文書質問から(3)島しょ地域 医療の課題は切実   

文書質問から
島しょ振興について


 3月に開かれた都議会第1会定例会で、文書質問を都に出していました。このほど、都から答弁(回答)がきましたので、質問と答弁とを一問一答の形で紹介します。質問のテーマは、▽東京都福祉保健基礎調査「障害者の生活実態」について▽島しょ振興について▽同和問題に関する専門相談について▽人権施策推進指針について―の4つです。3回目は、島しょ振興についてです。

【私のコメント】

 総務委員会での質疑したことに続けて、文書質問で島しょ地域について質問しました。離島振興法では、地域間格差の是正は国と地方公共団体がすすめる、となっていることをもとに質問しています。同じ都民でありながら、島の人たちが医療をはじめさまざまな困難があることは是正しなければならないことです。都は、なかなか積極的な答弁をしませんが、むこう10年の新しい計画をつくる時期なのでチャンスです。質問を重ねていきたいと思います。

離島振興計画の策定
より良い計画にすることが求められている

 2023年度から10年間の離島振興計画が策定されます。島しょ町村民をはじめ、都民の意見を十分に聞き、より良い計画にしていくことが求められています。離島であるがゆえに、東京の島しょ地域はさまざまな苦労があります。

どの島も医療が共通の課題 
島外医療の交通費や宿泊費の負担が重い

 (質問1)離島振興法では、第1条(目的)に、産業基盤や生活環境等に関する地域格差の是正をはかる、とあります。また、第5条(事業の実施)では、国、地方公共団体その他のものが実施する、とあります。島しょ地域の困難を解決するためには、東京都がどのように役割を果たしていくかもとても重要です。認識をうかがいます。
 
 どこの島でも共通して課題になっているのが、医療です。命にかかわる問題であり、島のみなさんが安心して医療機関にかかれるようにすることは、切実かつ焦眉の課題です。
 離島振興法第11条の2「国及び地方公共団体は、離島振興対策実施地域における保健医療サービス、介護サービス、高齢者福祉サービス及び保育サービスを受けるための条件の他の地域との格差の是正を図るため、離島振興対策実施地域の住民がこれらのサービスを受けるための住民負担の軽減について適切な配慮をするものとする」とあり、保健医療など、他の地域との格差是正を国及び地方公共団体に義務付けています。同じ都民でありながら、島外医療をうけるときの交通費や宿泊費の負担は重く、大きな格差があります。

(答弁1)
 都は、離島振興法に基づき、東京都離島振興計画を策定することとしており、都としては、これまでも伊豆諸島の基幹産業である農業、水産業、観光等に係る産業基盤や生活基盤の整備などに取り組んでいます。

島外医療機関への通院助成
東京都も実施すべきです


 (質問2)
 現在、伊豆諸島の町村では島外医療機関への通院助成を行っていますが、東京都には制度がありません。町村任せにせず、東京都も支援をすべきと考えますが、いかがですか。

 かつては、東京都の「巡回診療」がありましたが、廃止され、その後実施主体が町村に変更され、「専門診療」がおこなわれています。専門診療は、島しょ地域の町村の要請により、本土から眼科や耳鼻咽喉科などの医師や看護師を派遣する制度となっています。島内に専門診療科がなかったり、少ないなどの課題がある島しょ地域では重要な制度ですが、年に数回のため受診機会が限られてしまいます。そのため、診療の日には何十人もの受診となり、医師や看護師、住民にも大きな負担です。

 (答弁2)
 島しょ地域の住民が本土の医療機関を受診する際の交通費等の支援は、町村が地域の実情に応じて実施しています。

専門診療
複数の医師や看護師を派遣できるのか

 (質問3)
 専門診療については、町村が希望すれば、複数の医師や看護師を派遣できるのか、うかばいます。また、新島村のような2島1村の場合、両方の島に派遣できるのですか。都が実施している町村に対する支援内容をうかがいます。

 (答弁3)
 都は、へき地専門医療確保事業により、眼科、耳鼻咽喉科、整形外科など、島しょの町村内で確保することが困難な診療科の専門医師等を確保し、定期的に診療を実施する町村に対し、医師等の確保経費を補助しています。
 本事業は、地域の実情を踏まえ、複数の医師の確保や診療の実施場所の選定が可能です。

専門診療の回数を増やすために
補助の上限の引き上げや撤廃などを検討すべきです


 (質問4)
 専門診療の回数を増やすために、補助の上限の引き上げや撤廃などを検討すべきですが、いかがですか。また、日常的に医師や看護師を確保できるようすべきですが、いかがですか。

 (答弁4)
 都は、へき地専門医療確保事業により、眼科、耳鼻咽喉科、整形外科など、島しょの町村内で確保することが困難な診療科の専門医師等を確保し、定期的に診療を実施する町村に対し、医師等の確保経費を補助しています。
 また、へき地勤務医師等確保事業等により、島しょの全町村において常勤医師を確保するとともに、画像電送システムを活用した専門医による診療支援を行っています。

新島村で新島と式根島を結ぶ村営連絡船
座礁で運航不能に 都の認識は?

 (質問5)
 次に、具体的な急がれる問題についてうかがいます。
 新島村で新島と式根島を結ぶ村営連絡船が座礁により運航不能となり、現在は漁船で代行しています。修理をするにも大きな金額と時間を要し、村の負担は重いものがあります。漁船は連絡船と違い、波の影響を直接受け、高齢者は乗り降りに大きな困難があり、「怖い」との声も聞かれます。2島1村である新島村のこうした困難についての認識をうかがいます。

 (答弁5)
 新島村の村営連絡船の「にしき」が、久里浜沖で座礁したことは把握しています。

村営連絡船であっても
都ができる支援をしていくべきです


 (質問6)
 離島振興計画素案では、「離島航路を維持するため、国との連携により、引き続き、運航事業者の航路運営に係る損失への支援を実施していく」とあります。こうした立場にたてば、村営連絡船であっても、東京都ができる支援をしていくべきと考えますがいかがですか。

 (答弁6)
 都は、国が実施する離島航路補助制度に基づき、本土と離島を結ぶ航路等について国と連携して補助を実施しています。
 本制度では、一つの離島につき一つの航路のみを補助対象としており、新島と式根島間は、下田を起点とする神新汽船の航路が対象となっていることから、村営連絡船については対象外となっています。

【2023年第1回定例会文書質問】
(1)福祉保健基礎調査「障害者の生活実態」について
(2)東京都人権施策推進指針について
(4)同和問題に関する専門相談について

ネムの花
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by hara-noriko | 2023-06-17 21:10 | 東京都政 | Comments(0)

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