東京・東久留米 公立ちゅうおう保育園の民営化ストップを
2023年 08月 26日
公立ちゅうおう保育園を民営化
東京・東久留米市(富田竜馬市長)は、公立のしんかわ保育園を廃止したあと、公立ちゅうおう保育園を民営化する計画を打ち出しました。民営化への移行は2026年4月とされています。「『東久留米市保育サービスの施設整備・運営及び提供体制に関する実施計画』令和5年8月(改訂)」がそれです。市のホームページにも掲載されました。
10園あった公立保育園は現在5園
市民参加の場もつくらず民営化を強行
かつて10園あった東久留米の公立保育園は現在5園となっています。たきやま保育園民営化のあと、稲葉市政が誕生してその12年の間は民営化は行われませんでした。しかし、その後、ひばり保育園、うえのはら保育園、みなみ保育園、さいわい保育園と民営化が強行されていきました。なぜ、「強行」なのか。市民の声を聞かずにすすめているからです。一度も、保育園の在り方を検討する市民参加の場はつくられていません。
並木市政は公立保育園を全廃を計画
市民が「それはおかしい」と声を上げてきた
さらに、富田市長の前、並木市長のときに、公立保育園を全廃するという、全国的にもほとんど例がない無謀な計画を出しました。これに対して市民のみなさんが、「それはおかしい」と声を上げ、「公立保育園が果たしている役割をしっかり認めていくべきだ」という運動がねばり強く続けられてきました。
公立しんかわ保育園は今年度末で閉園されようとしています
「公立保育園はなくすべきではない」と取り組んでいます
しかし、東久留米駅東口のすぐそばにある公立しんかわ保育園は、この1年間は年長さんだけの保育園になっていて、異年齢保育も保障されないまま、今年度末で閉園されようとしています。私たちは「しんかわ保育園をはじめ、公立保育園をなくすべきではない」と取り組みを続けています。市民のみなさんの公立保育園存続を求める、新たな署名も大きく広がっています。
市民の声と運動に押されて「廃止する」とはいえず
民営化して公立保育園をなくしていく方向に
しかし市は、しんかわ保育園を廃止したあとは、ちゅうおう保育園を民営化するといいます。市民の声と運動に押されて、とうとう「廃止をする」とはいえなくなったのが富田市政ですが、公立保育園はなくしていく、民営化していくという方向であることが新しい計画で明らかにされました。しかも、いっさいの市民参加はなし。公立保育園の果たしてきた役割の検証もありません。
老朽化を理由に民営化
事業者には市と協定を結んでもらう、というが
ちょうおう保育園は老朽化している。だから土地や建物については東久留米市が用意して民間の法人に入ってもらって運営してもらう、事業者には市と協定を結んでもらう、といいますが、それなら公立保育園として存続すればいいのではないでしょうか。
しかも、社会福祉法人だけではなく、株式会社も含めて対象にすることが明らかにされています。
40年・50年の歴史をもつ公立保育園
これをなくして必要な保育の水準が守られるのか
東久留米市の公立保育園は、40年・50年を超える歴史をもっています。どの保育園も地域活動事業を行い、園庭のない保育園がふえているなか、そうした保育園に園庭も開放したり、障害児も積極的に受け入れてきたりしているのが大きな特徴になっています。歴史ある公立保育園を廃止したり民営化したりする。こういうなかで、必要な保育の水準が守られるでしょうか。もっとも保育を必要としている子どもたちの命や発達が守られるのか。そのことが問われています。
公立保育園は存続させていく
市民のみなさんと力を合わせたい
公立保育園は存続させていく。その立場で日本共産党もみなさんと力を合わせていきたいと思います。
小学校や中学校に公立の学校があり、そこは市が責任をもって運営する形になっています。これが1つの基準になって、選択肢として私立の小学校や中学校を選ぶ方々もいらっしゃいます。でも、公立の学校や施設をきちんと担っていくことによって、だれ一人取り残さない、どの子どもたちも成長や発達が保障される。それは「公」の大きな責任です。そこを後退させるのが、公立保育園の廃止や民営化計画です。
セーフティーネットの役割を果たす公立保育園
「公」のものをどんどん民営化していっていいのか
現場にこうした施設を市がもっていることによって、抱えている問題、解決しなければいけない問題をリアルにとらえることができます。また、いま東久留米の公立保育園も、子ども家庭支援センターとも連携しながら、保育を必要としている子どもたちや、せっぱつまって相談にきた家庭を支えています。セーフティーネットの役割を果たしています。 私も、何人もの方々からの相談を受けてきましたけれども、地域に公立保育園があるから安心して保護者の方が子どもを預けることができる。保育士さんと一緒に子どもをも守っていくことができる。そういう歴史を40年・50年と積み上げてきています。
その歴史にまったく学ばず、とにかく「公」のものをどんどん民営化していく形をとってしまったら、子どもたちの成長や発達が保障されないということになりかねません。
障害児保育を担ってきた公立保育園
ちゅうおう保育園民営化計画の撤回を
東久留米市の公立保育園では、障害児保育についても、まだ障害があるかどうかわからない、そういうケースであっても、審査会でよく議論をして、子どもをどこで受け入れるのか、そこに保育士さんをどうつけるのか、そういうことを続けてきた歴史があります。 この東久留米市で安心して子どもを産み育てられる、その保障をしていくためにも、いまある公立保育園をしっかり存続させていく。そして、新たに富田市政が打ち出した、ちゅうおう保育園の民営化計画を撤回するようご一緒に求めていきたいと思います。みなさんのご意見も、ぜひ聞かせていただけたらと思います。
都議会で公立保育園の役割について質問
公立保育園は地域の保育の基準になっている
公立保育園が果たしている役割と意義について私は、都議会の予算特別委員会などで質問してきました。
公立保育園は、地域の保育の基準となっています。を保育指針は同じとはいっても、私立園はその上にそれぞれの特徴があります。そこを選んで入園する人ももちろんいます。同時に、市役所が現場の保育園をもっていなければ、子どもの実態が見えにくくなってしまいます。
困難を抱えている家庭がとても増えている
「公」の役割を後退させるわけにはいきません
いま、困難を抱えているご家庭がとても増えています。子ども食堂、フードバンク・フードパントリーなどを見ても、子育て中の方々を含めて、困っているという声がたくさん寄せられています。
そういうときに、「公」の役割を後退させるわけにはいきません。公立保育園をしっかり存続させて、東久留米で育つ子どもたちが安心して、保育が必要な子は保育を受けられる。小学校や中学校も公立の学校にだれもが安心して通える。そういう環境をつくっていかなければならないと思います。
みなさんの声をお寄せいただいて、パブリック(公共)を守っていく、「公」を後退させない取り組みをご一緒にすすめていきましょう。格差が広がっているこの社会で、「公」を守ることは本当に重要なことになっています。「だれ一人取り残さない」と言葉ではいっても、実際には「公」の役割を大きく後退させているのが今の政治の大問題です。公立保育園をしっかり存続させて、だれもが安心して保育が受けられる、成長を支えられる、そのために力を合わせていきたいと思います。
共産党東久留米市議団と宮本徹衆院議員、私
こども家庭庁と懇談し申し入れ
共産党東久留米市議団は8月2日、こども家庭庁に対し、宮本徹衆院議員を介し申し入れと懇談をおこなっています。私も同席しました。一般財源化して公立保育園以外にも使えるようにした国庫補助金を元に戻し、公立保育園の運営等に使うことを明確にすることを求めました。また、市民の声を聞かずに廃止や民営化をすることについても意見交換しました。引き続き、連携してとりくみます。
(左から)原のり子、宮本徹衆院議員、村山順次郎市議、
永田まさ子市議、北村りゅうた市議、かもしだ芳美市議
by hara-noriko | 2023-08-26 22:41 | 活動日誌 | Comments(0)