障害者医療費助成の拡充は緊急課題   

障害者団体の総会に参加して
切実な障害者医療費助成の拡充


 今、さまざまな団体の総会シーズンです。障害者関連の団体にもご案内をいただき、参加しています。障害者のみなさんの問題でも、権利や人権がないがしろにされている状況があることを、改めて考えさせられています。切実な問題の1つとして、東京都が実施している障害者医療費助成の問題があります。知的障害の方で「愛の手帳」3度、4度、中度・軽度の障害の方は障害者医療費助成の対象になっていないために、医療費が3割負担になっている、この問題です。
 (注)「愛の手帳」は、東京都が知的障害者に交付している手帳です。障害の程度によって1度から4度の区分があり、それに応じて各種の手当や制度を活用することができます。1度、2度の方は、障害者医療費助成制度の対象になり、多くの方が医療費の負担はありません。

障害者のお母さんが話してくれたこと
「1年間で医療費が30万円かかった」

 先日会ったお母さんは、涙を流しながら話をしてくれました。コロナのなかで医療費がものすごく増えている、といっていました。運動不足にもなり、障害をもっている娘さんが困難を抱えている。そういうなかで、なんと1年間で医療費が30万円かかったといっていました。それはどうしてかといいますと、てんかんなどの持病については1割負担になっていますが、歯医者さんとか、皮膚科とか、それ以外のご自分の障害にかかわらないものについては、3割負担になってしまうからです。
歯医者さんや目医者さん、皮膚科、その他、だんだん加齢に伴って、障害のある方々はたくさんの病院に通わなければなりません。そのときに、障害に直接かかわりがないだろうということで、多くの病気については3割負担になってしまうんです。それでこの娘さんは、50代ということで、3割負担で年間30万円かかった。そしてその間に、お父さんとお母さんも具合を悪くされて、お父さんは脳梗塞で倒れ、お母さんもがんになる、とういう状況になってしまったそうです。「私たち親がいなくなった後に、この子はお医者さんにかかることすらできなくならないのか、本当に心配だ」といっていました。

現状を放っておくわけにはいきません
どの障害でも助成が差別なく受けられるようにしたい


 私は改めて、この障害者医療費助成がどの障害でも差別なく受けられるようにしていく取り組みが待ったなしだ、と思っています。先日うかがった障害者団体の総会でも、総会が終わった後に、駆け寄ってきてくれたお母さんが、「うちの娘も3割負担です」と話をしてくれました。私は、障害者の方々が、これだけの医療費の負担を強いられていることを放っておくわけにはいかない、と思います。

高齢者の負担も増している
政治のあり方が根本からとわれています

 また、あるお母さんは「高齢者の医療も1割負担から2割負担になってしまって、そこでも大変な負担になっている」という話をしてくれました。高齢者も、障害者も、こうやって負担が重くなっている。今の国や東京都のあり方は根本から問われ直さなければならないのではないでしょうか。
 政治のいちばんの責任は命を守ることです。しかし、このように医療費がこんなにかかっては、お医者さんにかかることすらできない。これが今、障害者や家族のみなさんから寄せられている声です。

「障害者医療費助成の拡充」は私の公約
超党派の取り組みを強めたい


 私は、都議選のときにも、1期目も、2期目も、障害者医療費助成の拡充を公約に掲げて取り組んできました。その後、「障害者医療費助成の拡充をしてほしい」という陳情が2度にわたって全会一致で継続審査になるというところにまできました。あとは私たち都議が本当に超党派でこの取り組みを強めて、そして知事が障害者医療費助成の拡充に踏み出せるかどうか、このことが問われています。

障害のある人が安心して生きていけるために
障害者医療費助成の拡充は都政の最重要課題


 障害者団体の方々が、この問題を世間のみなさんにも知ってもらうために記者会見もやりたい、といっていました。障害者の方々が自ら声をあげる。お父さん、お母さんたちは障害をもった子どもたちが生まれてから、そして高齢になってからも、ずっと支援を続けて、支え続けている。この状況を一日も早く改善して、社会全体で障害のある人が安心して生きていけるようにしていく必要があります。ぜひみなさんと力を合わせて、この障害者医療費助成拡充の問題を東京都の最重要課題として取り組みを強めていきたいと思います。

「私たちのことを私たち抜きで決めないで」
当事者の声を聞きながら取り組みをすすめたい

 障害者自立支援法が廃止になったときに、その運動のみなさんの合言葉は「私たちのことを私たち抜きで決めないで」ということでした。障害のある人たちが生きていけるようにするために、障害のある人たちの声を聞いてすすめなければいけないのに、まったく声を聞かずにすすめている。この障害者自立支援法を廃止に追い込んだのは、障害者みなさんのこうした声でした。私はみなさんと一緒に、改めてこの原点に返って、障害者医療費助成の拡充、また、グループホームの増設、街のバリアフリー化なども含めて取り組みを強めていきたいと思います。

駅前でスピーチ
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by hara-noriko | 2023-05-15 23:26 | 東京都政 | Comments(0)

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