直ちに中止を 英語スピーキングテスト
2022年 08月 28日
中止を求めて市民が大集会
東京都内で、「都立高校入試への英語スピーキングテスト導入の見直しを求める市民大集会」(8月18日)が行われ、私も参加しました。リアル参加とオンライン参加あわせて、約200人の参加。都議会からは、共産党、立憲、グリーン、ネット、そして与党である都ファからも参加。区議・市議の参加も。問題点が広がってきている、保護者や関係者のみなさんの声が動かしている、と実感しました。保護者の会も立ち上がり、SNSで発信しています。
今回の集会は、いよいよ今年の秋におこなうスピーキングテストを、都立高校の入試の判定に入れていくということが実施されようとしているなか、教育専門家や保護者が中止を求めて改めて問題点を明らかにしたもので、とても勉強になり、これは本当に止めないといけない、と強く思いました。
英語スピーキングテストとは
都教委がベネッセと協定を結んで
そもそも、これはどういう問題か。請願にも書かれていますが、都教委はベネッセと協定を結んで、11月27日に全公立中学3年生を対象に英語スピーキングテスト(ESAT-J)を実施し、その結果を都立高校入試に活用するというもの。イヤホンから流れる問題に一人ひとりが回答し、音声が録音され、フィリピンで採点する。その結果で都立高校入試の得点に20点満点で加算される、というもの。
最初から不公平
きちんとした説明もされていない
すでに塾では対策の授業をやっていたり、ベネッセではこのテストと類似した教材がありお金があればそういうもので準備しておくということができます。最初から不公平。
そして、絵を見て英語で回答するのですが、その絵の解釈は人それぞれになり、公平とはいえません。しかも、短い時間で回答しなければならず、人と人で対話していくわけではないので、より困難です。人より話すのに時間がかかる、ふだんは気にならなくても、緊張すると吃音(きつおん=言葉が円滑に話せない)になる人もいます。どうやって配慮するというのでしょうか。機械の不具合が出たらどうするのでしょうか。個人情報はどうなるのでしょうか。何より、きちんとした説明さえ子どもたちや保護者に行われていません。ありえないことです。
これだけでも、大学でのテストが中止せざるをえなかったことと同じように、中止するしかないと思います。
子どもの権利を侵害している
教育の在り方にかかわる問題
私は、今回の集会でいちばん思ったのは、このテストは、子どもの権利を侵害しているということです。こども基本条例では、だれひとりとりのこさない、ということ、そして、学ぶ権利もしっかり位置付けられました。まったくそれに反したことをやろうとしているのが「ESAT-J」です。大津由紀雄先生(慶應大学名誉教授)は、「アチーブメントテストを入試に流用することが問題」「傾向と対策漬けになり英語嫌いになってしまう。楽しいはずの、話す、ということがつらいことになってしまう」「単にESAT-Jだけの問題ではない」と教育の在り方にかかわる問題であることを強調されました。
不公平・不公正・差別
子どもたちのなかに持ち込まれる危険
不受験者や不登校の子どもたちについてどうするのかも極めて不透明。入試だけでも心が揺れ動くのに、子どもたちのなかに不公平・不公正・差別がもちこまれるのではないかと本当に胸が痛みます。中止しかないという声を上げていかなければならないと思います。
おかしなことがたくさんありすぎる
東京だけの問題ではない
あまりにも問題点が多すぎるため、何を伝えていくかというのが難しい課題でもあると思います。が、全部を知らなくても、たとえば、大学でも中止したのに、なぜ高校入試で強行するのかとか、家庭の経済力の違いによって、準備できる人とできない人が出てくるなんておかしいとか、公教育に丸ごと教育産業が参入する問題とか、それぞれがおかしいと強く思ったことを広げていけたらと思います。大内裕和先生(武蔵大学人文学部教授)は、これは東京だけの問題ではない、もし今回実施されれば全国に広がる問題、と警鐘を鳴らしています。みんなの問題として共有し、ストップをかけていきましょう。
共産党都議団 予算特別委員会で追及
中止を求めて繰り返し都に申し入れ
日本共産党都議団では、2020年3月の予算特別委員会で星見てい子都議(当時)が、出題も採点も、ベネッセが行うという問題について明らかにし追及したことをはじめとして、質疑や申し入れなど、文教委員を中心に都議団として一貫して中止を求めてとりくんできました。申し入れは2022年7月6日と同月29日、2021年8月6日、2020年3月25日におこなっています。
とや英津子都議のブログで発信
かもしだ芳美・東久留米市議もSNSで
また、文教委員のとや英津子都議のブログで、問題点をわかりやすく伝えています。ぜひ、ご覧ください。
また、かもしだ芳美・東久留米市議が、ツイッターやインスタグラムで問題点をバナーにしてアップしています。とても参考になります。ぜひご覧ください。
*なお、保護者の方々は、8月26日に都教委に対する要請行動もおこなっています。
【英語民間スピーキングテスト 共産党都議団の申し入れ】
2022/07/06
「中学校英語スピーキングテスト」の中止を求める申し入れ
2022/07/29
中学校英語スピーキングテストの特別措置申請期間の延長を求める申し入れ
2021/08/06
中学英語スピーキングテストの中止を求める申し入れ
2020/03/25
都立高校入試への英語民間スピーキングテスト導入中止についての申し入れ
by hara-noriko | 2022-08-28 21:58 | 東京都政 | Comments(0)