2023年都議会第2回定例会 私の質問から(2)離島振興
2023年 08月 01日
離島振興を
都議会第2回定例会の総務委員会でおこなった私の質問を紹介しています。総務局への質問です。2回目は離島振興です。
【私のコメント】
この間、離島振興について、委員会質問、文書質問で重ねてとりくんできました。いよいよ新しい離島振興計画ができましたが、振興策が具体的にすすむよう、引き続き取り組んでいきたいと思っています。この間、島の共産党議員のみなさんにも島の課題を教えていただき、連携してとりくむようにしています。くさや産業が苦境に立たされているということも、大変ショックでした。知事は、東京の島について「宝島」と言っていますが、そうであるなら、島の産業をしっかり支え、島民の暮らし・福祉をもっと応援していくべきです。引き続き取り組んでいきます。
東京都離島振興計画
今後10年間の計画が策定された
原のり子 東京都離島振興計画について、うかがいます。
これから10年間(2023年度から2032年度)の計画が策定されました。10年後にめざすべき姿と方針が示されています。新たな計画をつくる上で大事なのは、これまでの計画での目標は達成されたのか、課題は何かということだと思います。
これまでの計画は達成されたのか
今回の計画の課題は何か
原のり子 これまでの離島振興計画でも、今回と同じように10年後の姿が示されていました。それらは達成されたのでしようか。また、今回の計画における課題についてうかがいます。
総務局多摩島しょ振興担当部長・大島災害復興対策担当部長・事業調整担当部長・多摩島しょ移住定住促進担当部長兼務 前回の離島振興計画では、海底光ファイバーケーブルの整備を促進し、全島で超高速プロードバンドを利用可能としたほか、津波避難施設の整備を完了し、津波に対する防災性が向上するなどの成果を上げております。
一方、今回の計画においては、気候変動や南海トラフ巨大地震、新型コロナなどの新たな感染症への対応、脱炭素や関係人口の創出などへの課題に取り組むこととしております。
持続していく島であるための必要な課題は未達成
たとえば農業の確保・育成はずっと課題になっている
原のり子 これまでの計画の10年後の姿として書かれていたものと今回の計画の10年後の姿には、基本的には大きな違いはないのではないかと私は読みました。
つまり、持続していく島であるために必要な課題というのは、まだ未達成だということだと思うんですね。ずっと努力をし続けなければならないともいえると思いますが、例えば農業振興でも、担い手の確保・育成については、10年前も今もずっと課題になっています。そのことを踏まえるということが大切だと思っています。
コロナ対策
これまでの取り組みをどう総括しているか
原のり子 今回の離島振興計画の概要では、これまでの取り組みや成果などについて触れて、今ご答弁にあったような内容がいわれました。
その中で、コロナ対策については、これまでの取り組みについてどう総括されていますか。
多摩島しょ振興担当部長 新型コロナは、伊豆諸島の人々の生活や社会経済活動等にも大きな影響を与えております。
一方、テレワークやワーケーションなどの新しい働き方、暮らし方が注目されたことを伊豆諸島の持続的発展の好機と捉えまして、今回の計画では、サステナブル・リカバリーの視点に立った取り組みを進めることとしております。
(注)
テレワーク=時間や場所にとらわれない働き方
ワーケーション=休暇をとりながら旅先や帰省先などで働くこと
サステナブル・リカバリー=小池知事は、「今の世界を持続可能(サステナブル)なものとして次の世代に継承していかなくてはなりません。そのために何が必要か。それは気候変動をはじめとする環境、経済、健康などの社会的課題への解決を図りながら、持続的な経済発展を遂げていく『サステナブル・リカバリー(持続可能な回復)』の推進です」としています。
コロナのなかで島の皆さんは本当に苦労された
そのことをしっかり踏まえてほしい
原のり子 今回、計画の中でも、先ほどご答弁いただいたように、新型コロナ等についても、今後もそういう対応が必要だということが明記されているんですよね。だからこそ、今回、コロナのなかで、島の皆さん、本当にご苦労された、そのことが私は書かれることが必要だったのではないかと思っています。
特に今、コロナは終わったわけではなくて、感染はまた拡大傾向ともいわれていますし、後遺症で苦しんでいる方もいて、また、島の皆さんの苦労は、島には療養施設がないので、一人が感染すると、もう家族中ですぐに感染をしてしまったり、重症化リスクの高い高齢者の方を島外医療機関に搬送するということも非常に大変だったとうかがっていますので、そのことはぜひとも踏まえていただきたいということです。
どの島も医療機関が少ない
今後、どのように強化しようとしているのか
原のり子 どの島も、もともと医療機関が少なく困難がありますけれども、計画では今後どのように医療体制を強化しようとしていますか。
多摩島しょ振興担当部長 へき地専門医療確保事業等により、専門医療の充実を図るほか、超高速プロードバンドの活用により専門医療の受診機会を補っていくなど、医療提供体制を強化していくこととしております。
新島、式根島の眼科診療の改善を
島外医療機関にかかる際の交通費への支援も必要
原のり子 さきの総務委員会や文書質問等でも、新島、式根島の眼科診療の問題とか、島外医療機関にかかる際の交通費への支援も必要ではないかというようなことも求めてきていますが、改めて各局連携を強めて、具体的にすすめていただきたいと強く要望したいと思います。
住み続けられる島であるために
人口減にどう対応しようと考えているか
原のり子 医療に限らず、離島振興計画に基づき具体的な取り組みをすすめていく必要があると思いますが、計画の11ページ、12ページには、人口減少とそれに伴う経済の影響について触れられています。どの分野でも、やはり人口が減っているということ、基幹的農業従事者数など、さまざま書かれています。
住み続けられる島であるために、人口減にはどのように対応しようと考えているか伺います。
多摩島しょ振興担当部長 今回の計画では、交通基盤の着実な整備による利便性の向上、農業、水産業や観光産業等の活性化による雇用の場の確保・創出、医療・防災対策等の充実による安全、安心な暮らしの確保、関係人口の創出による移住定住の促進などの方針の下に取り組みをすすめることで、持続可能な伊豆諸島の発展を図ることとしております。
くさや産業が非常に厳しくなっている
都として対策をとるべきではないか
原のり子 わかりました。こういう人口減少とも関わって、ちょっと時間の関係で、少し絞ってうかがいたいと思うんですけれども、現実にさまざまな弊害が生まれていまして、例えば、くさや産業が非常に厳しくなっているという状況があります。後継者がいないということだけではなくて、魚が捕れないために豊洲市場から買っているという現状もうかがいました。こうした状況について知っているか、また、都として対策を取るべきではないでしょうか。
多摩島しょ振興担当部長 伊豆諸島では、漁業生産額の減少、後継者不足などの状況にあることから、本計画においては、新たな漁場造成手法の検討、新規就業者への受入れ体制の整備、商工業者に対する経営支援などをすすめていくこととしております。
各局が連携して取り組んでほしい
くさや加工 大島への乾燥機補助を検討してほしい
原のり子 これも本当に、各局連携して取り組んでいただきたいんですが、具体的に、例えば大島町などから相談があったら、本当に誠実に対応していただけたらと思います。
くさやの加工組合は、新島と大島でつくっているとうかがいました。乾燥機は、その組合で新島に、補助もいただいてあるんだそうですけれども、大島にはないわけですね、補助を受けた形の乾燥機は。こういうものについてもやっぱり検討していただきたいという、本当に切実な声も寄せられています。
町役場や村役場の欠員
役場はなくてはならない存在 都が支援を
原のり子 また、もう1つ深刻だと思ったのは、町や村の役場の欠員です。ある村では、30人ほどの定数に対して10人欠員になっているとうかがいました。これに対して都としてはどのような対応をしていますか。
多摩島しょ振興担当部長 都はこれまでも、島しょ町村への職員派遣などにより、町村の自主的な取り組みを支援しております。
また、都の政策連携団体である公益財団法人東京都島しょ振興公社では、島しょ町村が抱える行政課題への対応を支援しております。
原のり子 わかりました。東京都もできる支援をしているということですけれども、役場は住民の生活を支える上で、なくてはならないものです。町村でもそれぞれ職員募集にいろいろ工夫して努力をされているというふうに思っていますが、島での公務員としての大事な役割や、やりがいを発信していくことはとても大事だと思います。支援を強めていただきたいというふうに思います。
定住促進の取り組み
都はどのような効果を期待しているのか
原のり子 最後に、東京都は多摩島しょ移住定住相談窓口を設置するなど、定住促進の取り組みをすすめています。このことについてどのような効果を期待しているのか、うかがいます。
多摩島しょ振興担当部長 関係人口を創出し、移住、定住を促進することは、伊豆諸島の持続的な発展に重要であると考えております。
島しょの魅力を発進し
住み続けられる状況をつくっていく
原のり子 今回、離島振興計画、10年間のがつくられたもとで、この島しょ地域の魅力を本当に発信もし、住み続けられるという、そういう状況をつくっていくことはとても大事だと思っています。
多摩島しょ移住定住相談窓口を訪問
ぜひPRを強めてほしい
原のり子 昨日、私は多摩島しょ移住定住相談窓口を訪ねてきました。有楽町の東京交通会館にあるふるさと回帰支援センターの中にありますけれども、各都道府県のブースがあって、それぞれに相談員がいて、全国の特色の分かる資料も豊富でした。この中に東京都の多摩島しょ相談窓口もあって、いろいろ教えていただきました。島の魅力も伝わるよう工夫をされていました。また、ハローワークもあって、都内や全国の雇用状況も聞きながら検討していくことができるという状況も拝見させていただきました。
ぜひPRを強めていただくことを要望して、質問を終わります。

by hara-noriko | 2023-08-01 21:22 | 都議会 | Comments(0)