共産党都議団 補聴器補助の条例案を発表
2023年 01月 17日
都議会第1回定例会に提出します
日本共産党都議団は1月16日、「加齢性難聴など、難聴者の補聴器購入費への助成を行う条例案」をまとめ、発表しました。都議会第1回定例会に提出し、成立をめざします。
1台につき6万8500円の補助
東京都が全額補助する
高齢者の2人に1人は難聴であると推計されています。高齢化が進むなかで、聞こえの支援はきわめて重要な課題です。東京都は補聴器の購入費助成等を行う区市町村への補助を行っていますが(補助率2分の1)、都の支援をさらに充実させて区市町村の取り組みを後押しし、より多くの難聴者が補聴器を使用できるようにするため、条例案を提案しました。
この条例案では、1台につき6万8500円の補助を行うということ、それも東京都が全額補助をするという提案です。
高齢者だけの問題ではありません
18歳以上の人が対象
そして、この加齢性難聴というのは、高齢者の方だけの問題ではありません。30代からだんだんと聞こえは後退していくので、みんなの課題です。また、かなり聞こえにくくても、障害者手帳の対象にならない方もいます。そのため、18歳以上の方を対象としました。
他の会派のみさんに共同提案を呼びかけています
市民のみなさんと一緒に実現したい
補助を進める条例がほかの会派のみなさんも含めて、共同提案になるように、働きかけています。高齢者の方がいつまでも元気に、地域で暮らしていけるように、大事なのはコミュニケーションをとれるということです。聞こえがよくないということは、コミュニケーションがとりにくくなるということですから、これを支えるために、補聴器の補助が必要です。ぜひみなさんと一緒に実現していきたいと思います。
【条例案の概要】
条例案の概要を紹介します。
▼補聴器購入費への助成を行う区市町村に対して、東京都が補助を行います(補助率10分の10)。
▼対象者は以下の要件をすべて満たす方です。
・18歳以上(※)の東京都民
・聴力レベルが概ね40デシベル以上で、耳鼻咽喉科の医師が補聴器が必要と認める方
・補装具費支給制度の対象となる聴力ではない方
※18歳未満の場合は中等度難聴児に対する補聴器購入費の助成が行われています。
▼補聴器を新規に購入する費用と耐用年数経過後に更新する費用等を助成対象とします。
▼両耳分の補聴器が助成対象となり、1台につき68500円まで助成します。両耳の場合は、13万7000円の助成になります。所得制限はありません。
▼東京都は、補聴器が効果的に使用されるための調整が適切に行われるよう努めるものとします。
▼施行日は2023年10月1日です。
補助の総額は初年度53億円、平年106億円
東京都には実施できるだけの財政があります
この補聴器の補助、初年度は53億円を見込んでいます。平年になりますと106億円ほど東京都が負担をすることになると試算しています。でもみなさん、東京都は16兆円もの財政規模です。しかも財政調整基金は4500億円をはるかに超えるお金を持っています。そして、オリンピック・パラリンピックで使い残している基金というのもありまして、これが1000億円以上ということになっています。こうしたものを、今こそ都民のみなさんのために使うべきであって、高齢者の補聴器の補助や、また子どもの医療費の無料化、障害者の医療費助成の拡充など、今こそ実現していくべきだと私たちは考えています。
共産党清瀬市議団、東久留米市市議団
一緒に連携して取り組んでいる課題
私は、共産党清瀬市議団、東久留米市議団のみなさんと連携して、補聴器補助の実現に向けて取り組んできました。この間、地域での懇談会に参加させていただいています。聞こえがよくなくなってきたなと思ったときに、補聴器を買おうと思っても、「あまりに高くて買えない」という声が本当にたくさん寄せられています。
都内で補聴器補助を実施しているのは18自治体
多くが東京都の包括補助を利用
私たち共産党都議団は、このことを都政の場でも議論をしてきました。現在、高齢者の補聴器の補助を実施をしている自治体は、都内で18自治体にまで増えました。2019年の段階ではまだ9自治体でしたから、2倍です。
これはなぜかといいますと、東京都の今ある包括補助という仕組みを使うと、自治体が補聴器の補助をやりたいと決めれば、その半額を東京都が支援をするという仕組みになっています。これを活用して、広げようということを共産党都議団が都議会のなかで論戦をしてきました。今、そういうなかで、18自治体まで広がってきました。
真っ先に声を上げたのは東久留米市議会
共産党市議団が意見書を提案して可決
高齢者の補聴器補助、これが必要だという声を都内で真っ先にあげたのは東久留米の市議会だということをご存知でしょうか。2018年、当時の日本共産党の市議団が、高齢者の補聴器補助、これを国として実施をすべきだという、そういう意見書を提案して、自民党は反対しましたが、賛成多数で可決されました。
共産党都議団 議会で取り上げシンポを開催
補聴器補助の世論を広げる
私たち共産党都議団は、こうした意見書もあがっているということを都議会で2019年にも取り上げ、シンポジウムなども行ってきました。そこにはこの難聴の問題の第一人者、慶応大学の当時の小川郁教授や、また、東京都医師会の尾﨑治夫会長も来てくださって、こういう問題に垣根はない、超党派で進めなければいけないと、講演やあいさつをしてくださいました。そういうなかで、このシンポジウムも大きなきっかけの1つとなって世論が広がり、高齢者の補聴器補助が大きく進んできました。ただ残念ながら、清瀬、東久留米ではまだ補聴器補助が実現していません。
市民のみなさんの切実な声を実現できるよう、条例案が可決されるよう、私自身も全力をあげたいと思っています。
右端が原のり子です


by hara-noriko | 2023-01-17 22:19 | 東京都政 | Comments(0)