どんな世代も障害者も 安心して生活できる社会へ   

始まった都議会第1回定例会
知事発言 生活の苦しさに寄り添う言葉なし

 東京都議会第1回定例会が2月15日から始まりました。初日の本会議で小池知事の施政方針演説が行われました。私たち日本共産党都議団は、今、みなさんが本当にコロナで疲弊をしている、また、物価高騰で大変な状況にある、そうやって苦しんでいることに対して、知事がどのぐらいの言葉を発するのか、そのことを注目していました。残念ながら、小池知事の施政方針演説には、今のみなさんの暮らしが本当に厳しいという、そのことに寄り添う発言がほとんどありませんでした。私は大変驚きました。

知事の少子化対策には問題も
とや英津子都議が代表質問で質す

 一方で知事は、少子化対策に今回力を入れています。私たち共産党都議団としては、子どもたちが元気に成長していってもらえるように、その環境を整えていくこと、とりわけ子育てには本当にお金がかかる、そこへ支援を強めていく、このことはとても大事だと思っています。ただ、知事の少子化対策の発想は、これだけ少子化が進んでいくと国力が下がる、といような発言もしていて、これはちょっと問題だと思っています。
 一人ひとりの子どもたちが、どこで生まれようと、どこで育とうと、子ども期を大事にされる、のびのびと成長できる、そのことを応援することが重要だと思います。小池知事の少子化対策には、根本の考え方に疑問な点が多くある。この点をしっかりと指摘していきたいと思っています。
 2月21日、日本共産党を代表して、とや英津子都議が質問に立ちました。「子ども・子育て支援というなら、子どもの権利、豊かな成長・発達の保障を正面に据えることこそ必要です」とのべ、「18歳までの医療費助成や、私立中高生の授業料実質無償化をはじめ、すべての子ども施策について、所得制限をなくすべきではありませんか」「都立大学等の授業料無償化の対象を思い切って広げることは、国を動かす力にもなる」「都立大学などの入学金を廃止すべきです」「給食費無償化に踏み出すべきだ」「保育士の配置基準を引き上げるべきだ」「園庭のない保育園の解消に向けた取り組みを」「児童相談所の拡充強化も急務」などと訴えました。

子ども医療費無料化で多摩格差
給食費無償化の姿勢も知事にはない

 今回知事が掲げたなかには、子どもたち一人ひとりに月5000円の給付をしよう、それでトータル年間1200億円かけるということを打ち出したり、また、都民のみなさんがねばり強く運動を続けてきた保育料の無償化、これも第2子の保育料無償化を0歳から2歳の子どもたちはやろうという提案がされていたり、また都立大学などをはじめ、学費無償化に向けてとりくみを始めるということが打ち出されています。これらは大事なこととして私たちも受け止めています。
 でも一方で、子どもの医療費無料化で多摩格差があること、東久留米やこの地域は、完全無料にはなりません。所得制限や一部負担が残されます。23区に行けば完全無料なのに、多摩地域には格差がある。このことを解決しなければならないけれども、ここには手立てがとられていません。また、給食費の無償化についても、これを進めるという姿勢には立っていません。このように、知事の打ち出している少子化対策というものは、大変アンバランスだということがいえます。ここを私たちは解決をする提案をしていきます。

子どもたちがのびのび生きられるようにする
子どもの支援だけをしていてはダメなんです

 私が決定的だと思うのは、子育て支援、少子化対策が大事だといって、その一部に今回、税金をきちんと投入していくということにはなるのですが、子どもたちがのびのびと生きられるようにしていくためには、子どもの支援だけをしていてはだめだということを私は声を大にしていいたいんです。

将来が安心、老後が安心とは思えない政治
どの世代にも、障害があっても、支援があることが大事


 今、若い人たちに聞くと、自分たちが高齢になったときに、どうせ年金は受けられないんでしょうと、そういうふうにいいます。将来に希望をもてない、老後が安心などとはとても思えない今の社会状況がある。ですから、子どもたちに安心してのびのびと育っていってもらうためには、どの世代に対してもきちんと支援があって、もし障害があっても、また、もし高齢になっても、安心してこの社会で生きられるんだなということがわかるような、そういう政治が必要だと思うんです。

都の予算案は高齢者福祉が若干下がる
特養ホーム経営支援補助金も増えない


 ところが、東京都の今度の予算案は、障害者の施策もなかなか前進しない、高齢者福祉にいたっては若干、予算が下がる結果になっています。特別養護老人ホームが足りないだけでなく、特養ホームの運営を支えている経営支援補助金も増やさない。実質は減っている。良質なサービスを提供している特養ホームは、この先、この仕事を維持できるかどうか本当に心配だとおっしゃっています。
 本当にお金をかけるべきところ、これをまちがっているのではないか。また、子育て支援をきちんとすすめていきたいのであれば、障害者や高齢者のみなさんにもちゃんと支援を強化していくべきだと私たちは考えています。

障害者福祉手当
27年間、1円も上がっていない


 障害者についても、障害者福祉手当、これは27年間1円も上がっていません。障害者の医療費助成にも格差があります。軽度、あるいは中度の知的障害の方たちは障害者医療費助成が受けられないために、いまだに3割負担となっています。

知的障害の方が親知らずを抜いたら
入院・個室で負担がとても重かった


 知的障害の方で、私もお話を聞いて胸が痛んだのは、歯の治療をする、例えば親知らずを抜かなければいけない、そういうときには暴れないようにということで全身麻酔になるといっていました。そのときに、入院しなければならない。多摩北部医療センターなどでも、入院して親知らずを抜いた、という方もいらっしゃいました。
 そのときに、個室に入ることになってしまって、負担がとても重かったという話も聞きました。もし、障害者の医療費助成の対象になっていたら、この医療費もまったく変わってきます。

誰もが安心して住み続けられるように
障害福祉や高齢者福祉をもっと充実していくことが必要


 誰もが安心してこの東京で住み続けられるようにするために、こうした障害福祉や高齢者福祉をもっと充実していくことが必要ですし、そのことが子どもたちや若い人たちが希望をもてる社会をつくることになるのではないでしょうか。ぜひ、こうした私たちの考えをみなさんにも知っていただき、またご意見もいただきながら、この施策の充実を図っていきたいと思います。

駅前で都政報告
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by hara-noriko | 2023-02-23 22:23 | 東京都政 | Comments(0)

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