中止しかない英語スピーキングテスト
2022年 09月 26日
いま開かれている都議会で大問題に
いま都議会のなかで大きな問題になっているのが、都立高校の入試に英語スピーキングテスト(ESAT-J)の結果を持ち込むかどうか、という問題です。あとでも詳しく述べますが、東京都教育委員会は11月27日に全公立中学3年生を対象に英語スピーキングテストを実施し、その結果を都立高校入試に活用しようとしています。イヤホンから流れる問題に一人ひとりが回答し、音声が録音され、フィリピンで採点する。その結果で都立高校入試の得点に20点満点で加算される、という計画です。
延期・見直しを求める請願
都議会文教委員会で継続審査に
都議会文教委員会には、スピーキングテストを延期あるいは見直しをしてほしい、という請願が出されていました。私たち日本共産党都議団が紹介議員になっていました。この請願が9月15日に文教委員会で審査が行われ、継続審査となりました。共産党の、とや英津子都議が継続審査の動議を提出、都民ファと立憲も賛成し、継続審査となったのです。つまり、都議会では賛成・反対の結論を出さずに、調査を継続していく必要があると判断しました。
重みのある「継続」判断
それを踏みにじって強行してはいけない
これはたいへん重みがあります。継続して調査をしなければならないとなったのに、それを踏みにじって東京都教育委員会や都知事が強行するということはあってはなりません。
スピーキングテストを受けられない生徒はどうなるのか
入試結果で同じくらいの水準にある他人の点数が使われる
スピーキングテストとは、どんなものなのでしょうか。すべての公立中学校でまずスピーキングテストをおこなう。会場は別の場所。一人ひとりタブレットをみながら、ヘッドフォンで音声を聞き、自分でしゃべって、録音されたもので採点されることになっています。採点場所はフィリピン。現地のベネッセの下請事業者が採点します。
スピーキングテストの結果が都立高校入試の得点に20点満点で加算されるということになります。テスト自体は100点満点ですが、これを20点に換算するため、100点でも80点でも20点です。ですから、合否が逆転する場合も心配されます。
いろいろな事情でスピーキングテストを受けられなかった生徒さんもでてきます。国立や私立の中学校に通っていて都立高校を受験する生徒さんは任意で受けられますが、都外から都立高校を受ける場合はスピーキングテストを受けられません。テストを受けていない生徒さんたちの点数は、どうなるのか。入試の結果で同じくらいの水準にある他の生徒さんの点数から決めていくことになっています。自分の点数ではない、他人の点数が入試に使われる。こんなおかしな制度があるでしょうか。
入試制度としては完全に破綻している
スピーキングテストは中止するしかありません
入試はただでさえ、一人ひとり本当に不安です。そういうなかで新しい制度が持ち込まれて、スピーキングテストが加算される。もしかしたら、これで合否が逆転するかもしれない。こういう状態をつくりだすというのは、入試制度としては完全に破綻しています。 このような制度で子どもたちを動揺させたり、不安に追い込んだりすることは、あってはなりません。私たち日本共産党都議団は改めて、「スピーキングテストは中止を! 都立高校入試に使うな」ということを東京都教育委員会と都知事に求めています。
いま開かれている都議会第3回定例会で代表質問、一般質問がおこなわれ、そのあと文教委員会も開かれます。テスト自体は11月27日の予定ですから、まだまだ時間があります。「いまからでも中止の決断を」ということをしっかり訴えていきたいと思っています。
企業との癒着、受験生一人ひとりの情報
「本当に大丈夫なのか」と心配広がる
さらに、ここにも企業との癒着の問題があるのではないか、ということも大変心配されています。このテストは、ベネッセがおこないます。ベネッセは受験生一人ひとりの情報も取得します。この点についても、「本当に大丈夫なのか」という心配も広がっています。スピーキングテストを都立高校の入試に使うことはやめるべきだ、ということを改めて求めていきたいと思います。
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直ちに中止を 英語スピーキングテスト
by hara-noriko | 2022-09-26 22:10 | 東京都政 | Comments(0)