2023年都議会第2回定例会 私の質問から(1)政策連携団体   

総務委員会で質問
政策連携団体に対する指導・監督のあり方をめぐって

 都議会第2回定例会の総務委員会でおこなった私の質問を紹介します。総務局への質問です。初回は、東京都が政策連携団体に対する指導・監督のあり方を変えることをめぐり、その乱暴なやり方や東京都の責任について質しました。

【私のコメント】

 東京都には政策連携団体というものがあります。都と協働して事業等を執行し、又は提案し、都と政策実現に向け連携するなど、特に都政との関連性が高い団体で、全庁的に指導監督を行う必要がある団体を「東京都政策連携団体」と位置付けている、と都は説明しています。現在32団体(一覧は こちら から)。
 本来、東京都自らが行うべき内容を担っているのが政策連携団体です。毎年、すべての団体が自ら経営改革をどうすすめていくのか、プランを出しています。それを経営評価委員会という外部有識者によってチェックし、意見を述べるという仕組みになっています。この仕組みがどうだったのかという検証もなく、突然、委員会は廃止して仕組みを変えるということがわかり、本当に驚きました。
 今後は、団体そのものの状況の把握に外部の目は入らないということになり、いかに東京都の施策に貢献しているかということが中心になります。本当にそれでいいのか。また、このような重要なことをどのように検討していつ決めたのかもはっきりしない…。このことについては、委員会後に開示請求しましたが、年度末に決めた、ということのみ。
 都政の重要な仕事を担う政策連携団体が、どのような取り組みをしているのか、団体として問題はないのか、都民からみてわかるようにしておくことが重要です。引き続きとりくんでいきます。

政策連携団体の経営目標評価制度とはどういうものか
評価制度をどう変えるのか


 原のり子 それでは、質問します。まず最初に、政策連携団体経営改革プラン2023年度改訂版についてです。
 6ページには、「政策連携団体経営目標評価制度」及び今後の取り組み予定というものが記載されています。これによると、これまでの経営目標評価制度からグルーブ連携事業評価制度に変えるとのことです。何がどう変わるのか、うかがっていきたいと思います。改めて確認しますが、これまでの経営目標評価制度というのはどういうものだったのか、そしてそれをなぜやめることにしたのか。

 総務局グループ経営戦略担当部長 経営目標評価制度により、政策連携団体の自律的な経営改革を進めてきたところであります。今年度から、政策連携団体の評価につきましては財務局に移管し、成果重視の視点で、具体的な事業の見直し等へつなげる仕組みといたしました。

総務局から財務局に移管
「成果重視」の成果とは


 原のり子 ちょっと1点教えていただきたいんですが、財務局に移管し、成果重視の視点でという、この場合の成果というのはどういうものか、教えてください。

 グループ経営戦略担当部長 政策評価、事業評価と併せて、都庁グループ全体としての成果を重視した評価を行っていくものであります。

外部有識者による評価委員会も廃止に
これについて評価委員会の意見を聞いたのか

 原のり子 それでは、経営目標評価制度をやめることに伴い、外部有識者による評価委員会も廃止になるということについてもうかがいたいんですが、評価委員会には意見を聞いたのでしようか。また、どのような意見があったのか。

 グループ経営戦略担当部長 評価委員会の委員の皆様からは、団体の活動内容を見える化し、PDCAサイクルを回していく取り組みは、一定程度定着してきたとの意見や、今後も必要な仕組みを適時適切に導入し、団体組織経営に関する自律的なPDCAサイクルを的確に展開されたいなどのご意見をいただいたところであります。
 (注)PDCAサイクル=Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(対策)を繰り返し行い、業務を改善する手法

評価委員会の議事録を読むと
厳しい意見が出ている


 原のり子 評価委員の方々から提言としても出されていますけれども、第3回、第4回の評価委員会の議事録を読みますと、今ご答弁にあった以上にかなり厳しい意見が出ているというふうに思いました。
 例えば、お金の出し方については財務局の方で引き続き見ていくということだけれども、組織の在り方については、都庁の事務局が行政の仕事の一部として、ガバナンス管理の状況をチェックするということになる、これは非常にハードルの高い作業であって、なかなか簡単ではない。こういうような意見が出ていまして、これらがどういうふうに意見を集約されて今後に生かされていくのかというふうに思います。

今回のすすめ方に疑問がある
評価委員会は廃止を議論のテーマにしていない


 原のり子 それで、私は、内容もいろいろ精査していかなければいけないんですが、今回の進め方について非常に疑問を持っています。
 評価委員会では、これまでの評価制度を変えて、評価委員会を廃止するということ自体は議論はされていないんですよね。ご意見は出されていますけれども、それ自身はテーマになっていません。
 1月11日の第3回の議事録を見ても、昨年の第4回都議会定例会で質疑があって、それによって変えることになったというふうに当時の部長がお話をされているんですね。だから、そういうことは分かったんですけれども、議論のテーマにはしていないんです。
 それで、このときの部長の発言からすると、年末のお忙しいときに時間を取っていただいて、委員の皆さんに了承してもらったという発言になっているんですね。ですから、委員の皆さんには個別に、評価制度を変えるということと評価委員会を廃止しますということを年末に伝えられたということだと思うんです。

評価制度の変更と委員会の廃止
いつの段階で決めたのか


 原のり子 そうすると、第4回定例会で質疑をして、年末に、本当に1カ月もたたないうちにそのことを話している、と。第4回定例会での質疑後、いつの段階で評価制度(の変更)と委員会の廃止を決めたのか教えてください。

 グループ経営戦略担当部長 政策連携団体に対する評価制度の見直しを受け、昨年度末に評価委員会を廃止したものであります。

 原のり子 いつその評価委員会の廃止を決めたのか、と。都庁としてですね。それを知りたいんですね。それで、何でこんなに急いだのかというのが、私、分からないので聞いているんです。いつ決めたんですか。

2022年度末に廃止を決定
委員のみなさんには22年末には話が伝わっている


 グループ経営戦略担当部長 昨年度末(2022年度末)に評価委員会を廃止することを決定いたしました。

 原のり子 それはどういうことなんでしようかね。第3回の評価委員会では、部長の話があって、暮れのお忙しい中、委員の皆様方へ説明のお時間を頂戴しましたが、その際には経営改革プランの、今回、2023年度の改定に向けまして、今年度末まで変わらずご助言いただくことにつきましてご快諾をいただき、心より感謝とお礼を申し上げますというふうにいって、その後、委員の皆さんが、そろそろ最後だからということで意見をいわれているんですね。ですから、この前には決まっていたということなんですね。年末には話がいっているわけです、委員の皆さんには。
 私は、ちょっとこの進め方は、特に外部有識者の評価委員会を廃止をするというのは、とても大きなことなので、それが一体どこでどんなふうに決まったのかというのが分からないというのは非常に問題だと思うんですね。
 それで、ご答弁が同じ答弁が来てしまうので、ちょっと困ったなと思ったんですけれども、いつ決めたというのもいえないというのは、やっぱりまずいというふうに思います。これは今後もちょっと指摘もし、私も調べていきたいと思います。

急いで評価委員の会の廃止を決めながら
新しい制度の全体像を示せないのは大問題だ


 原のり子 グループ連携事業評価制度は、より成果重視の視点ということが強調されているんですけれども、さっき成果という言葉が出てきましたが、これがどういう内容になるのか、今までの制度とどう違うんですかということや、また、新しい評価制度の中で外部有識者の意見も踏まえると書かれているんですけれども、じゃあ新たな評価委員会を設置するんですか、また、外部有識者というのはどういう人たちを指しているんですかということを、実は委員会の前に担当の方にうかがいました。でも、これは今度財務局ですからということなんですね。
 ですから、総務局では答えられないというんですけれども、しかしこれだけ急いで評価委員会を廃止するということも決めて、このような大きなことを進めるのに、今の段階で今回の制度がどうなるかという全体像を示せないというのは、総務局か財務局かという問題ではなくて、非常に私は大きな問題だといわざるを得ないんですね。

再度聞く
都が評価委員会の廃止を決めたのはいつなのか


 原のり子 それで、もう一度聞きますけれども、これ(評価委員会の廃止)を決定したのはいつなのか、お答えできませんか。

 グループ経営戦略担当部長 年末に評価委員の先生にお話ししたことは事実でございますが、最終的にこの評価委員会の廃止を決定したのは、昨年度末でございます。

12月の都議会で制度を変えるという知事答弁
評価委員のみなさんに話をするまでに1カ月もない


 原のり子 最終的に決定したのは年度末、と。それで、評価委員の皆さんには、その前に年末にお話をしている、と。
 それで、先ほどいったように、12月の第4回定例会のときに質疑があって、知事の答弁があって、それを受けて制度を変えるというふうになっているんですよね。この期間は僅か本当に1カ月ないわけです、評価委員の皆さんにお話しするまでの間に。この進め方は非常に問題ではないですか。

今後は財務局がグルーブ連携事業評価を行う
指導監督責任は総務局に


 原のり子 さらに、ちょっと聞きたいんですけれども、今後は財務局がグルーブ連携事業評価を行うということです。一方で、政策連携団体の指導監督責任は総務局がこれまでどおり行うというふうにいっています。
 では、評価制度を廃止することによって、政策連携団体の指導監督に関する要綱、これはどのように変わるんですか。

 グループ経営戦略担当部長 評価制度が財務局に移管したことに伴う所要の規定整備を行ったところであります。

経営目標評価制度を経営目標管理に
総務局で管理する経営改革プランはどう変わるのか


 原のり子 これは具体的にいうと、要綱の第8が、今までの経営目標評価制度となっていたものを、経営目標管理の推進ということになるわけですよね。それで、評価をするというものを全部管理というふうに書き換えるという内容になっているんですね。
 そうすると、総務局で管理する経営改革プランの内容は、これまでとどのように変わるんですか。

 グループ経営戦略担当部長 経営改革プランでございますが、今年度が最終年度であり、引き続き、経営目標管理を通じた自律的な経営改革の推進に向けて取り組んでまいります。

経営改革プランはなくなる
評価委員会の制度もなくなる


 原のり子 経営改革プランはなくなるというわけですよね。
 これまで団体の評価というのも行われてきましたけれども、それもなくなるということだと思うんですね。もし違っていたらご指摘ください。なくなるんだと思います。

評価委員会の設置
そもそも目的はなんだったのか


 原のり子 それで、2017年に評価委員会の設置をしているんですけれども、この評価委員会を設置したそもそもの目的は何だったのか確認します。

 グループ経営戦略担当部長 政策連携団体経営目標評価制度に係る評価委員会は、団体の経営責任の明確化を図るとともに、自律的な経営改革を促進するため、外部有識者の意見を踏まえ、団体が設定した目標の達成度を客観的に評価する仕組みとして、平成29年(2017年)に設置したものであります。

評価委員会をなくして財務局が外部の目を入れる
それがどういう形になるかはわからない


 原のり子 このときも、いろいろ総務委員会でも議論があったことを思い出しますけれども、当時、総務局長も本会議で、その理由をこういうふうにいっています。外部有識者で構成される評価委員会から意見聴取する仕組みの導入など、都民目線での制度の充実なんだというふうに説明していました。
 今回評価委員会はなくして、それで、今、財務局の方で外部の人の目を入れる、と。それがどういう形になるかというのはまったく分からないというなかでは、かなり変わる可能性もありますし、また、これまでの評価委員会がどうだったかという、そういう総括もまた本来必要だというふうに思うんですね。

政策連携団体の状況については外部の目を入れない
事業の評価を予算と結びつけて行うことに


 原のり子 ただはっきりしているのは、団体の状況については外部の目は入れないんですよね。外部の評価を行わないということにここでなったわけです。だけれども、事業の評価を予算と結びつけて、都庁グループとしての、その評価は行うとなったわけです。
 そうなると、都としては、これまでのように政策連携団体全体に共通の視点や目標を設定したり、例えば障害者雇用の推進のために働きかけをするとか、そういうことというのは同じように行われるものなんですか。

 グループ経営戦略担当部長 団体所管局を通じまして、引き続き適時適切に指導監督を行ってまいります。

団体の状況や人員体制などを把握して指導監督する
評価委員会がやってきたことを廃止するので都の責任は大きい


 原のり子 適時適切に指導監督を行っていくということです。
 政策連携団体は入れ替わりもあります。今後新たに、直近では「Gove Tech 東京」なども加わるんだというふうに思うんですね。都の事業への貢献度などだけではなくて、その団体の状況や人員体制など、そういうこともちゃんと把握をして指導監督するということが求められているわけです。評価委員会が今までやってきたということですが、これを今回廃止をするわけだから、東京都の責任は、その点では非常に大きいということになると思うんですね。

政策連携団体について
情報公開をもっと強める必要がある


 原のり子 これまでも繰り返し指摘してきているんですけれども、情報公開をもっと強めるという必要があると思っています、政策連携団体について。政策連携団体は、都にとって、都が掲げる政策の実現を図っていくためのパートナー、グループだというふうに位置づけているのですから、情報公開をもっと強めていく必要があると思います。
 例えば、保健医療公社はもう解散になりましたけれども、この保健医療公社の評議員会も議事録を公開していませんでしたけれども、公開すべきだということで公開されるようになりました。こういうことをやっぱり東京都、総務局がもっと各団体に働きかけて、透明性を確保していくべきだということを強く指摘しておきたいと思います。

日本共産党清瀬市議団の市政報告懇談会で都政報告
(左から)穴見れいな市議、香川やすのり市議、
原のり子、原田ひろみ市議、佐々木あつ子市議
2023年都議会第2回定例会 私の質問から(1)政策連携団体_b0190576_22074503.jpg




by hara-noriko | 2023-07-31 22:08 | 都議会 | Comments(0)

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