セクシュアルマイノリティ(LGBTQ+)の方たちが自分らしく生きられるために   

総務委員会での質問を紹介
第2期東京都性自認及び性的指向に関する基本計画(案)について

 昨年12月に開かれた都議会第4回定例会の総務委員会で質問をしました。(1)個人情報保護条例を廃止し、「個人情報の保護に関する法律施行条例」を新設することについて(2)第2期東京都性自認及び性的指向に関する基本計画(案)について―が主なテーマです。2回に分けて紹介しています。
 2回目は、第2期東京都性自認及び性的指向に関する基本計画(案)について。パートナーシップ制度実施(2011年11月1日)後の計画になるので、それを踏まえた質問です。

【私のコメント】

 第1期計画では、パートナーシップ制度について全く触れられていませんでした。しかし、都民の運動により実現され、それを受けての第2期計画では、さらに一人ひとりが自分らしく生きられるよう充実した計画にしていくことが求められます。そうした問題意識から、必要なこと、心配なことを質問しました。

パートナーシップ制度の実施
当事者や都民のみなさんの粘り強い取り組みがあってこそ


 原のり子 「第2期東京都性自認及び性的指向に関する基本計画(案)」について質問します。
 2020年1月から約3年間の第1期計画との大きな違いは、パートナーシップ制度が実施されて盛り込まれたことです。第1期計画のときは、パートナーシップ制度を求める声がかなりあったにもかかわらず、それがまったく盛り込まれませんでした。国内外の動向と現状の部分にもパートナーシップ制度の広がりについては触れられませんでしたし、唯一庁内外の取り組みの推進という章の中で、課題の事例の1つとして、病院でパートナーが家族として扱ってもらえなかったということが示されているのみでした。そういう状態から、今年、パートナーシップ制度実施にこぎ着けたのは、当事者や都民のみなさんの粘り強い取り組みがあってこそだと改めて実感します。

パートナーシップ宣誓制度
何組のカップルが申請して承認されているのか


 原のり子 そこでまず、パートナーシップ宣誓制度についてうかがいます。(2022年)11月からパートナーシップ宣誓制度がスタートし、現時点で何組のカップルが申請、承認されましたか。そのうち、子どもの名前を記載したカップルはどのぐらいいらっしゃるでしようか。

 総務局人権企画調整担当部長 12月5日の時点で358組の方から届出があり、確認が終了した309組の方に受理証明書を交付しております。そのうち、子どもの名前の記載を希望された方は8組で、確認が終了した5組の方に受理証明書を交付しております。

待たれていた制度
実現して本当によかった


 原のり子 この制度は、必要とする人が利用する制度ですから、数の多さ、少なさで価値が決まるわけではありません。でも、これだけの人が届け出ているということは、本当に待たれていたということがよく分かります。この制度の実現のためにずっと働きかけていた方が、制度ができることでこんなに安心した気持ちになれるとは、とおっしゃっていましたけれども、本当によかったと改めて思います。

求められる制度の充実
都内の経験にも学んでさらに工夫を


 原のり子 パートナーシップ宣誓制度によって、さらに地域で生きやすく、暮らしやすくしていくために、制度の充実が求められていると思います。パートナーシップ制度について、東京都の広報で特集をされたのは本当によかったと思っています。大変好評でした。広く都民にアピールしていく努力は今後も工夫して続けていただきたいと思います。 以前、私たち共産党都議団でも、各地域の取組を学びに行きましたが、例えば渋谷区では、区の広報での特集が折に触れて組まれていました。また、足立区でも申請したカップルのインタビューを特集して、人を通して、この制度を広く理解してもらうということが取り組まれていて、大変効果的だと思いました。東京都でもさらに工夫し、進めていただきたいということを要望しておきたいと思います。

制度充実で特に求められているもの
区市町村、医療機関、不動産関係、民間企業への働きかけ


 原のり子 それで、制度充実で特に今求められているのは、区市町村、医療機関、不動産関係、民間企業への働きかけであると思います。今、どのような状況でしようか。

 人権企画調整担当部長 都は、既に制度を導入している都内16の自治体と証明書の相互活用に関する連携協定を締結しております。未導入の都内自治体とは協議を重ね、都の証明書を活用した行政サービスの提共が順次拡大されております。また、多くの民間事業者の顧客向けサービスや社内福利厚生においても、受理証明書の活用が広がるよう、医療、住宅関係の業界団体や経済団体を訪問し、協力を依頼しております。

 原のり子 ぜひ、区市町村について、また、それ以外の取組でも、好事例を発信していっていただきたいということを要望しておきたいと思います。

セクシュアルマイノリティーの方たち
若者の居場所 実施回数を増やしてほしい


 原のり子 次に、セクシュアルマイノリティーの方たちが自分らしく生きられるための施策の充実についてうかがいます。
 「LGBTやそうかもしれない若者の居場所」の取り組みは大変好評だと聞いています。現在の実施状況をうかがいます。

 総務局人権部長 都では、性的マイノリティーの方々が安心して集い、ほかにも同じ悩みを抱えている人がいることを知り、今後の生き方を考えることができるよう、当事者の交流の場事業を今年度は3回実施し、のべ約60名が参加いたしました。

 原のり子 この若者の居場所づくりの実施回数をさらに増やしていっていただきたいということを求めたいと思いますが、いかがですか。

 人権部長 交流の場事業につきましては、申し込みをしたすべての方にご参加いただけております。

 原のり子 申し込みをしたすべての人が参加できているということで、それはよかったなと思いながら、参加した方から、ぜひこれをもっと回数を増やしてほしい、あるいは定期的に実施してほしい、こういう声も届いています。ぜひ、今後検討していただきたいと思います。
 特に、この居場所づくり、若者の居場所づくりは、年齢も区切って、また、自分がセクシュアルマイノリティーかどうかまだわからない、揺れ動いているというときに行ける、安心して行ける場所ということで、とても求められているので、ぜひ私は回数を増やして
いただきたいということでお願いしておきたいと思います。これからパブリックパプリックコメントなども行われて、基本計画でどういうふうに盛り込まれていくのかということだと思いますので、意見を述べておきます。

地域の取り組みを都のホームページで紹介してほしい
各地の居場所とも連携できるように


 原のり子 また、地域の(居場所などの)取り組みをホームページでもっと紹介するようにしてほしい、ということを以前から求めてきました。なかなかちょっと、ホームページ見てもうまくリンクできないんですね。ぜひこれはさらに研究していただいて、さまざまな地域でやっている居場所とも連携できるように取り組みを強化していただきたいと要望しておきます。

性自認及び性的指向に関する調査
大事な資料だが、課題も残されている


 原のり子 次に、「第2期基本計画」のべースになっている性自認及び性的指向に関する調査、2022年3月(令和3年度)に行われた調査についてうかがいます。
 パートナーシップ制度を必要とするという回答が7割近くとなるなど、1つの大事な資料にはなりましたが、一方で課題も残された調査でした。用語の定義の説明で、性自認、性的指向と並べて性同一性が書かれていました。それぞれの説明、用語の説明を求めます。

 人権部長 令和3年度に実施した性自認及び性的指向に関する調査における用語の定義では、性自認は自己の性別の認識のこと、性的指向は自己の恋愛または性愛の対象となる性別についての指向のこと、性同一性は自己の属する性別についての認識に関する性同一性の有無または程度に係る意識としております。

性同一性という定義はわかりにくい
性自認としたほうが正確ではないか


 原のり子 いま聞いていて、性同一性の定義というのはちょっとわかりにくいんですよね。
 ただ、使い方としては、性自認とほぼ同じように性同一性について使われているというふうに思います。性同一性は、自分自身の性別を自ら認識する個人の人格的な感覚というふうに説明されることもあるんですね。ですから、性自認と似たような形で使われているんで、並べて使うのはおかしいんですけれども、私はやっぱり、より性自認というふうに表現するのがシンプルで、また正確だと思います。

性同一性という言葉
もっとも認知度が高い理由をどう分析しているのか

 原のり子 それで、この性同一性のことについては、言葉の意味を知っているかという設問がありました。その中で、性同一性という言葉についての認知度が最も高くなっていました。しかし、これは特に分析があるわけではなくて、聞きっ放しというか、そういうふうに、知っていますかという設問だったんですけれども、都としては、性同一性が最も認知度が高い理由をどのように分析していますか。

 人権部長 性同一性障害者の性別の取り扱いの特例に関する法律が制定されているなど、広く都民の目に触れる機会が多かった言葉であることが一因と考えられます。

「第1期計画」にあった医学界の動き
なぜ「第2期」の案で削除されているのか


 原のり子 私も性同一性障害を知っているという、そういう認識で答えているのではないかというふうに推測します。性同一性障害自体をどういうふうに理解しているかというところまでは分かりませんけれども、恐らくそうなのではないかなと。
 それで、うかがいたいんですけれども、「第1期計画」では、11ページから12ページにかけては、国内外の動向と現状というところで、医学界の動きを説明しているんですね。これが「第2期基本計画(案)」では、この医学界の動きというのは削除されているんです。これはなぜですか。

 人権部長 今回の「第2期性自認及び生的指向に関する基本計画(案)」の策定に当たりましては、多様な性をめぐる現状として、国内外の動向等について、都の施策と関連が高い国内の動向に重点を置きつつ、全体を簡潔に記載することや、近年大きな動きがあったものを中心に記載することなどの観点から取りまとめを行いました。

都の説明は納得できない
正しい理解をしてもらうためにも載せるべきです


 原のり子 いまの説明はちょっと納得できないんですね。たとえば、「第2期基本計画(案)」で海外の動向というのがありますけれども、これなんかを見ると、2011年に遡って書かれていますし、直近の動きだけを載せているわけではないんですね。重要な部分は載せているんだと思うんです。それなのに、なぜ医学界の動きが削除されたんだろうということを私はとても疑問に思っているんですね。
 削除された医学界のところは、「第1期基本計画」のときには、同性愛について、たとえば、いかなる意味でも治療の対象にはならないというふうに発展していく、進歩していくということもきちんと触れながら、その最後のところに、2019年5月には、世界保健幾関、WHOは、その最高意思決定機関である世界保健総会において、精神疾患から性同一生障害を除外し、性の健康に関連する状態という分類の中に、性別不合を新設する内容を含む新たなICDを採択しましたとなっていて、これはとても大きな変化なんですね。
 これがなんで削除されているのかなというふうに、大変やはり疑問なわけです。これは削除してあって、一方で、その次に当事者調査の結果が載っていて、そこには説明抜きで性同一性のことが載っているんですよね。
 だから、きちんと正しい理解が、この計画を見ても、わからないんじゃないかというふうに思うんです。ですから、いまの計画では医学界の動きもきちんと載せているわけだから、今度も載せるべきだというふうに指摘しておきます。

セクシュアルマイノリティー全体の分類
正確にできているのか


 原のり子 この調査に関してもう一点うかがいます。調査に答えてくださっている方々、トランスジェンダーの分類をはじめ、セクシュアルマイノリティー全体の分類は正確にできているのでしようか。

 人権部長 性自認及び生的指向に関する調査におきましては、回答者にまずご自身の戸籍上の性別を聞き、次に、性自認や性的指向を回答していただき、その内容を踏まえて分類を行いました。今回の調査における集計は設問への回答により分類したものであり、正確に行っております。

調査結果の分析
一面的ではないかと思うところがある


 原のり子 今回の調査の質問というのはかなり細かく聞いているんですよね。そうであれば、当事者の方々の分類もそれに合わせて細かくしておかないと、正確な分析はできないのではないかというふうに思うんです。
 それで私は、なんでも細かければいいといっているわけではなくて、この調査の、今回の調査の仕方、質問の仕方というのは、ちょっと課題があると思っているんですね。たとえば、調査結果の分析の中で、トイレや宿泊を望む性で利用できないという項目があって、それに対して、トランスジェンダーの回答が、トランスジェンダー以外の人よりも高くないということをわざわざ指摘する分析があったりとか、ちょっと一面的なのではないかというふうに私は思っています。
 トランスジェンダーの中にもさまざまな方がいらっしゃるということが踏まえられているのかな、というふうに分析を見て思いましたし、トイレを望む性で利用したいかということよりも、誰でも(追加:使える)トイレが増える、誰でも利用できるトイレ、これを望んでいるという方も大変多いんですよね。
 だから、聞き方として、望む性でという聞き方が本当にトランスジェンダーの方々の希望を聞くことになるのかどうかというのでも、私はちょっと課題が残ったなというふうに思います。
 いま、トランスジェンダーバッシングもあって、本当に胸が痛い状態なんですね。こういうアンケートなども十分な注意が必要だということを、今後に向けて意見を述べておきます。

性自認は自分の気持ちしだいで変えられる?
そうした認識に対する都の見解を聞きたい


 原のり子 そこでうかがいますけれども、性自認は自分の気持ち次第で変えられるというような認識とか、あるいはトランスジェンダーを語る人が、女性トイレやお風呂などを利用しようとして犯罪が増える可能性があるなどの認識、ときどきこういうような話が出てきます。こういうことについて、多様な性の理解を推進する都としての見解をうかがいます。

 人権部長 性自認は、本人が決めたり、選んだり、変えたりできるものではないと考えられております。トイレやお風呂などの使用に関しては、当事者本人の意向を十分に踏まえながら、他の利用者との調整をどのように行うかなど、本人とともに対応策を検討していくことが必要でございます。なお、犯罪行為につきましては、これとは別の問題であり、容認するものではありません。

 原のり子 とても大事な見解だというふうに思います。そこを踏まえて、今後も対応していただきたいというふうに思います。

「第2期計画」をめぐって
当事者や都民への聞き取りは実施したのか


 原のり子 最後に、計画全体のことについて、3点うかがいます。
 まず最初に、当事者や都民への聞き取りは実施したのか、あるいは今後するのか、お聞きします。

 人権部長 都は、「第2期計画(案)」の策定に当たり、令和3年度(2021年度)に実施した性自認及び生的指向に関する調査におきまして、性的マイノリティー当事者の困難経験や行政に求める施策などについて、当事者約1000人から自由記述による回答も含めてお声をうかがいました。また、本年(2022年)8月には、13名の有識者や当事者の方々にヒアリングを行い、「計画(案)」に反映させております。さらに、現在実施しているバブリックコメントにおいて、広く都民のご意見をうかがっております。

計画の進行管理のため
都民参加の委員会をつくるべきではないか


 原のり子 2つ目に確認したいのは、今後、計画の進行管理のための都民参加の委員会をつくるべきではないかと思いますが、いかがでしようか。

 人権部長 「計画(案)」では、推進体制として、庁内全局の部長級職員で構成する施策推進会議において、各局の取り組み状況を把握するとともに、総合的調整を行い、各局で連携しながら、課題解決を推進することとしております。計画の推進に当たっては、性自認及び性的指向に関する専門相談の窓口に寄せられる声をはじめ、必要に応じて、施策推進会議に当事者等を講師としてお招きするなど、さまざまな機会を通じて、都民等のご意見をうかがってまいります。

「第2期」は5年間の計画
都民参加の委員会を強く要望する


 原のり子 今回は、「第1期の計画」が3年間、おおむね3年間だったんですけれど、「第2期」は5年間の計画にしようということで提案されていますよね。そうすると、中間での見直しなども必要になってくるのではないかと私は思います。そのときに、やはり当事者の方、都民の方が参加している、そういう会議体が必要なのではないかというふうに思います。ぜひ、この検討会、都民参加の委員会をつくるということについては検討していただきたいということを強く要望しておきたいと思います。

「基本計画」策定のスケジュールは?
3月末までには策定する予定


 原のり子 それで、最後になりますけれども、3点目で、今後の「基本計画」の見直しのスケジュール(計画案を見直して策定するまでのスケジュール)を確認させていただきます。

 人権部長 「第2期計画」につきましては、来年(2023年)1月6日までパブリックコメントを実施中であり、都民等から寄せられたご意見も踏まえ、年度内(2022年度)に策定する予定でございます。

多くの方の意見を聞きながら
よりよい計画になるようにしてほしい


 原のり子 わかりました。私は本当は総務委員会でも、やっぱりパブリックコメントの結果を受けての議論をした上で、計画がきちんと立てられていくといいなというふうに希望しています。
 まだパブコメ、今途中ですし、これから都民のみなさんの声がたくさん出てくると思いますので、ぜひ多くの方の意見を聞きながら、よりよい計画になるように強く求めまして、この場での質問は終わります。

冬の華
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by hara-noriko | 2023-01-15 15:00 | 都議会 | Comments(0)

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