2022年3定 文書質問から(1)「三角山」バス停の安全確保
2022年 12月 20日
都から答弁がきました
今年9月におこなわれた都議会第3回定例会の最終日に都に提出した文書質問に対して、都の答弁(回答)が返ってきました。すでに質問全文や答弁の特徴などを紹介していますが、質問と答弁の全文を紹介します。
質問した内容は(1)東久留米市の「三角山」バス停の安全確保対策について(2)市道と都道の交差点(清瀬市・けやき通り)での振動対策について(3)地域公共交通の充実について―の3点です。テーマごとに分けて紹介します。1回目は、東久留米市の「三角山」バス停の安全確保対策についてです。
【私のコメント】
三角山バス停は市境にあり、東久留米も清瀬もかかわりがあります。今回問題になっているのは、東久留米側にあるバス停。もともと安全帯をつくってほしいと住民の方から要望があるのですが、歴史環境保全地域ということで実現してきませんでした。今回の文書質問では、保全地域であっても環境に配慮しながら必要な手立てをとる場合もあることを確認しています。要は、バス会社が住民の要望を受けてどう考え、地元自治体とも協議しているか。自治体としても住民によりそって考えているか。…こうしたことが問われています。住民の声も聞かずに、バス停の廃止や移設が強行されるようなことはあってはなりません。
以下が、私の文書質問と都の答弁です。
痛ましい事故をなくすために
バス停の安全対策を急ぐ必要がある
国土交通省は、全国で約1万か所にのぼる、安全確保対策を必要とするバス停留所を公表し、安全対策を進めています。東京都内のバス停については、昨年の1月29日時点で224カ所でしたが、今年の7月31日時点では166カ所となっています。もっとも危険とされるAランクの停留所は20だったものが5カ所になっています。減ってはきているものの、まだ対策の途上という状況です。
2018年8月に横浜市内で発生したバス事故は、停留所にバスが横断歩道をまたいで停まる形になっていて、バスを降りた子どもさんがバスの後方から道路を横断しようとしたところを車にはねられ亡くなったという、痛ましいものでした。こういうことが二度と起きないように、対策を急ぐ必要があります。
そこでうかがいます。
対策が遅れている「三角山」バス停
住民のみなさんから切実な要望が
(質問1)
東京都として、国土交通省のバス停留所安全確保対策実施状況について、どのように受け止めていますか。そして、この内容について、どこでどのように議論し、対策をすすめていますか。
現在、Aランクで対策が未定なままなのは、清瀬市と東久留米市の境にある「三角山」バス停だけです。この間バス会社が、バス停の移設や横断歩道の移動などを警察署の協力も受けて検討されてきていますが、解決にはいたっていません。住民のみなさんが多く利用しているバス停で、住民のみなさんは、安全帯をつくって横断歩道に車体がかからないようにしてほしい、と要望しています。
もともと、地域では、安全帯の設置を求めてきましたが、野火止用水が歴史環境保全地域であることから、難しいとされてきました。しかし、同じ野火止用水沿いのバス停「下里団地」や「押し出し橋」には安全帯が設置され、新興住宅のための橋も設置されています。「三角山」だけができない理由はないはずです。
(答弁1)
国は、全国の地方運輸支局ごとにバス停留所安全性確保合同検討会を設置し、バス事業者、交通管理者及び道路管理者とともに、交通政策担当者としての都も参画しています。
同検討会は、バスが停留所に停車した際に車体が横断歩道にかかり、道路を横断する歩行者が対向車や追越車の死角に入るなど、安全対策を検討する必要がある停留所を抽出するとともに、抽出した停留所の安全対策の進捗状況を共有し、事業者が順次対策を進めています。あわせて、検討会として実施状況を把握し、公表しています。
歴史環境保全地域を解除した事例は?
また、その理由は?
(質問2)
(歴史環境)保全地域を解除した事例はこれまでにいくつあり、その理由はどういうものでしょうか。あわせて、解除の基準をお示しください。
(答弁2)
自然保護条例に基づく保全地域の指定の解除については、自然環境保全審議会の意見を聴いた上で一部解除しており、事例は6件あります。
具体的には一団の墓地や既に計画決定されていた道路区域の拡幅部分などです。
「三角山」バス停に安全地帯をつくること
野火止用水の保存と対立しない
(質問3)
指定を解除せずに工事をする場合の基準や手続きはどのようになっていますか。
東久留米市議会には、今年の2月24日に「三角山バス停の安全確保のために、安全帯の設置を求める陳情」が提出されています。また、市議会でも質問でくりかえしとりあげられています。野火止用水は貴重な歴史的遺産であり、保存していくべきものです。同時に、住民とともに共存することが大事です。住民の命を守るために、「三角山」バス停に安全帯をつくることは、野火止用水の保存と対立するわけではありません。
(答弁3)
保全地域では、良好な自然地を守るため、建築物その他工作物の新築や改築、宅地の造成、木竹の伐採などの行為を制限しています。
これらの行為を行う場合には、自然環境の保全に十分配慮し、失われる自然を最小限に留めるよう指導した上で、自然保護条例に基づく許可を行っています。
「三角山」バス停の安全対策
東京都としても積極的に支援すべきではないか
(質問4)
都としても、バス会社や地元自治体から相談があれば、「三角山」バス停の対策について積極的に支援をすべきと考えますが、いかがですか。
(答弁4)
停留所ごとの安全対策については、バス事業者が交通管理者、道路管理者及び地元自治体と協議・調整を行った上で、事業者が対策を行うものと考えています。
なお、交通政策を担当する都としては、必要に応じ、検討会などを通じて、技術的な助言等を行っていきます。
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by hara-noriko | 2022-12-20 19:29 | 東京都政 | Comments(0)