2023年1定総務委員会質問(4)市町村総合交付金   

都議会総務委員会で質問
市町村総合交付金の増額と改善を


 都議会2023年第1回定例会でおこなった私の質問を順次、紹介していきます。4回目は、市町村総合交付金をめぐる質問です。3月15日、総務委員会。質疑では「予算案」となっていますが、すでに2023年度予算として実行されています。

【私のコメント】

 市町村総合交付金は、多摩地域の自治体にとっては大変重要な財政補完制度です。各自治体が必要な事業を実施していくときに、財政力の違いが自治体の格差にならないようにするために、欠かせないものです。広域自治体である東京都の責任だと思います。共産党都議団は多摩格差をなくすために、この増額を一貫して求めてきています。私自身も、2017年に都議に当選して以来、何度も質問を重ねています。当選した当初は500億円でしたが、現在は総額592億円になりました。共産党都議団の予算組み替え案では、さらに50億円増額する提案を行いました。残念ながら、他党の賛成がなく組み替え案は否決されていますが、引き続き積極的な提案をおこない、さらなる増額へとりくみます。
 また、使い道が限定されてしまう政策連携枠については、使い勝手の改善を求めています。多摩地域の消防団は、消防ポンプ車を備えて、真っ先に現場にかけつけます。それなのに、23区にはポンプ車がないからといって、多摩のポンプ車を政策連携枠の対象外にするのはおかしい。是正を強く求めています。

市町村総合交付金
市の財政にとって重要な財政補完制度

 原のり子 最初に、市町村総合交付金についてうかがいます。
 市町村総合交付金は、市長会の来年度最重点要望にあるとおり、市町村の行政水準の向上と住民福祉の増進を図るために創設された交付金であり、市財政にとって重要な財政補完制度です。

4億円増額の592億円に
増額の理由は?


 原のり子 予算案では、今回4億円増額し592億円になります。4億円増額の理由及び政策連携枠と一般枠で2億円ずつとした理由をうかがいます。

 総務局行政部長 都内市町村では、人口減少や少子高齢化、交通インフラの整備、防災対策などに加え、DXや脱炭素化への取り組みなど、それぞれの地域で課題を抱えております。
 今年度実施した知事と市町村長との意見交換においても、市町村独自の取り組みなどに対する財政支援の要望をうかがっております。来年度は、各市町村の課題解決に向けた取り組みを後押しするため、前年度から4億円増の592億円を計上し、一般枠と政策連携枠をそれぞれ2億円の増額を図ったものでございます。

市町村の裁量で使える一般枠の増額
金額は少し小さいけれども、よかった


 原のり子 使い道が限定される政策連携枠だけでなく、市町村の裁量で使える一般枠も増やしたのは、金額は少し小さいですけれどもよかったと思っています。政策連携枠を増やすだけではカバーできない要望があるということだと思います。

政策連携枠に少子化対策が加わる
どういうことに充てるのか

 原のり子 今回は、新たに政策連携枠に少子化対策が加わりました。これはどういうことに充てることを想定しているのでしようか。

 行政部長 少子化対策の推進に向けて、市町村が地域の実情に応じて行う子ども、子育て支援を後押ししていく観点から、育業の取り組み促進、子育て支援の拠点整備、子どもの居場所づくりなどの取り組みを支援していくことを想定しております。具体的な対象事業については、今後市町村からご意見をうかがいながら制度設計をすすめてまいります。

18歳まで広がった子どもの医療費助成
多摩地域の一部負担や所得制限の改善に使うのか


 原のり子 来年度から子どもの医療費助成が18歳まで広がりますけれども、23区は完全無料化される一方で、多摩地域では、多くの自治体が一部負担や所得制限が残ります。こういうところに使うことなどを想定しているのかなというふうに思ったのですが、見解をうかがいます。

個人への金銭給付、費用負担軽減
政策連携枠では対象外としている


 行政部長 お話の少子化対策でございますが、政策連携枠では、政策課題の解決に向けた市町村の取り組みを後押しすることとしておりまして、個人への金銭給付ですとか、費用負担の軽減など、直接給付的事業については交付対象外としております。

子どもの医療費助成
どこに住んでいても差がないようにしてほしい

 原のり子 そういうふうなことであれば、一般枠であれば工夫して、市町村が対策を取れるともいえるのかなというふうに思います。
 いずれにしても、子どもの医療費助成については、都内のどこに住んでいても差がないようにしてほしいというのが、私たちずっと求めていることですので、それは子どもの医療費助成の拡充の問題できちんと議論をして、東京都としても、広域自治体としての責任を果たしてもらいたい、という意見は述べておきたいと思います。

政策連携枠
それぞれの項目の実績は?

 原のり子 それで、政策連携枠、それぞれの項目の実績を教えてください。

 行政部長 令和4年度(2022年度)市町村総合交付金交付額のうち、政策連携枠28億円の内訳については、待機児童対策が約14億7500万円、ゼロエミッションの推進が約2億4000千万円、消防団活動の充実が約1億2400万円、行政のデジタル化が約9億3200百万円、働き方改革による地域振興が約2900万円となってございます。

一般枠を増やしてほしい、が市長会の要望ではないか
ひもつきではない在り方が原則


 原のり子 そのように活用されているということを確認しました。
 政策連携枠の使い勝手について、どう改善をされてきたかうかがおうと思いましたけれども、他の議員の方からの質疑もありましたので、ここは省略したいと思います。
 市町村のご意見も聞きながら改善をしてきているということについては、大事だというふうに思います。ただ、一般枠こそ増やしてほしいということが市長会の要望だと私は思っています。
 (市長会の)最重点要望にも、交付額の総額を増額するとともに、配分に当たっては各市の自主性、特殊性を尊重し、個別事情がより的確に反映できるよう十分協議されたいと書かれています。本来、交付金の在り方からすれば、各市町村の自主性を尊重して、ひもつきではない在り方、これが原則だというふうに私も思っています。そういう中でも、実際に政策連携枠がある中でそれを活用しながら、市町村は、工夫しながら財政運営をしているわけです。

消防団を23区水準に引き上げるという考え方
消防団強化へ柔軟に活用できるよう改善が必要

 原のり子 そこで改善を求めたい1つは、以前文書質問を行ったんですけれども、消防団を23区水準にするという考え方なんですね。これ大事なんですけれども、23区水準に引き上げるという位置づけなんですけれども、消防団の強化に必要なら柔軟に活用できる、そういう形に改善が必要ではないかと考えますが、いかがですか。

 行政部長 市町村の消防団は、消防組織法の規定に基づきまして、各市町村が管理運営を担っておりますが、消防団の装備につきましては、特別区、多摩島しょといった地域の区別なく一定水準に高めていく必要があることから、都はこれまでも特別区の配備基準に対して、不足する装備品や資器材の購入を支援しているところでございます。

多摩地域の消防団は、ポンプ車を各分団が備えている
ポンプ車は23区にないから交付金の対象にならない


 原のり子 多摩地域の消防団は、ポンプ車を各分団が備えて、現場に真っ先に駆けつけるというところが大変多いです。そのポンプ車が古くなり買い換えるときに、23区では可搬ポンプですので、分団ではポンプ車を備えていないということから、政策連携枠の対象にポンプ車、ならないんですよね。23区水準にするという基準から外れるからということなんですけれども、消防団の水準を後退させないために、政策連携枠を活用できるようにすべきではないかと思いますが、いかがですか。

 行政部長 お話のポンプ車についてでございますけれども、先ほどご答弁申し上たように政策連携枠の対象とはなりませんが、地域の防災に果たす役割の大きさに鑑み、従来から消防団施設として、所要経費に係る一般賦原を市町村総合交付金で補完してございます。

財政力が厳しい市町村が多い
消防団のポンプ車が政策連携枠を使えるように改善してほしい


 原のり子 市町村は財政力が厳しい自治体も多いので、工夫しながら財政運営しています。消防団(のポンプ車)が政策連携枠を使えれば、その分一般枠はほかのことに充てることもできる、そういう工夫をしながらやっている中で、私はぜひできる改善はしていただきたい。ぜひ使い勝手がよいように、改善していただきたいということを強く求めておきたいと思います。

エゴノキの花
2023年1定総務委員会質問(4)市町村総合交付金_b0190576_22081165.jpg
2023年1定総務委員会質問(4)市町村総合交付金_b0190576_21480769.jpg
2023年1定総務委員会質問(4)市町村総合交付金_b0190576_21480908.jpg




by hara-noriko | 2023-05-08 22:12 | 都議会 | Comments(0)

<< 2023年1定総務委員会質問(... 2023年1定総務委員会質問(... >>