文書質問から(4)同和問題に関する専門相談について   

文書質問から
同和問題に関する専門相談について


 3月に開かれた都議会第1会定例会で、文書質問を都に出していました。このほど、都から答弁(回答)がきましたので、質問と答弁とを一問一答の形で紹介します。質問のテーマは、▽東京都福祉保健基礎調査「障害者の生活実態」について▽島しょ振興について▽同和問題に関する専門相談について▽人権施策推進指針について―の4つです。最終回の4回目は、同和問題に関する専門相談についての一問一答です。

【私のコメント】

 2017年に都議になったときは、同和問題の特定相談が2団体により行われていました。相談件数がとても多く、そのことを総務委員会で質問したところ、一人がいくつも相談すればそれらを相談件数としてカウントしていることがわかり、是正を求め、その後改善されました。相談を多く見せかけるようなやり方はすべきではなく、実態がきちんと反映されていることが大切です。私は、同和特定相談はやめて、一般の人権相談で対応していくべきではないか、と提起しました。その後、同和特定相談はやめることになったのですが、今度は入札により、同和問題専門相談を委託すると変更され、毎年500万円の予算で実施されるようになりました。
 今回の質問でとりあげたのは、また件数が大きく増え、コロナ禍のなかでも対面の相談が増えている(相談場所は非公開)ことから、それはなぜなのか、どんな相談がきているのか、確認する必要があると感じたからです。質問した結果、件数や内容の分析はほとんどなく、でも、専門相談が必要、という結論になっていると言わざるをえないと思いました。共産党都議団としては、予算組み替え案でも、専門相談はとりやめて、人権の一般相談で受けるように提起しています。引き続き、人権を守る立場から、相談事業が改善されるようとりくんでいきます。

専門相談 電話と対話で
相談が増加している要因は


 (質問1)
 同和問題に関する専門相談についてうかがいます。現在、火曜日と金曜日(祝日・年末年始除く)に、受託事業者の事務所において、電話と対面で実施されています。
 電話での相談件数が2019年度205件、2020年度364件、2021年度556件と増加しています。その要因はどのようにみていますか。

 (答弁1)
 相談件数の増加については、平成30年(2018年)に開始した「同和問題に関する専門相談」の都民への周知が進んできたこと、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、生活や事業運営に不安を抱える方々の相談ニーズが高まったことがその要因と考えています。

人数でカウントしているのか
件数でカウントしているのか


 (質問2)
 週2日の相談で、556件ということですが、この件数は、人数でカウントしていますか。一人で何件も相談があった場合は、件数にカウントしていますか。

 (答弁2)
 相談件数は、電話又は対面での相談の都度、1件と計上しています。

どんな相談が寄せられているのか
同和にかかわるものとかかわらないものの比率は


 (質問3)
 相談内容はどういうものですか。差別をなくすことが大事ですから、専門相談の相談内容をきちんと分析して明らかにすべきと考えます。専門相談開始後、同和を理由とした差別の相談はどのぐらいあったか、その内容はどういうものか、本人からの相談か、同和を理由としない相談内容はどういうものか、同和にかかわるものとかかわらないものの比率はどうか、うかがいます。

 (答弁3)
 専用相談に相談してきた方は、同和問題に関する相談をされてきたものと認識しています。また、本人か否かを問わず相談に対応しており、個別の集計は行っていません。

対面の相談件数は
相談にする基準はありますか


 (質問4)
 対面での相談も実施しているとのことですが、その件数は何件ですか。対面での相談にする場合の基準はありますか。

 (答弁4)
 令和3年度(2021年度)は、対面で相談を行った件数は446件です。対面での相談は、相談者の希望により行っています。

対面を希望する人には
事務所をお知らせするということか


 (質問5)
 ホームページでは、場所のお知らせはありません。あくまで電話で対面を希望したら事務所をお知らせして直接来てもらうということでしょうか。

 (答弁5)
 対面での相談については、事前の予約を求めており、電話での予約の際に、相談場所を案内しています。

相談事業は競争入札
受託者は同じ業者か


 (質問6)
 この相談事業は競争入札で受託者が決まっていますが、この5年間、入札への参加者数とともに、受託者は同じ事業者かうかがいます。

 (答弁6)
 同和問題に関する専門相談については、毎年度、総合評価方式による入札によって、受託者を決定しています。この5年間は、いずれの年も入札参加者は1者であり、同一の事業者です。

一般相談の中で対応すればよいと考える
都の見解をうかがう

 (質問7)
 都人権プラザでは人権の一般相談が実施されています。同和について、専門相談としてとりださなくても、一般相談の中で対応すればよいと考えます。見解をうかがいます。

 (答弁7)
 同和問題に関する専門相談は、同和問題に関する都民の悩みや不安の解消及び同和問題に関する正しい知識の理解促進を図ることを目的として実施しており、相談窓口では、都民からの相談に対し、専門的な知識をもつ相談員が、助言や情報提供を行うとともに、必要に応じて適切な支援機関に繋いでいます。
 同和問題に関連した相談のほとんどは、東京都人権プラザの一般相談ではなく、専門相談に寄せられており、都民の専門相談へのニーズがあるものと考えています。

【2023年第1回定例会文書質問】
(1)福祉保健基礎調査「障害者の生活実態」について
(2)東京都人権施策推進指針について
(3)島しょ地域 医療の課題は切実

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by hara-noriko | 2023-06-19 21:46 | 東京都政 | Comments(0)

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