2023年1定総務委員会質問(3)離島振興   

都議会総務委員会で質問
離島振興 医療の充実が切実


 都議会2023年第1回定例会でおこなった私の質問を順次、紹介しています。3回目は、離島振興計画の素案をめぐる質問です。3月15日の総務委員会。

【私のコメント】

 東京には、伊豆諸島の9島(大島、利島、新島、式根島、神津島、三宅島、御蔵島、八丈島、青ヶ島)と小笠原諸島の2島(父島、母島)があります。離島振興計画は、伊豆諸島についての計画です。それぞれ島ごとの課題がありますが、今回とくに、共通する課題として医療の充実が切実であることをとりあげました。とくに、手術が必要であったり、高度な治療や検査の場合、島外医療機関を利用しなければならないことが多く、費用も精神的負担も大きいこと。また、新島村は新島と式根島の2つの島によって構成されていることによる独自の困難があること。…などについてです。島の共産党議員さんたちの毎年の都への予算要望に学び、また、新島の綾とおる議員にもお話をうかがい質問しています。引き続きとりくんでいきます。

離島振興計画の素案
具体的に何をすすめるのか


 原のり子 離島振興計画の素案についてです。離島であるがゆえに、どの島も共通して苦労して、切実な課題となっているのは医療の問題だと思います。取り組み方針4であげられていますが、具体的に何をすすめると考えているのか、うかがいます。

 総務局多摩島しょ振興担当部長・大島災害復興対策担当部長・事業調整担当部長・多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 本素案におきましては、東京都へき地勤務医師等確保事業や無料職業紹介事業等により医療従事者を確保するとともに、救急患者の搬送時にデジタル技術を活用して情報共有を図るなど、関係者の連携を強化していくこととしております。
 また、島しょ医療の基幹病院である広尾病院におきましては、デジタル技術の活用により、島しょの医療機関等とのウェブカンファレンスの開催や、遠隔で診療支援を進めることとしております。

眼科専門診療
式根島の人は新島に行かなければ受けられない

 原のり子 具体的に少しうかがいたいと思います。眼科専門診療を式根島の人は新島に行かなければ受けられません。不便を大変強いられているんですけれども、しかも回数も少ないという問題があります。そうした問題の解決は、どのように図ろうとしているのか伺います。

 多摩島しょ振興担当部長 専門診療事業につきましては、地域の実清を把握しております島しょ町村が行うものであります。都の関係局では、専門医確保の調整や経費の補助を行っております。

式根島から新島へ 苦労が多い船での移動
都として支援を考えられないか


 原のり子 以前は東京都の眼科巡回診療があって、お医者さんが巡回をしてくれていたわけですよね。これが廃止をされて、実施主体が町村に変更されていると。そういう中で、新島村は2つの島を持っている村ですから、その一カ所にしか来ないということで、そこに行かなければいけないというふうになったわけです。
 お話をうかいますと、高齢者の方々は船で移動することも本当に大変だというお話です。しかも、新島と式根島を結ぶ村営連絡船が座礁により運航不能になって、現在は漁船で代替している、と。修理をするにも大きな金額と時間を要して、村の負担も重いという状況だとうかがっています。
 漁船は、連絡船と違って波の影響を直接受けるため、高齢者の方は乗り降りに大変困難があって、乗っている間もとても怖いというお話でした。眼科の診療を受けるために、そういう思いまでされているという、このことについては本当に急いで解決しなければいけない大事な課題だというふうに思っています。
 このような苦労があるということについては、ご存じなのかどうかということと、東京都として何か支援は考えられないのかということを聞かせてください。

 多摩島しょ振興担当部長 新島村の村営連絡船の2隻が先月の2月上旬に久里浜沖で座礁したことは把握しております。引き続き、国や新島村の動向を注視してまいります。

ぜひ、住民の意見を聞いてもらいたい
都としてできる支援を考えてほしい


 原のり子 注視をしていくということですけれども、ぜひいろいろご意見も聞いていただいて、東京都としてできる支援というのを私は考えていただきたいというふうに思います。
 離島振興計画をつくっていくというこの大事な時期でもあって、本当に島のみなさんが困っていることに手の届く、そういう計画にしていくということも、また本当に重要ではないかと思います。

島外医療の交通費や精神的な負担
それをどう解消していくのか


 原のり子 どの島も共通している大きな課題は島外医療、島の外の医療を受けなければならないときの交通費や、また精神的な負担です。その解消についてはどのようにすすめていくお考えでしようか。

 多摩島しょ振興担当部長 島しょ地域に住んでいる方々が島外の通院等を行う際には、往復の交通費や日帰りでできない場合の宿泊費など、相応の負担を要するとは認識はしております。
 こうした島外医療機関受診の実態につきましては、住民にいちばん身近な町村が把握していると考えており、町村が実情に即した支援を行っております。

対応するのは町村だ、というのは冷たくないか
都としてできる支援を考えるべきです


 原のり子 相応の負担を要するとは認識はしているけれども、対応は実態に即した町村だということで、ちょっと冷たいかなというふうに私は思いまして、島それぞれ違いはあるんですけれども、そこを東京都として全体を見て、できる支援というのを考えていくべきではないかなというふうに思います。

島外医療を受ける場合の交通費
宿泊費も含めて支援することを求めたい

 原のり子 私たち共産党都議団としては、今回2回目になりますけれども、厚生委員会に条例案を提案していまして、島外医療を受ける場合の交通費、これを支援する、宿泊費も含めて支援するというのを提案していて、多くの方に賛同していただきたいと思って提案をしてきましたけれども、ぜひ都でも考えていただきたいということを述べておきたいと思います。

離島振興法にのっとって
都は何をするのか


 原のり子 離島振興法では、第1条で人の往来及び生活に必要な物資等の輸送に要する費用が他の地域に比較して多額である状況を改善することが位置づけられています。また、地域格差の是正を図るということも位置づけています。そのために都は何をするのか見解をうかがいます。

 多摩島しょ振興担当部長 離島振興法では、離島は四方を海等に囲まれ、人口の減少が長期にわたり継続し、かつ高齢化が急速に進展するなど、他の地域に比較して厳しい自然的、社会条件の下にあることから、地理的及び自然的特性を生かした振興を図るため、離島の振興に関し基本理念を定めるなど、島しょの振興についての理念や方向性を定めております。
 本素案では、島民の航路、航空路の運賃の低廉化や毎上貨物運賃に係る支援に取り組んでいくこととしております。伊豆諸島の基幹産業である農業、水産業、観光などに係る産業基盤や生活基盤の整備など、幅広い分野の取り組みを掲げております。

離島振興計画素案について
ぜひとも、住民から直接意見を聞いてほしい


 原のり子 離島振興法でいっているその地域格差、これをどういうふうに埋めていくのかというのは、東京都としても本当に重要な課題だというふうに思います。大事なのは、やつばり島のみなさんの意見をよく聞いていくことだというふうに思います。
 そういう点で、離島振興計画素案について、今、島しょ町村において住民の意見を聴取するということになっていますけれども、どのように行っているのか、うかがいます。

 多摩島しょ振興担当部長 島しょ町村におきましては、それぞれの町村に属する島別の基本計画等につきまして、島民への意見聴取を行うこととしております。各島における島民への意見聴取は、ホームページに公表し意見を募集するなど、それぞれの実情に応じた形で実施をしております。

 原のり子 ぜひとも、直接意見を聞く努力をしていただくように強く求めておきます。

総務委員会で総務局に質問
後ろは日本共産党の福手ゆう子都議
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by hara-noriko | 2023-05-07 22:51 | 都議会 | Comments(0)

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