いま都議会の構成は
会派の力関係が拮抗
いま都議会の構成はどうなっているか、ということなんですけれども、ずば抜けて多い会派があるという状況にはなってないんですね。自民党が第1党ですけれども33人、都民ファーストが31人、公明党が23人、共産党が19人、立憲民主が15人、あとは1人会派ということになっています。現在126人、欠員は1人です。この欠員は板橋区選出の都議が無免許運転で辞めたわけです。
ですから、会派の力関係が非常に拮抗してきたというのが今回の特徴です。私の1期目のときは、都民ファーストが圧勝して50議席をもっていましたから、そういう状況ではなくなったんですね。共産党も議席を1人伸ばして19人ということになりました。
コロナ対策の特別委員会を設置できた
共産党の主張が実現しました
それで都議選後、どういう変化があるかっていうことですけれども、まず大きかったのが、コロナ対策の特別委員会を設置できたということです。
コロナの感染が広がるなか、共産党都議団は動議を何度も出して、「特別委員会をつくるべきだ」といってきましたけれども、昨年の都議選のあと、設置されました。
手話言語条例の制定へ
超党派のワーキングチームで議論
6月1日から都議会第2回定例会(6月議会)が始まります。手話言語条例が提案できる予定になっています。耳の聞こえない方にとっては、手話は大事な言語です。もちろん手話を使わない聴覚障害の方もいるので、その方々の言語もきちんと保障していこうということも検討されています。
超党派のワーキングチームで、手話言語条例を制定するということになって、議論を積み重ねてきて、手話言語条例が制定できる見込みになりました。それぞれ立場が違う、考えの違う人たちが集まっている議会ですけれども、このようなことになってきたというのは、本当に大きかったなと思います。よりよい手話言語条例にしよう、ということでいま取り組んでいるところです。
都立病院・公社病院の独立行政法人化
野党は一致して「コロナ禍のもとで強行するな」
それから、都立病院・公社病院の独立行政法人化(独法化)についても、野党は一致して「コロナ禍のもとで強行するな」ということで主張してきています。野党というのは、共産党、立憲民主、生活者ネット、グリーンな東京、自由を守る会です。自由を守る会以外は、さまざまな選挙でも共闘してきている人たちです。この人数がやっぱり前期と比べて増えたことが非常に大きな力になっていまして、野党は一致して、「コロナ禍のもとで独法化は強行するな」ということでやってきています。
パートナーシップ制度 11月実施へ
市民の声と野党が増えたことが大きな力に
それから、パートナーシップ制度実施へ大きく動き出しています。今年の11月1日には実施する、という予定になりました。
同性婚は日本にありませんので、パートナーシップ制度を実現しようという取り組みが全国に広がっていますけれども、昨年の都議選で野党が増えたってことが大きな力になっています。都議選直前の昨年の6月、パートナーシップ制度の実現を求める請願が全会一致で趣旨採択になりました。自民党も反対しなかったんだけれども、制度の実施は慎重にしたいというふうにいっていたんです。ですから、都議選の結果によっては、遅れる危険もあるということで、私自身も選挙で「パートナーシップ制度はただちにやります」ということを公約に掲げて取り組みました。選挙の結果を受けて、パートナーシップ制度は前に進みました。
こども基本条例
子どもの意見表明権をきちんと保障しよう、と
こども基本条例が昨年の第1回定例会(3月議会)で成立しました。議員提案で出され、全会派で修正をかけて一致して成立をさせています。これは、子どもの権利条約に基づく条例です。共産党としても、3年後に子どもとともに見直しをするなど、大事な項目を盛り込むことができました。
ここでは、とくに子どもの意見表明権をきちんと保障しようということになったんですね。子どもの意見を聞いてさまざまな施策をすすめなければいけない、ということが位置づいた。これも本当に画期的です。誰も反対者が出ませんでした。
区市町村の「子ども議会」 都が全額補助することに
校則を変える取り組みを大きく後押し
さらに、こども基本条例をつくったことによって、例えば今年度から、区市町村が「子ども議会」をやろうと思ったら、そこに東京都が全額補助するという仕組みもつくられるようになりました。学校の理不尽な校則についても、髪形を規制したりですね、黒染めをされたり、ツーブロックはダメだよというようなことや、ひどいところでは下着の色まで指定をするなどという、そういうようなことまであって、大きな議論になりました。こども基本条例が制定されたあと、やっぱりその校則についても、都教委が校則などの自己点検と見直しを通知しました。こども基本条例が、校則を変えていくという高校生などの取り組みを大きく後押しすることになりました。それからパートナーシップ制度のなかでも、こどもの基本条例に基づいて、LGBTqのファミリーの子どもたちの人権を守っていくということもいま大きな議論になっています。
来年度から18歳まで子どもの医療費無料化
共産党都議団の条例提案は否決されたけれど
子どもの医療費無料化もここで大きく進むことになりました。
18歳までの子どもの医療費助成をしようということで、小池知事が打ち出したんですけれども、実はこれは、私たち共産党都議団がその前の議会で条例提案をしています。このときは他の会派で賛成するところが非常に少なくて、通らなかったんですね。ですけれども、子どもの医療費助成を東京都としても提案するという状況になりました。これは来年度から実施をするということになっています。
子ども医療費無料化で多摩格差が
ここを解決しないと格差が拡大する
ただですね、これは清瀬市や東久留米市の共産党市議団も繰り返し取り上げているんですが、現時点でも多摩格差がものすごく大きい分野なんですね。23区は中学生まで子どもの医療費は完全無料化されています。それは、東京都が助成する部分は少なくても、23区には財政力があるのでカバーしているわけですね。ところが多摩地域になると、なかなかそういうふうにはなっていないんです。
この問題を解決する立場に立たないと、いくら助成を18歳まで伸ばしましたっといっても、いまある格差が解消されないままになるから、もっと格差が拡大しますよということを私たちは提起をして議論しています。福祉保健局長が議会答弁で「実施にあたっての具体的な課題も含め調整することとしている」というふうにいいましたので、「きちんと調整するように」と求めています。
区長会からも市長会からも声が
どの地域にいても同じサービスが受けられるように
そういうなかで、23区の区長会からも、ものすごく反発の声があるんですね。18歳まで拡大するんであれば、東京都がちゃんと財政面は見てほしい、と区長会からも声が出ていて、大問題になっています。またもちろん市長会では、多摩の場合だったら、1階建ての1階の部分がまだちゃんとしてないのに、そこに2階を乗せようといっても無理がある、そういう意見が市長会のなかからも出ている状況になっています。
ですので、私たちは、これも議論を深めて、どこの地域に住んでいても、都内の子どもたちは同じようにちゃんとサービスを受けられるようにしていきたいと思っています。でも、この18歳まで子どもの医療費助成をしようという動きになったというのも、やっぱり都議選の結果なんですね。そういうことをここではいいたいと思います。
共産党都議団として意識していること
与党も含めて一致点を見出していく
共産党都議団として意識していることは何か。市民のみなさんはもちろんですし、宮本徹衆院議員をはじめ共産党の国会議員団や区市町村議員団と連携して政治を動かそう、ということで取り組んでいます。また都議会のなかでの野党共闘ですね。同時に、野党だけではなく、都民のみなさんのためになることは、与党も含めて一致点を見出し、実現していこうということでいま、取り組んでいるところです。

by hara-noriko | 2022-05-30 22:49 | 東京都政 | Comments(0)