2023年1定総務委員会質問(7)東京オリンピック後の事態と都の責任   

都議会総務委員会で質問
談合問題など開催都市の責任が問われている


 都議会2023年第1回定例会でおこなった私の質問を順次、紹介しています。最終回の7回目は、東京オリンピック後の問題です。談合問題など深刻な事態になっている中で、都の姿勢がきわめて弱いことを指摘しながら、開催都市の東京都が責任を果たすよう求めました。3月14日、総務委員会で政策企画局に質問しました。事態が動いているので、この時点での質問であることを念頭にお読みください。

【私のコメント】

 談合、贈収賄…。逮捕者まで出る事態になった2020大会。このままの幕引きは許されません。都として検証し、問題を明らかにし、責任を果たすことが求められています。それなのに、4月からは、オリパラ調整部は廃止、また第三者機関を設置しての調査も後ろ向き。組織委員会の清算法人に清算人会もないため議事録はない。清算法人の評議員会がチェック機能を果たしているのかも見えない…。最後まで、きちんと責任と問題点を追及していかなければならないと改めて考えています。

東京2020大会後の調整について
オリ・パラ調整部が担ってきた役割はどういうものだったのか

 原のり子 東京2020大会後の調整について、うかがいます。
 組織改正の中で、オリンピック・パラリンピック調整部を廃止するとされていますけれども、組織織委員会(公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会)が清算法人に移行して以降、オリ・パラ調整部が担ってきた役割はどういうものだったのか確認します。
 (注)組織委員会は2022年6月30日に解散し、同年7月1日から清算法人に移行。オリンピック・パラリンピック調整部は都の政策企画局に設置された組織。

 政策企画局オリンピック・パラリンピック調整部長調整担当部長兼務 オリンピック・パラリンピック調整部では、大会後の各種調整業務や事業協力団体である清算法人への監護、連絡調整等を担ってまいりました。
 具体的には、大会関連施設の原状回復工事、大会経費の最終報告等に係る清算法人との連絡調整、東京2020大会の記録、経験の継承などに取り組んでまいりました。
 今年度の事業のうち、輸送拠点の原状回復工事や新国立競技場の公園部分の整備などの事業を終了しております。

レガシーレポート
いつ公表するのか

 原のり子 今年度(2022年度)は、レガシーレポートをまとめるというふうになっていましたけれども、その進捗状況はどうなっていますか。また、いつ公表するのかうかがいます。
 (注)レガシーとは、英語で「遺産」の意味。次の世代に受け継ぐべきもの、といった意味で使われています。

 政策企画局事業調整担当部長 現在、内容の取りまとめに向け、関係各局と連携して作業をすすめているところでございます。
 なお、公表の時期につきましては、内容の取りまとめ後に、IOC(国際オリンピック委員会)と調整させていただきます。
 (注)ここでいう「レガシーレポート」とは、都庁各局でのとりくみをまとめたもの。最終版を2022年にまとめることになっていましたが、現在まだ作業中とのことです。

談合、贈収賄、逮捕者…
負のレガシーの解明も必要なのに調整部を廃止とは

 原のり子 まだまとまっていない、公表の時期も決まっていない、ということですが、談合、贈収賄、逮捕者も次つぎ出ているという状況になっている中で、清算結了をとてもできる状況にはなく、また、今お話にあったレガシーレポートもこれからまとめていくということですけれども、その状況でオリ・パラ調整部が廃止になるというのは大変驚きですし、都としては無責任ではないのかなというふうに思っています。今、負のレガシーを解明していくということは、もう本当に欠かせない状況になっていると思います。

調整部が廃止されたあと
オリ・パラにかかわることはどの部署がやるのか


 原のり子 現在、オリ・パラ調整部の定数、47人だと思いますけれども、今後、連絡調整やオリ・パラに関わる問題については、どの部署が何人体制で担当するのでしようか。

 政策企画局総務部長 これまで、オリンピック・パラリンピック調整部において実施してまいりました業務のうち、継続が見込まれる業務や清算法人との連絡調整、各種問合せや調査チームの対応など、引き続き必要な業務につきましては、状況等に応じて、局として適切に対応できるよう、必要な人員体制を調整中でございます。

 原のり子 いまだに決まっていないということですよね。
 オリ・パラ調整部の職員のみなさんは、2020大会後の調整に全力で取り組んでこられていると思いますが、まだまだ、このオリンピック後の対策、対応、これについてはこれからが大事というところで、このような組織改正が行われるということは、東京都として責任を持ってこの問題の解決に取り組むのか、というふうに姿勢が疑われると私は感じています。

清算法人について
清算人会は設置されるのか


 原のり子 それでうかがいたいんですけれども、組織委員会の清算法人についてなんですが、この清算法人には清算人会は設置されているのか、うかがいます。

 オリ・パラ調整部長 清算法人からは、清算人は4名と少数であり、清算人の過半数の意思決定により、適切かつ機動的に清算業務をすすめられることから、清算人会は設置していないということと聞いてございます。

清算人会がないということは議事録もない
談合問題などが起きているなか、設置を求めていただきたい


 原のり子 清算人会がないということは、議事録もないということになります。たしかに清算人会は任意ですし、東京都が決めることではもちろんないんですけれども、ただ、あれだけの大きな仕事を担った組織の清算ですから、本来、清算人会を設置して、議事録も取って公開していくと、それぐらいの位置づけをすべきだというふうに私は思います。
 特に、談合問題などさまざまな問題が起きている中、清算人会で議題にして議論をすべきだというふうに思いますし、今からでも、東京都から清算人会を設置するよう求めていただきたいというふうに思いますが、いかがですか。

 オリ・パラ調整部長 繰り返しになりますが、清算法人からは、清算人は4名と少数であり、清算人の過半数の意思決定により、適切かつ機動的に清算業務をすすめられることから、清算人会は設置しないこととしたというふうに聞いてございます。

今こそ設置をお願いした方がいいのではないか
清算人会を設置して問題解決に当たっていくべきです


 原のり子 私は、今からでもといいましたけれども、今こそ設置を東京都からお願いをした方がいいのではないかというふうに思っているんですね。
 それは、先日、予算特別委員会の他の会派の委員の質疑で明らかになりましたけれども、清算法人に都の職員を派遣をするということですよね。今、20人ほど残られて、業務に当たっていらっしゃるわけですけれども、さらに派遣をするという話が出てきました。
 こういう判断になったということも、今の事態が重大だというあらわれですよね。そういうときに、私は、やはり清算法人として清算人会をきちんと設置をして、問題の解決に当たっていく、と。都の職員もさらに派遣をしようという、こういうときですから、東京都から求めるべきだというふうに思います。
 再度うかがいますが、清算人会の設置について求めていただけないでしようか。

 オリ・パラ調整部長 清算人会の設置等につきましては、清算法人として判断することと認識しております。
 清算法人からは、清算人は4名と少数であり、清算人の過半数の意思決定により、適切かつ機動的に清算業務をすすめられることから、清算人会は設置しないこととしたと聞いております。

 原のり子 それは分かっているんですけれども、今の深刻な事態、そして、都の職員もさらに派遣をしなければならないという判断をしている中で、私は東京都から求めるべきだということを述べておきたいというふうに思います。ぜひ検討してください。

評議員会について
これまでいつ開かれ、議題はどのようなものだったのか


 原のり子 次に聞きたいのは(清算法人の)評議員会についてです。
 評議員会は、これまでにいつ開かれて、議題はどのようなものだったか。また、今後の予定はどうなっているのか。把握していらっしゃれば教えてください。

 オリ・パラ調整部長 清算法人からは、昨年7月に書面開催した評議員会で評議員を選任し、9月に書面開催した評議員会で残余財産の帰属先を決定したと聞いております。
 今後も、定款に定める定時評議員会のほか、必要に応じて評議員会を開催するとのことでございます。

評議員会 書面開催しかない
談合など重大な問題がある きちんと開くべきだ


 原のり子 今うかがったところによると、昨年7月に書面開催した評議員会があって、ここでは評議員を選任している、と。9月に書面開催をした評議員会で残余財産の帰属先を決定している、ということですよね。これも両方とも書面開催だということです。
 今後の予定としても、定款に定める定時評議員会がある、と。必要に応じて開くという、そういうことで、今聞いた範囲では、ほぼ開かれていないといっていいのではないかと私は思いました。
 書面開催で行ったものも、あくまでも評議員を選任するとか、残余財産の帰属先を決定したということですので、今起きている談合の問題を含めてこの重大な中で、やっぱり評議員会のチェック機能というのは非常に重要なので、きちんと開かれるべきだというふうに思います。

副知事が評議員になっている
都は責任を果たすべきです


 原のり子 共産党都議団としては、代表質問でも、副知事が評議員になっているということも指摘しながら、責任を果たすように求めたところですけれども、改めてここでもいっておきたいというふうに思います。
 談合、汚職で対甫者も次つぎ出ていて、都職員の調査も含めて徹底して行わなければならない事態になっています。共産党都議団としては代表質問、予算特別委員会代表総括質疑においても質問を重ねてきました。

談合問題 調査チームのトップは潮田副知事
第三者機関を設置して調査することが必要だ


 原のり子 東京都は、談合問題について、外部有識者の下で調査をしていると答弁をしましたけれども、調査チームの設置要綱もなく、調査チームのトップは元オリ・パラ局長の潮田副知事ということです。外部有識者は潮田副知事の下で仕事をしているということも明らかになっています。
 最後になりますけれども、改めて第三者機関を設置しての調査が必要であると、このことを指摘をしまして、私の質問は終わりたいと思います。

【2023年第1回定例会・総務委員会での質問】
(1)コロナ対策 5類への移行と都の責任
(2)ヘイトスピーチ 朝鮮学校への補助金停止
(3)離島振興 医療の充実が切実
(4)市町村総合交付金 増額と改善を
(5)障害者の都職員採用 特性に配慮した試験の在り方
(6)住民監査請求と勧告をめぐって

質問する原のり子
後ろは、福手ゆう子都議
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雨に濡れて
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by hara-noriko | 2023-05-12 22:18 | 都議会 | Comments(0)

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