文書質問から（２）東京都人権施策推進指針について
2023年 06月 15日
文書質問から
東京都人権施策推進指針について
３月に開かれた都議会第１会定例会で、文書質問を都に出していました。このほど、都から答弁（回答）がきましたので、質問と答弁とを一問一答の形で紹介します。質問のテーマは、▽東京都福祉保健基礎調査「障害者の生活実態」について▽島しょ振興について▽同和問題に関する専門相談について▽東京都人権施策推進指針について―の４つです。２回目は、人権施策推進指針についての一問一答です。
【私のコメント】
東京都人権施策推進指針は、「東京都における人権施策の基本理念や施策展開にあたっての基本的考え方を示したもの」です。一度、２０１５年に改訂されましたが、それ以降はいっさい改訂されていません。東京都においては、２０１８年に障害者差別解消条例、人権尊重条例、２０２１年にこども基本条例、２０２２年に手話言語条例が成立しています。また、２０２２年にはパートナーシップ制度の実施に伴い、人権尊重条例を一部改正しています。これだけの大きな変化、前進があるのに、指針を見直さないわけにいかないはずです。
たとえば、「性同一性障害」について書かれているのですが、２０１８年にＷＨＯ（世界保健機関）が精神疾患という分類からは外し、性別不合・性別違和と言われています。そうした前進も反映させるべきです。
今、国会におけるＬＧＢＴ法案の動きのなかで、セクシュアルマイノリティの方たちへの権利を守る、だれでも性自認・性的指向で差別されない、差別は禁止、ということではなく、マジョリティへの配慮を位置付ける本末転倒の修正案が自公維国から出されています。また、トランスバッシングもあまりにひどい…。今回の文書質問で、人権とは何か、と問いかけた質問は大事だったと思います。
一日も早く、人権指針を改定できるよう、引き続きとりくみます。
２０１５年改訂の東京都人権施策推進指針
その後も、人権に関する認識の発展が続いている
２０１９年の文書質問において、東京都人権施策推進指針（２０１５年８月改訂）の全面改定を求めたのに対し、「今後の改定の必要性や時期等につきましては、社会経済状況の変化等を踏まえ、慎重に検討していきます」との答弁がありました。その時点においても、子どもやトランスジェンダーに関する人権意識の発展から全面改定を求めたものですが、その後も人権に関する認識の変化や発展が続いています。
人権に関する認識や課題
変化していると都は認識しているか
（質問１）
２０１５年改定時から、現在までの間、人権に関する認識や課題は変化していると、都として認識していますか。
（答弁１）
平成２７年（２０１５年）８月に人権施策推進指針を改定して以来、国では、それぞれの課題に関する取組を推進するため、「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」、「部落差別の解消の推進に関する法律」、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」など、人権課題に関する法律を施行しています。
都においても、この間、東京２０２０大会の開催も契機として、いかなる種類の差別も許されないという人権尊重の理念を広く都民に浸透させていくため、人権尊重条例を制定し、性自認及び性的指向に関する不当な差別の解消及び啓発等の推進や、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消等に取り組んできました。
都としては、こうした取組により、多様性の尊重等に関する都民の理解が進んできたと考えています。
人権は、多数派が少数派の権利を認めるものではない
すべての人に生まれ持って存在している、と認識しているか
（質問２）
人権は、多数派が少数派の権利を認める、というものではなく、すべての人に生まれ持って存在しているものと認識していますか。
（答弁２）
人権とは、誰もが生まれながらに持っている、人間が人間らしく生きていくための権利と認識しています。
東京都人権施策推進指針
今日の到達を踏まえ、全面改定すべきです
（質問３）
東京都人権施策推進指針は、今日の到達を踏まえ、全面改定すべきです。認識と工程をうかがいます。
（答弁３）
東京都人権推進指針は、平成１２年（２０００年）に策定し、東京２０２０オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を契機に平成２７年（２０１５年）８月に改訂しました。
この指針では、あらゆる差別を許さないという人権意識が広く社会に浸透すること、多様性を尊重し、様々な違いに寛容であることなどを基本理念として、人権施策の推進に取り組み、国際都市にふさわしい人権が保障された都市を目指すとしており、この考え方は今日においても同様です。
【２０２３年第１回定例会文書質問】
（１）福祉保健基礎調査「障害者の生活実態」について
（３）島しょ地域 医療の課題は切実
（４）同和問題に関する専門相談について
東京都人権施策推進指針について
３月に開かれた都議会第１会定例会で、文書質問を都に出していました。このほど、都から答弁（回答）がきましたので、質問と答弁とを一問一答の形で紹介します。質問のテーマは、▽東京都福祉保健基礎調査「障害者の生活実態」について▽島しょ振興について▽同和問題に関する専門相談について▽東京都人権施策推進指針について―の４つです。２回目は、人権施策推進指針についての一問一答です。
【私のコメント】
東京都人権施策推進指針は、「東京都における人権施策の基本理念や施策展開にあたっての基本的考え方を示したもの」です。一度、２０１５年に改訂されましたが、それ以降はいっさい改訂されていません。東京都においては、２０１８年に障害者差別解消条例、人権尊重条例、２０２１年にこども基本条例、２０２２年に手話言語条例が成立しています。また、２０２２年にはパートナーシップ制度の実施に伴い、人権尊重条例を一部改正しています。これだけの大きな変化、前進があるのに、指針を見直さないわけにいかないはずです。
たとえば、「性同一性障害」について書かれているのですが、２０１８年にＷＨＯ（世界保健機関）が精神疾患という分類からは外し、性別不合・性別違和と言われています。そうした前進も反映させるべきです。
今、国会におけるＬＧＢＴ法案の動きのなかで、セクシュアルマイノリティの方たちへの権利を守る、だれでも性自認・性的指向で差別されない、差別は禁止、ということではなく、マジョリティへの配慮を位置付ける本末転倒の修正案が自公維国から出されています。また、トランスバッシングもあまりにひどい…。今回の文書質問で、人権とは何か、と問いかけた質問は大事だったと思います。
一日も早く、人権指針を改定できるよう、引き続きとりくみます。
２０１５年改訂の東京都人権施策推進指針
その後も、人権に関する認識の発展が続いている
２０１９年の文書質問において、東京都人権施策推進指針（２０１５年８月改訂）の全面改定を求めたのに対し、「今後の改定の必要性や時期等につきましては、社会経済状況の変化等を踏まえ、慎重に検討していきます」との答弁がありました。その時点においても、子どもやトランスジェンダーに関する人権意識の発展から全面改定を求めたものですが、その後も人権に関する認識の変化や発展が続いています。
人権に関する認識や課題
変化していると都は認識しているか
（質問１）
２０１５年改定時から、現在までの間、人権に関する認識や課題は変化していると、都として認識していますか。
（答弁１）
平成２７年（２０１５年）８月に人権施策推進指針を改定して以来、国では、それぞれの課題に関する取組を推進するため、「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」、「部落差別の解消の推進に関する法律」、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」など、人権課題に関する法律を施行しています。
都においても、この間、東京２０２０大会の開催も契機として、いかなる種類の差別も許されないという人権尊重の理念を広く都民に浸透させていくため、人権尊重条例を制定し、性自認及び性的指向に関する不当な差別の解消及び啓発等の推進や、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消等に取り組んできました。
都としては、こうした取組により、多様性の尊重等に関する都民の理解が進んできたと考えています。
人権は、多数派が少数派の権利を認めるものではない
すべての人に生まれ持って存在している、と認識しているか
（質問２）
人権は、多数派が少数派の権利を認める、というものではなく、すべての人に生まれ持って存在しているものと認識していますか。
（答弁２）
人権とは、誰もが生まれながらに持っている、人間が人間らしく生きていくための権利と認識しています。
東京都人権施策推進指針
今日の到達を踏まえ、全面改定すべきです
（質問３）
東京都人権施策推進指針は、今日の到達を踏まえ、全面改定すべきです。認識と工程をうかがいます。
（答弁３）
東京都人権推進指針は、平成１２年（２０００年）に策定し、東京２０２０オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を契機に平成２７年（２０１５年）８月に改訂しました。
この指針では、あらゆる差別を許さないという人権意識が広く社会に浸透すること、多様性を尊重し、様々な違いに寛容であることなどを基本理念として、人権施策の推進に取り組み、国際都市にふさわしい人権が保障された都市を目指すとしており、この考え方は今日においても同様です。
【２０２３年第１回定例会文書質問】
（１）福祉保健基礎調査「障害者の生活実態」について
（３）島しょ地域 医療の課題は切実
（４）同和問題に関する専門相談について
大きくなったカルガモの雛たち
by hara-noriko | 2023-06-15 14:38 | 東京都政 | Comments(0)
