いまの政治、あまりにもひどすぎませんか   

いまの国会
とても胸が痛い


 みなさん、今、国会の状況、どのようにご覧になっていらっしゃいますか。私は連日、とても胸が痛い。胃も痛くなる。本当に苦しい。そういう今の政治状況だと思っています。なんでこんなにひどいことが次つぎと起こっているのか、そのことで多くの方が胸を痛めていらっしゃると思います。

少数者を排除・差別する政治でいいのか
すべての人の人権・命にかかわる大問題

 今の国会の、次つぎと悪法を通すという状況になっています。これらを総じていうならば、少数の方たち、マイノリティーの方たちを排除していく、差別していく内容だといえると思います。だから本当にこの状況をみていると、胸が苦しい、胸が痛い。
 LGBTQのみなさんの問題でも、また、難民申請をしている外国人の方々の問題でも、そして、保険証を廃止したらいちばん困る認知症や障害者の方々の問題でも、それは少数者の方々の問題に見えますけれども、すべての国民のみなさんの権利、人権、そして命にかかわる問題なんだということを改めて私はみなさんと共有したいと思っています。

少数者を痛めつける政治
戦争につながる事態を繰り返してはなりません

 いま、岸田政権ですすめられている政治は、少数者、マイノリティーの人たちを徹底的に痛めつけていく内容になっているのではないでしょうか。この流れはとても危険です。戦争が始まるときも、最初はさまざまな攻撃をされたのは一部の人たちでした。私たち日本共産党も、あの過去の戦争、侵略戦争のなかで、徹底的に排除された。あの小林多喜二(作家)も、特高警察に捕まって、拷問で命を落としました。そうやって共産主義者が最初に排除される、差別をされる、痛めつけられました。まさかこれがすべての人にかかわってくるとは誰も思っていなかったのではないでしょうか。でもやがては国民みんなが戦争に巻き込まれる事態になりました。こういうことを本当に繰り返してはいけないと思います。

LGBTQのみなさんへの理解増進といいながら
自公維国の4党修正案が本当にひどい

 LGBTQのみなさんへの差別を禁止する、理解増進をすすめるということで、国会では超党派で当事者のみなさんの話も聞きながら議論をすすめてきました。今国会には、日本共産党・立憲民主党・社民党が、自民党も含めた超党派の議連が2021年にまとめた理解増進法案を衆提出。自民・公明提出の与党案、日本維新の会・国民民主党案を含めた3案が審議されていました。与党案というのは、超党派の議連で決めた内容とは大きくかけ離れたものになってしまっています。さらに、自民・公明・維新・国民が一緒になって、与党案を修正しました。この4党修正案が本当にひどい内容でした。

多数派のなかで少数の人たちの意見をその範囲で認める
排除の論理に立つ4党修正案

 なかでも問題なのは、「全ての国民が安心して生活できる」という文言です。これは、「多数派」の国民に配慮する、マイノリティーの人たちだけに過剰な権利を主張させることはさせない、という姿勢がこの文言には表れています。つまり、国民の「多数派」が認める範囲で、少数の人たちの意見を認める。そういうものになってしまっています。これでは、理解増進どころか、差別増進になってしまう。排除の論理に立っている。それを痛感しました。LGBTQのみなさんがこれまでどれだけ苦労をしてきたかということがまったくわかっていない。学校や職場で差別されたり、アウティングで自ら命を絶った方もいる…。こういう状況をどう考えているのでしょうか。
 4党修正案は、6月9日の衆院内閣委員会で可決され、衆院本会議をへて参院に送られることになります。

LGBTQのみなさんの権利を守る
すべての人の権利が守られること


 LGBTQのみなさんの権利を守る、人権を守るということは、そのことを通じて、すべての人の権利が守られるということになります。今は、さまざまなところからLGBTQのみなさんが排除されています。いま、同性婚の裁判なども行われていて、先日の福岡地裁の判決(6月8日)では、同性婚を認められていないという状態は違憲状態だという判断が出ましたけれども、こういう判決が各地で出ている一方で、LGBTQの理解増進法は逆行するものになっています。
 いま実際にあるセクシュアルマイノリティーのみなさん、LGBTQのみなさんに対する差別をなくしていくことこそ、すべての人の人権を守っていくことにつながるんだということを、改めて私はいいたいと思います。自民・公明・維新・国民の修正案が参議院で最終的に可決されていくということになると、国際的にみても本当に遅れたレベル、大問題の内容だと思っています。

少数者のみなさんを踏みにじる
そんなことはあってはならない

 先日、G7で同性婚を認めていない国は日本だけであるということが明らかになって、大問題になっていますが、このG7に向けて、LGBT理解増進法をつくっていこうということになっていたわけですけれども、これすら岸田政権はできなかった。さらに、G7が終わって、与党のLGBT理解増進法案に修正を加えてさらに改悪するという形で通そうとしています。少数者のみなさんを踏みにじるようなことは絶対にあってはならない、といいたい。

当事者の声は
「崖から落とされたような気持ち」

 衆院内閣委員会で採決が強行された9日、LGBT法連合会のみなさんなど、当事者のみなさんが記者会見しました。「崖から落とされたような気持ちだ」とおっしゃっていました。そんなことをいわせていいのかと思います。LGBT法案はまだ審議の途中です。ですからみなさん、一緒に「少数者を排除し差別するような法律はダメだ」と声をあげていきましょう。私たち日本共産党も取り組みを強めていきます。

東京では賛成多数で人権尊重条例が成立
そして、パートナーシップ制度を実現


 この問題では、東京都でも人権尊重条例をつくるときに、私自身も総務委員で、この問題を議論してきました。自民党からは、同じようなことで反対の声が出されていました。だけれども、都議会のなかでも、LGBTQのみなさん、当事者のみなさんの声を受けとめて、賛成多数で人権尊重条例を成立させました。あらゆる差別は禁止、LGBTQのみなさんの権利を守っていく、性自認・性的指向によって差別をされてはいけない、ということを東京都の人権尊重条例では位置づけました。自民党はこれに対して継続審査を主張して反対しましたけれども、成立しました。その後、東京都はようやくパートナーシップ制度を実現するところにまできました。

同性婚が認められないのは違憲状態の判決
差別的なLGBT法案にストップをかけましょう

 同性婚の裁判が全国で行われていて、当事者のみなさんが差別を受けながらも勇気を振り絞って裁判に訴えた。そして福岡地裁でも、同性婚が認められないということで違憲状態にあるということが判決として出されました。こうやっていま、動いている途中なのに、国会では認識が大きく遅れて、差別的なLGBT法をつくろうとしています。みなさん、ご一緒にストップをかけていきましょう。LGBTQのみなさんの権利を守る、人権を守るということは、すべての人の人権を守っていくことにつながります。誰もが性的指向、性自認で差別されることがあってはならない。このことを改めて訴えていきたいと思います。

入管法の改悪も通された
仁比聡平参院議員が指摘した5つの問題

 いまの国会では、入管法の改悪が通されてしまいました。ウィシュマさんのご遺族のみなさんが、ウィシュマさんの遺影を持って傍聴している前で入管法の改悪が行われた。本当に胸が痛みます。
 入管法の改悪について、日本共産党の仁比聡平参院議員が「この改悪には反対だ」ということで反対討論を行いました。そのなかで、指摘したのは5つの問題です。1つは、難民申請中の強制送還、これは国際法に違反するんだということ。2つ目には、難民認定の一次審査に弁護士さんが同席をすることもダメ、録音や録画をとることもダメ、こういうことになっているのは本当に大問題だということ。3つ目には、難民の申請をしている方たちを自分たちの国に送還する、この送還のノルマを決めているという実態も明らかになりました。本当に驚きました。4つ目には、日本にいる子どもたちや家族まで強制送還の対象にするということ、これも許されるものではないということを指摘しました。そして5つ目には、今回の入管法の改悪のなかで、司法審査の導入を否定している、これは本当に問題だということを指摘しました。

難民申請している方の人権を守れない日本で
すべての国民の命が守れるわけがない

 日本共産党を含めた野党の提案では、これらを改善する、そうした最低限の提案を行いましたが、それが通ることはなく、入管法の改悪が通されるという事態になったわけです。外国人の方々、難民申請をしている方々の人権を守れない日本でいいのか、と改めて思います。外国人のみなさんの問題は、一部の人の問題ではありません。こういう方々の命と人権も守れないような国に、すべての国民のみなさんの命を守れるわけがありません。

少数者を切り捨てる政治に未来はない
ご一緒に声を上げましょう 政治を変えましょう


 少数だからといって切り捨てていく。外国人だからといって切り捨てる。こういう政治のあり方、社会のあり方を、本当にみなさんと一緒に変えていきたいと思います。この問題では、さまざまな方たち、またとりわけ若い人たちが、「外国人、難民のみなさんを差別するような国であってはいけない」と声をあげています。国会周辺でも連日、たくさんの方がたが集まって反対の声をあげ続けました。入管法の改悪案が通ってしまいましたが、まだ実施するまでには時間があります。これを実施させないという声を、あきらめずにあげていきたいと思っています。少数者を切り捨てる。差別する。こういう国に未来はないと私は思います。

日本の政治 いま大きな岐路に
一人ひとりの人権と命を守る当たり前の政治を

 いままさに、日本の政治、日本の社会は大きな岐路に立たされていると思います。一人ひとりの人権と命を守る当たり前の政治を、みなさんご一緒に実現していきましょう。私たち日本共産党はそのためにも、多くの国民のみなさんと、そして野党の共同も広げながら、人権を守る政治に切り替えていくために力を尽くしていきたいと思います。

駅前で「人権と命を守る当たり前の政治を」と訴えています
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後ろで訴えているのは北村りゅうた東久留米市議
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by hara-noriko | 2023-06-12 22:46 | 国政 | Comments(0)

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