サッカー ワールドカップで感じたこと
2022年 11月 27日
ドイツチームのフェアプレー精神
いま、サッカーのワールドカップ(W杯)が、カタールのドーハでおこなわれています。日本チームは第2戦でコスタリカに敗れました。しかし、初戦で強豪・ドイツに勝ちました。私もうれしく、驚き、選手のみなさんやスタッフのみなさんが努力されてきたことが実ったことを本当にうれしく思いました。
そして同時に、相手方のドイツがフェアプレーの精神に則った試合をおこなったこともすばらしかったと思います。試合が終わったあと、すぐに気持ちを切りかえ、日本の選手に駆け寄って健闘をたたえる姿がありました。
すべての人たちは平等なんだ
ドイツチームがアピールしたこと
なんといっても、ドイツの選手は、すべての人たちは平等なんだ、性的少数者などへの差別は反対なんだ、という立場で「One Love」の腕章(キャプテンマーク)をして試合に臨もうと考えていたそうです。しかし、カタールはご存知のとおり同姓婚などを認めていないということで、腕章はつけられないことになりました。
そのことに抗議する気持ちを込めて、全員で写真を撮る試合前の撮影のときには、口に手を当てて、口をふさいでいるポーズをとっていました。これには、腕章を認めなかった国際サッカー連盟(FIFA)への抗議が込められています。
このことについて「政治的だ」というような声が聞こえたりしますけれども、そういうことではない、とドイツサッカー連盟は説明しています。これは人権の問題なんだ、と。スポーツにおいて人権が守られる、すべての人が平等だということが大事なんだ、ということをドイツとしても発信している。そういうことが伝えられています。
スポーツは本当にすばらしい
ドイツ選手の姿勢に心から感謝
改めて、スポーツは本当にすばらしいと思います。そして、このような世界の大会を通じて、さまざまな国の気持ちや取り組む姿勢が伝わってくるというのもすばらしいと思います。
ドイツと日本の試合で日本が勝ったことがうれしい、ということと同時に、世界の大舞台ですべての人たちは平等なんだ、そういう下にスポーツはおこなわれるんだ、ということを発信しているドイツの選手の姿勢に心から感謝をのべたい気持ちです。
ワールドカップはいよいよ山場になっていくわけですが、フェアプレーの精神に則って、平和のなかでこそ、人権が守られるなかでこそ、スポーツがおこなえる。このことをみんなで共有していくことが大事だと思います。
東京オリンピックの問題は終わっていない
都議会総務委員会での質問から
なぜ、このことを強く思ったのか。それは、先日おこなわれた都議会総務委員会での五輪問題議論で、いかにスポーツのすばらしさを歪めることが起きているかを実感したからです。総務委員会は私が所属している常任委員会です。東京オリンピックについての最後の清算、総括を政策企画局というところでおこなっています。この議論をやりました。
オリンピックの組織委員会は6月末をもって解散しています。ところが7月に入ってから元理事の高橋治之氏が何度も逮捕される事態になり、みなさんご存知のとおり、談合疑惑問題も起きています。
こうしたなかで、五輪問題は終わっていないということを改めて痛感しています。しかし、組織委員会がもうないから、清算法人になっているから、仕方がないんだ、東京都は何もいえない、と思ったら大間違いです。
組織委員会は清算法人に移行していますが、それをチェックする評議員会は残っています。評議員には副知事も入っています。ですから、五輪問題での贈収賄や談合疑惑の問題がきちんと解決されるように責任を果たしていくことが東京都に求められているということを改めて訴えたいと思います。
組織委員会の監査結果がいまだに出ていない
スポーツが、五輪が、歪められている
東京都が独自におこなっている組織委員会の監査についても、もう結果が出るはずなのに、出てこない。「いつ結果が出るんですか」と質問したら、まとまり次第出すんだといっています。私は、「清算法人が解散してから監査の結果がでるということは絶対にないように」と委員会のなかで求めました。
この議論のなかで、スポーツがこんな形で歪められている、オリンピックが歪められている、ということを痛感しました。こんな状態のなかで札幌でオリンピックをやるなどということは、とても考えられない。それがいまの状況ではないかと思います。
平和のなかで、人権を大事にしながら
みんながスポーツを楽しめるようにしたい
平和ななかで、人権が大事にされながら、みんながスポーツを楽しめる環境をつくってくことが本当に重要だと思います。こうしたことをサッカーのワールドカップでドイツの選手たちがアピールしてくれたことは本当にすばらしいと思います。何より、人権を守ることを大事にしなければいけないんだ、という発信を心から歓迎します。
「赤旗」はスポーツ面も充実しています
この機会にぜひ、「赤旗」をお読みください
by hara-noriko | 2022-11-27 23:04 | 日記 | Comments(0)